コラム

救急集中治療×整形外科【掛け合わせで探す私のキャリアプラン】

近年、重度四肢外傷や外傷性脊髄損傷、不安定型骨盤骨折などの整形外科外傷診療が飛躍的に進展しています。そして、重症外傷の診療においてはPreventive Trauma Deathだけでなく、Preventable Trauma Disabilityを防ぐために、急性期からの整形外科医による治療介入の必要性が高まっています。

しかし、この治療戦略の認知度は整形外科領域内でも十分ではなく、急性期治療に関わる集中治療領域でも十分には周知されていません。そのため、両者の領域の治療介入のタイミングが最適化されず、最良の転機を逃した症例も経験しました。

そこで私は、両者の領域のマインドを持ち、共通言語を用いて橋渡しできる医師を目指し、救急集中治療の修練を積んだ後に外傷手術を専門とする外傷整形外科医を目指すキャリアプランをスタートしました。

集中治療領域の急性期の全身管理の専門性と整形外科領域の機能再建の専門性を組み合わせることで、蘇生の超急性期から回復リハビリ期まで、一貫した視点で重症外傷患者をマネジメントすることができる。

道半ばではありますが、そんな新たなキャリアプランの可能性を、学会(第8回日本集中治療医学会 中四国学会 スポンサードセミナー)でお話させていただきました。

その際のスライドを共有いたします👇

救急と整形外科のダブルボードを検討している方、自分の診療科専攻に悩んでいる方、自分の5年後のキャリアに悩んでいる方など、きっとお役に立てる要素がいくつかあると思います。

もし興味がある方、相談などありましたら、各種SNSなどで気軽にご連絡いただければ幸いです

Antaaとは、医師・医学生向けのオンラインプラットフォームのことです。

日々の情報のアップデートと、日本各施設で活躍されている先生方の近況が知ることが出来て、私自身とても毎回刺激を受けております。

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※今回の記事は普段よりお世話になっている、

アンター株式会社COOの西山様含め、

Antaaにて執筆の許可をいただいている記事になります。

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『Antaa』とは?【登録無料!医学生・医師向けオンラインプラットフォーム】医師は一生学び続けなければならない仕事と、世間一般的には言われています。 日々忙しく働く中、自分自身の専門家の知識は深まっていく一方で、 他科の情報や知識のアップデートは難しいなと感じている先生方も多いと思います。 また、研修医の先生方はまだまだ慣れない職場は、毎月のローテで仕事に慣れるのに精一杯の中、自己研鑽の時間を確保できないこともあると思います。 今回は、そんな悩みを解決する参考になればと思い、 日々僕自身もお世話になっている医師同士の情報共有プラットフォームである『Antaa』についてご紹介させていただきます。 その中でも、自分自身がAntaaの中で普段多用させていただいている 素晴らしいツールを3つ厳選して紹介したいと思います。 今回の記事は普段よりお世話になっている、アンター株式会社COOの西山様含め、Antaaにて執筆の許可をいただいている記事になります。...

 

 

以下、スライドの文章まとめです。URL等参考にしていただれば幸いです◎

テキスト全文

  • #1.

  • #2.

    経歴 2018年3月 広島大学医学部医学科 卒業 2018年4月 マツダ病院 初期レジデント 2020年4月 広島大学病院 救急科専攻 プログラム 2023年4月 広島大学病院 整形外科 ダブルボードカリキュラム 興味領域 救急・集中治療・整形外科(外傷)・サウナ・SNS発信 教育活動 EM Alliance 教育班 JSEPTIC(集中治療教育研究会) 広報部 HBD(広島ブルードクターズ) 運営メンバー JACRA(日本チーフレジデント集会)コアメンバー 救急レジセミ(広島大学救急集中治療医学主催) 運営メンバー 書籍 単著『みんなの救命救急科』(中外医学社 2022年) 共著『研修医の羅針盤』(羊土社 2024年) 共著『みんなの集中治療科』(中外医学社 2024年) 連載 日経メディカル『エッセイ~綴る救急医』 県立広島病院 整形外科 広島大学 救急集中治療医学 救急科専門医 日本離床学会 認定指導医 集中治療学会 U35 救急医学会 SMAQ委員会 日本離床学会 委員会 日本医師会健康スポーツDr

  • #3.

    外傷診療 PTDを防ぐ

  • #4.

    PTDを防ぐ Preventable Trauma Death 防ぎ得た外傷死 各診療科やスタッフの 協力が不可欠

  • #5.

    救急科医師:指揮者(コマンダー) 外科系医師:術者(ストライカー) 救急科専攻中に 感じた両者のマインド・役割の違い

  • #6.

    40歳 男性 交通外傷 バイクvs乗用車 バイク側 腹部打撲痕 恥骨結合圧痛あり 【来院時所見 】 血圧 100/60 mmHg 心拍数 100回/min  呼吸数 20回/min SpO2 97%(O2 4L/min) GCS 15 E4V5M6 体温 36.5 ℃ 造影CTに行けそう ▶肝損傷・骨盤骨折の診断 その後徐々に血圧低下しショックに…

  • #7.

    整形外科はバイタルが落ち着いてから…? 40歳男性 #骨盤骨折 #肝損傷 #ショック 創外固定とかが 必要そうだけど 肝損傷もあるし… 腹部外傷もあるのか… 手術はバイタルが 落ち着かないと… 救急医 集中治療医 外傷整形外科医 両者の領域の治療介入のタイミングが 上手く最適化されない施設も多い

  • #8.

    もう一つの PTD Preventable Trauma Death 防ぎ得た外傷死 Preventable Trauma Disability 防ぎ得た外傷機能障害

  • #9.

    30歳 男性 右上肢不全切断 乗用車運転中に 中央分離帯へ激突 Dr. heli接触時, 不穏状態 【来院時所見】 血圧 112/90 mmHg 心拍数 92 回/min  呼吸数 12 回/min SpO2 97 %(O2 4 L/min) GCS 14 E4V4M6 不穏あり 顔面蒼白 冷汗あり 体温 34.0 ℃ 右上腕開放骨折あり骨片露出 右上腕肩関節以遠から広範に挫滅

  • #10.

    Major四肢不全切断 阻血の兆候を 見逃さない 再建を急げ! 再血行化まで受傷後 4時間以内がタイムリミット Hossny A. J Vasc. Surg 2004.40; 61-6

  • #11.

    どのタイミングで手術に行く…? すぐにオペ行きたいけど ガイドライン的には  胸部・腹部X-pを   取らないと… 早く手術に行きたいけど 救急の先生のタイミング もあるしな…  判断を委ねよう… 救急医 集中治療医 外傷整形外科医 1分1秒を争う中、手術介入のタイミングが 最適化できない可能性が

  • #12.

    救急科医師:指揮者(コマンダー) 外科系医師:術者(ストライカー) 両者のスキル・マインドを 持つ医師の存在が重要なのでは?? ▶ダブルボードの医師

  • #13.

    両者のスキルとマインドを持って 橋渡し出来る医師がいれば… 外傷整形外科医 救急医 集中治療医 腹部外傷のオペと同時に  創外固定をするなら  Subcristal法で   やれる! 肝損傷含めIVRだけで 良さそうなら、IVR室で 10分で創外固定しよう! 新しい選択肢・可能性が生まれる!

  • #14.

    外傷整形外科医 救急医 集中治療医 両者のスキルとマインドを持って 橋渡し出来る医師がいれば… 骨盤は触診でOKそうだ。 フライトDrの評価後なら  X-pは造影CTで代替できる?  E-FASTはCT向かいながら   するか…? 頭部外傷があって凝固障害 があったら、どこまで再建して 内固定のプランを建てようか… 創外固定とプレートの位置を  意識して再建をして… 新しい選択肢・可能性が生まれる!

  • #15.

    救急・集中治療の経験を生かしつつ ただいま、整形外科修練中…! 20代 女性 自転車vs乗用車 自転車側 外傷性SAH 骨盤骨折 頭部外傷でICP管理が必要… でも骨盤骨折でギャッジアップが できない… ▶シーネ代わりの創外固定 ICUで施行

  • #16.

    100万人に1人の希少性ある存在 「三角形モデル」 参考) 100万人に1人の存在になる21世紀の働き方 藤原和博(著) 100分の1

  • #17.

    100万人に1人の希少性ある存在 「三角形モデル」 参考) 100万人に1人の存在になる21世紀の働き方 藤原和博(著) 100分の1 100分の1 10000分の1

  • #18.

    100万人に1人の希少性ある存在 「三角形モデル」 参考) 100万人に1人の存在になる21世紀の働き方 藤原和博(著) 1000000分の1 100分の1 100分の1 100分の1

  • #19.

    それぞれの専門性を高めれば 希少性の高い医師に 参考) 100万人に1人の存在になる21世紀の働き方 藤原和博(著) 救急科 集中治療科 整形外科 自分が好きな領域で  自分にしかできない仕事を見つけられる

  • #20.

    理想のキャリアプラン 救急科専門医 集中治療専門医 整形外科専門医 ? 3年目 医師 6年目 7年目 10年目

  • #21.

    掛け合わせは診療科選択だけではない ×研究 ×教育 ×執筆 ×起業 ×SNS発信 ×地域

  • #22.

    5年後の目標は… ●望遠鏡型キャリア  ・遠くの明確な目標に向かって一貫して進む  ・長期的な計画 ステップバイステップ ●安定した環境・予測可能な進路であることが前提 ●VUCAの時代では終りを迎えている可能性も 参考)『自分を育てる方法』中竹竜二 (著)

  • #23.

    万華鏡キャリア ●目の前の機会や変化に対応し広がるキャリア ●偶然の出会い・興味・経験のピースを活用 ●自分だけの進むべき道を偶発的に作り出す 参考)Kirk, S. (2016). Career capital in global Kaleidoscope Careers: The role of HRM. The International Journal of Human Resource Management, 27, 681–697.

  • #24.

    経歴 2018年3月 広島大学医学部医学科 卒業 2018年4月 マツダ病院 初期レジデント 2020年4月 広島大学病院 救急集中治療科後期レジデント 2023年4月 広島大学病院 整形外科 ダブルボードカリキュラム 興味領域 救急・集中治療・整形外科(外傷)・サウナ・SNS発信 教育活動 EM Alliance 教育班 JSEPTIC(集中治療教育研究会) 広報部 HBD(広島ブルードクターズ) 運営メンバー JACRA(日本チーフレジデント集会)コアメンバー 救急レジセミ(広島大学救急集中治療医学主催) 運営メンバー 書籍 単著『みんなの救命救急科』(中外医学社 2022年) 共著『研修医の羅針盤』(羊土社 2024年) 共著『みんなの集中治療科』(中外医学社 2024年) 連載 日経メディカル『エッセイ~綴る救急医』 県立広島病院 整形外科 広島大学 救急集中治療医学 救急科専門医 日本離床学会 認定指導医 集中治療学会 U35 救急医学会 SMAQ委員会 日本離床学会 委員会 日本医師会健康スポーツDr

  • #25.

    ×救急? ×教育? ×執筆? ×集中治療? ×SNS発信? ×整形外科? ×エッセイスト? ×サウナスパ? 多すぎるパズルピースを万華鏡に

  • #26.

    そのパズルピースが 見つからないんです…

  • #27.

    Will Being Value

  • #28.

    Will 誰に対して 自分が何を やりたいのか

  • #29.

    Being 自分はどう ありたいのか

  • #30.

    Value 自分の 強みはなにか

  • #31.

    ×救急? ×教育? ×執筆? ×集中治療? ×SNS? ×整形外科? ×エッセイスト? ×サウナスパ? Will Being Value

  • #32.

    Will Being Value ×救急? ×教育? ×執筆? ×集中治療? ×SNS? ×整形外科? ×エッセイスト? ×サウナスパ?

  • #33.

    ●専門性の掛け合わせで希少価値の高い存在を  目指すことができる ●希少性を高めれば自分が好きな領域で  自分にしかできない仕事を見つけられる ●掛け合わせのパズルピースを探す合言葉は  『 Will・Being・Value 』の3つ Take home message