コラム

アニメ「ブルーロック」から学ぶ複写変化と省察的実践

「ブルーロック」には様々な魅力的なキャラクターが出てきて、それぞれ自分なりの武器をもっています。その中でも今回は 御影玲王をピックアップします。

※今回の記事は、『アル 漫画ファンの愛で作るマンガサイト』で公開されている、『みんなの好きなコマ』より画像を引用しております。コマ画像の投稿は、出版社および作者の方から許諾をいただいています。

※HBDメンバーの後輩、楪先生と共著の記事となります!

御影玲王はすべての能力が高水準なオールラウンダーな人物であり、能力の高いプレーヤーとして活躍します。

ですがその一方で、すべての能力が突出しているわけではないため、器用貧乏に陥ってしまうという欠点もありました。

その中で、挫折を繰り返すことで自分の強みを活かした複写変化(カメレオン)という相手の技をコピーする能力を導き出し、覚醒していきます。

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このキャラクターが活躍するシーンを読んでいたらふと頭の中に疑問が浮かんできました。

「指導医の先生の診療能力を複写変化するにはどうしたらいいのだろう?」

AIに質問してみたり、時にはビジネス本を読んだりしてみたところ、複写変化を身に着けていくための5つのキーワードに辿り着きました。

・省察的実践家

・フィードバック

・コミュニケーション

・観察

・批判的吟味

どれも大事そうですが、中々医学部の授業や、臨床研修中では習わない言葉ですよね。

この中でも省察的実践家について「ブルーロック」を交えて解説します

1. 省察的実践家とは

省察的実践家とはドナルドショーンが1983年に提唱した概念です。

現場で実践する専門家の本質歴な専門性とは実践の中に存在する”知と省察”それ自体を実践すること。知識や技術、能力、価値観を超える問題に直面した時に不安や戸惑いを感じ、この状況を突破するために経験や知識、問題解決能力を総動員して何らかの行動を起こし、直面する状況に変化をもたらす。問題解決後に今回直面した状況の変化を評価し、教訓(実践の理論)を導き出す。この繰り返しによって「状況と対話」し、「行為の中の省察」を通じて、専門家は自ら学び解決策を身につけ、発達していく。

少し、ブログには冗長な文章ですね…。

ここからは噛み砕いてわかりやすく解説しますので、もう少しお付き合いください。

省察には3つの種類があり、

①Reflection in action

自分の知識の範囲を超えた場面に何とかその場を乗り越えること

②Reflection on action

その時を振り返り、言語化すること。また、話し合い言語化し合い自分なりにまとめ、実践の理論を導き出す

③Reflection for action

学びのために次のステップを設定すること

ブルーロックはまさに省察的実践家の漫画です。

2. ブルーロックと省察的実践家

① Reflection in action

このシーンは潔がピンチの時に行動を起こすシーンです。

1コマではわかりづらいですが、試合で相手に点を取られそうになるというピンチという困難に立ち向かった際に自分のできる行動を起こしています。

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②Reflection on action

次のシーンは試合の振り返っているシーンです。潔は自分の心の中や仲間と言語化し、振り返り、実践の理論を導き出しています。

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③Reflection for action

最後のシーンは自分の武器を見つけるシーンです。潔は自分の複武器を導き出し、次回以降に自分のものにするという次のステップを設定します。

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3. 研修医と省察的実践家

漫画の世界でありハードルが高く聞こえますが、実は研修医は心の中や指導医とのフィードバックでやっていることが多いです。

具体例を挙げると

①Reflection on action

・意識障害の患者さんで血糖も電解質もアンモニアも正常でCTも何もない?!AIUEOTIPSをもう1回調べてみよう…。

・突然発症の胸痛の患者さんでSTが上がってない!!どうしよう何をしたらよいかわからない、指導医に相談しよう…。

②Reflection in action

・意識障害で低血糖や脳出血、電解質異常、肝性脳症は鑑別できていたな。他の鑑別で採血や病歴でわかるものはなかったのかな?

・突然発症の胸痛の鑑別が心筋梗塞しかなかったな。

③Reflection for action

・Wernicke脳症はMRIや採血も外注が多いな。次からは病歴をしっかり取ろう

・若い女性でピルも内服していたら肺血栓塞栓は鑑別にあげないと。5 killer chest painっていうのがあるのか、次から使おう!

といった感じで、普段の臨床現場での自分の心の声と合致した部分があるのではないでしょうか?

研修医は知識を超える場面に出会うことが多く、まさにReflection on actionを無意識に行う機会が多いです。

しかし臨床現場では仕事に忙殺され、もやもや感が残っていたり、失敗に気づいていたりしても振り返ることは少ないと思います。

3つの省察の中でのポイントは、忙しい業務の中で Reflection in actionをいかに実践できるかどうかだと思っています。

4. Reflection in action

ここでReflection in actionについてもう一度見直して見ると、キーワードは

・言語化

・振り返り

の2つだと考えています。

ブルーロックでは潔を始め、キャラクターが心の中で自分の課題を言語化して振り返っています。

皆さんもおそらく、自分自身の行動や仕事を振り返り、言語化にすると何ができていなかったか、そして新たな疑問が浮かんでくる経験があると思います。

その中で、自分はここまで理解しているけどここから理解できていない、と再確認すると思います。

言語化して振り返ることは、まさに自分の知識の明瞭化や得意なことという、 自分の武器に気づかせてくれるきっかけになります。

5. 最後に

皆さんも “言語化“して”振り返る“ことを意識して、1つの症例から学ぶことを増やし、そしてReflection for actionを意識して次のステップも考えましょう!

日々の振り返りの積み重ねが、自分の “武器”を見つけるきっかけになると思います!

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かなーりニッチな記事ではありますが、反響があれば今後も定期連載していくかもしれません…!笑

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