ERでの業務の合間に後輩たちからよく聞くのは、
「まず何から始めればいいか、いつも悩んでしまいます…」
「どのタイミングで何の疾患を疑って検査を追加しているんですか…?」
「患者さんのプロブレムが多くなると、何をしていいかわからなくなります…」
という質問です。
救急外来という特殊で時間の限られた場での診察は、
ポイントを絞ってかつ効率的にゴールを設計して診察にあたらなければ、
診察も判断も時間がかかり助長なものとなってしまいます。
初期研修医の子たちにER診療についてもっとわかりやすく、そしてクリアに教えてあげられるようになりたいなあ…
そんな時にこの一冊に出会いました。
今回ER診療の初めに読むべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇
これからご覧いただく医学書レビューは、
これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み、
その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている
ある救急科専攻医のレビューです。
医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、
是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!
1.本書のターゲット層と読了時間
ターゲット層は、
初期研修医から後期研修医
推定読了期間は
5-6時間程度
です。
2.本書の特徴
本書は、麻生飯塚病院で勤務されていた松原知康先生、吉野俊平先生が、
3.個人的総評
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
今回の総評はほぼカンストしていますが、正直オススメ度やわかりやすさは他の救急外来診察の本のなかでも群を抜いていると感じるほどでした…
特に、よく救急外来診療で注目されるPrimary surveyとSecondary surveyに加えて、
救急車受け入れ前のPreparationや、pre-Primary surveyは実際に現場で学ぶことも多く、
ここについて言語化されているのは本当にすごいなと思いました。
理解すればいいところと、本当に覚えなければならないことをしっかりつ分けてくださっているので読者側としては重み付けをしながら読み進めることが出来ました。
また、各症例が研修医と指導医、ベテラン医の3人の会話で進むため、「研修医がやりがちな凡ミスがどのように発生するのか」が臨場感をもってスイスイ読み進められます。
自分も若手指導医として各疾患をハラハラしながら診察している気持ちで一気に読み進めてしまいました…やはり面白い本は一気に通読できてしまいますね…
Open/Closed questionで陥りがちなミスや、各検査項目やスコアリングで陥りやすいミスについても各シナリオで扱ってあるので、二度目に読めばまた違った学びが得られる一冊でした。
個人的には、
あくまで個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書は救急外来診療を学ぶ上で必須の一冊である!
と感じました。今後出会う初期研修医に本書を勧めたいと思います。
4.おすすめの使い方・読み進め方
●初めの総論が本当に重要!ここで躓く要素がないよう集中して読み込む
●実際の症例を診療している気持ちになりながらまず通読!
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!
個人的におすすめの使い方をご紹介します!
本書を読んだ後に経験する救急外来診療は、体系的かつ効率的になるので初期研修医など早い段階での通読をおすすめします。
そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。
5.まとめ
【基本情報】
タイトル:動きながら考える!内科救急診療のロジック
著者:松原知康 (著) 吉野俊平 (著)
出版社:南山堂
発行年月日:2016/3/11
ターゲット層は、
初期研修医から後期研修医
推定読了期間は
5-6時間程度
【本書の種類】
通読系・クロストーク
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価: