【疑問】
今回は、臨床や医学の勉強をしていて感じる疑問の一つ、
気管切開チューブの管理
についてまとめました。
各施設のルーチンで管理されることも多い気管切開後の患者さんですが、今回改めて文献などを見ながらまとめてみました。
1.最初の気管切開チューブ交換時期は?
●痩孔が完成する術後7~10日の間に行う
●交換時の皮下軟部組織などへのチューブ迷入を
避けるため
●その後のチューブ交換は2週間に1回の頻度で行う。
【気管切開チューブ交換時に留意すべき点】
●低酸素状態
●気管切開孔周囲の損傷
●口腔内容物の誤嚥
●患者間の交叉感染
2.気管切開チューブのサイズ選択は?
●チューブの内径は呼吸仕事量の観点から
初期はなるべく太いものをチョイス
※7.0mmと8.0mmを比較すると、前者が後者と同じ換気量を得るには呼吸仕事量が約70%増えることになる(Hagen-Poiseuilleの法則)
●呼吸器離脱後に意識状態がよい患者では、
カフ付き気管切開チューブをサイズダウンし、
気切孔の閉鎖をはかりつつスピーチチューブに交換
3.単独で安全に、気管切開を施行するには最低何症例必要か?
明確なエビデンスはないものの…
●5-10例
the American Thoracic Society
the European Respiratory Society
●20例
the American College of Chest Physicians
と表記されている2)
4.引用文献
1)気管切開患者の管理 Intensivist 2012;4:765-768
2)Journal of Critical Care 38 (2017) 304–318
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