思いがけないときに足元をすくわれる肺塞栓。肺塞栓は疑うことからすべてが始まります
肺塞栓を適切に疑い、どのように診断し、治療に繋げるか?
その点にフォーカスし、具体的なアクションプランをベースに解説しました。
肺塞栓を疑うきっかけは、いくつか存在します。
少しでも「これは肺塞栓かもしれない」と思うきっかけとなるマインドを持つことが非常に大事な疾患です。
皆様の日々の診療の参考になれば幸いです。👇
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以下、スライドの文章まとめです。URL等参考にしていただれば幸いです◎
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肺塞栓
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目次 肺塞栓の診断 重症度評価 血栓溶解療法と外科的治療
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肺塞栓は疑うところから 始まる
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説明のつかないショック・頻脈・頻呼吸 肺塞栓を疑う
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臨床症状 急性PTEの自覚症状 失神は意外と忘れがち Stein M, et al. 1963, Miniati M, et al. 1999, 長谷川浩一, 他. 1993, 岡田修, 他. 2001 より作表
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VTEの危険因子 Strong risk factor (OR>10) 下肢の骨折, 過去3か月以内の心不全またはAf/AFLによる入院, 股関節または膝関節置換術,大きな外傷, 過去3か月以内の心筋梗塞, VTEの既往, 脊髄損傷 Moderate risk factor (OR 2-9) 関節鏡下の膝手術, 自己免疫疾患, 輸血, 中心静脈ライン, 静脈内カテーテルまたはリード, 化学療法, うっ血性心不全または呼吸不全, エリスロポエチン, ホルモン補充療法, 体外受精, 経口避妊薬, 産後, 感染症(肺炎, UTI, HIV), 麻痺を伴う脳卒中, 表在静脈血栓症 Weak risk factor (OR<2) ベッド上安静>3日, 糖尿病, 高血圧症, 長時間の座位(飛行機など), 加齢, 腹腔鏡手術, 肥満, 妊娠, 静脈瘤
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Modified Wells criteria >4点:PE likely ≦4点:PE unlikely 重症患者は対象として不適 他のprediction rules: Revised Geneva Score YEARS
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D-dimerの解釈 M Righiniet al. Am J Med 2000;109:357-61. 原則、肺塞栓診断における 感度は高い(全年齢共通) ;陰性なら基本的に除外できる 特異度はそもそも高くないが 年齢を重ねるにつれさらに低下する ;高齢者では上昇していることが多い Age-adjusted cut-off: 50歳未満・・・500ng/ml以下 50歳以上・・・年齢×10ng/ml以下 なら陰性 M Righini et al. JAMA 2014;311:1117-24.
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PulmonaryEmbolismRule-out Criteria (PERCルール) すべて陰性→ 肺塞栓をrule outできる 利点: Dダイマー測定不要 注意点: 対象となる患者は、救急外来を受診された患者のうち肺塞栓が疑われるが、 事前確率が15%未満(医師の評価) と判断されるもの → そもそも事前確率が高い患者は 適応外であることに注意! 入院患者、重症患者には適応しにくい
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Decision to test in outpatient setting for pulmonary embolism (PE) Clinician has implicit sense that the likelihood of PE is ≧15% Clinician has implicit sense that the likelihood of PE is very unlikely (Estimated likelihood, <15%) AND PERC positive PERC negative Have a chosen strategy and use it for all patients Be familiar with one score in combination with one D-dimer option Wells or Geneva score ① ② ③ ABOVE prespecified threshold OR D-dimer A B C AT OR ABOVE prespecified threshold Wells score ≦4.0 Revised Geneva score ≦10 Simplified Geneva score ≦4 ① ② ③ AND Use and know one D-dimer option: D-dimer < manufacturer- recommended cutoff A D-dimer < age- adjusted cutoff B D-dimer < 1000ng/ml C ④ No YEARS items present AND D-dimer < 1000ng/ml OR Any YEARS items present AND D-dimer < 500ng/ml CT angiogram or ventilation-perfusion SPECT PE diagnosed PE ruled out Positive Negative Kahn SR,NEJM 2022;387:45-
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エコーを用いた迅速なショックの鑑別 スライド画像)広島大学病院 演者作成
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エコー所見 McConnell sign 右室自由壁の運動は低下しているにも関わらず、右室心尖部はペコペコ動いている
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エコー所見 60/60 signを生かしたアクションプラン TRPG<60mmHgかつpulmonary acceleration time<60msec + CTまでに下肢エコーさっと見
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目次 肺塞栓の診断 重症度評価 血栓溶解療法と外科的治療
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急性 PTE 心停止? PCPS ショック? 臨床リスク評価(sPESI) 中リスク 右室機能障害(心臓超音波検査またはCT)/心臓バイオマーカー 高リスク 中[高]リスク 中[低]リスク 低リスク 抗凝固療法+血栓溶解療法 (外科的またはカテーテル的血栓摘除) 抗凝固療法、 血行動態悪化に 備えモニタリング 抗凝固療法、 入院 抗凝固療法、 早期退院 いずれも陽性 どちらか陽性または いずれも陰性 簡易版PESI≧1 簡易版PESI=0 あり あり なし なし
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Pulmonary Embolism Severity Index(PESI) バイタルサインが主な項目! 30日死亡リスクの低い患者を確実に特定できるのが強み
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目次 肺塞栓の診断 重症度評価 血栓溶解療法と外科的治療
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血栓溶解療法 ハイリスク症例で実施を推奨(ClassⅠ) 急性PEでショックや低血圧が遷延する 血行動態が不安定な例に対しては 血栓溶解療法を施行する(ClassⅠ) 本邦 ガイドライン 血行動態安定例ではルーチンに行わない。 出血リスクの低い若年者や抗凝固療法開始後も循環動態が悪化する症例に考慮。 急性PEへの血栓溶解療法は総死亡率, 再発率を低下させる一方で, 重大・致死的な出血,頭蓋内出血の増加と関連. Marti C et al. EurHeart J 2015; 36: 605-14.
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血栓溶解療法 国内適応はモンテプラーゼ(クリアクター®)のみ! 13,750~27,500U/kgを約2分間でiv 血栓溶解療法の禁忌 絶対禁忌 活動性の内部出血 最近の特発性頭蓋内出血 相対禁忌 大規模手術、出産、10日以内の臓器細胞診、圧迫不能な血管穿刺 2ヶ月以内の脳梗塞 10日間以内の消化管出血 15日以内の重症外傷 1ヶ月以内の脳神経外科的あるいは眼科的手術 コントロール不良の高血圧(収縮期血圧>180mmHg;拡張期血圧>100mmHg) 最近の心肺蘇生術 血小板数>100,000m㎥、PT<50% 妊娠 細菌性心内膜炎 糖尿病性出血性網膜症 添付文書: 〈不安定な血行動態を伴う急性肺塞栓症における肺動脈血栓の溶解〉 通常、成人には体重kgあたりモンテプラーゼ(遺伝子組み換え)として13,750~27,500IUを静脈内投与する。なお、一回最大投与量は27,500IU/kgまでとすること。 投与に際しては、1mLあたり80,000IUとなるように日本薬局方生理食塩液で溶解し、1分間あたり 約10mL(800,000IU)の注入速度で投与する。 なお、本剤の投与は発症後できるだけ早期に行う。
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外科的治療 ハイリスク症例のうち血栓溶解療法禁忌例もしくは 不応例で実施を推奨(ClassⅠ) 重篤なショックあるいは心肺停止を伴う急性広範型PEで, 血栓溶解療法禁忌例, 不応例,ECMO導入例, 昇圧薬投与でも循環動態の維持が困難な例には, 直視下肺塞栓摘除術(人工心肺使用)を行う(ClassⅠ) 本邦 ガイドライン 急性広範型あるいは亜広範型PEで,継続的抗凝固療法 高リスク例には, 直視下肺塞栓摘除術(人工心肺使用)を 考慮してよい(ClassⅡa)
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急性 PTE 心停止? PCPS ショック? 臨床リスク評価(sPESI) 中リスク 右室機能障害(心臓超音波検査またはCT)/心臓バイオマーカー 高リスク 中[高]リスク 中[低]リスク 低リスク 抗凝固療法+血栓溶解療法 (外科的またはカテーテル的血栓摘除) 抗凝固療法、 血行動態悪化に 備えモニタリング 抗凝固療法、 入院 抗凝固療法、 早期退院 いずれも陽性 どちらか陽性または いずれも陰性 簡易版PESI≧1 簡易版PESI=0 あり あり なし なし まとめ prediction rules使用時は適応に注意(入院患者, ICU患者の時点でハイリスク!) なにがどうあれバイタル悪ければハイリスクとして対応 血栓溶解療法・外科治療の適応を知っておく
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もっとABCDアプローチを深めたい! そんなあなたのために作りました
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