学習

【ワンランク上の呼吸療法を目指して】人工呼吸器の非同調

臨床現場で呼吸器の非同調に迷うスタッフの方々にとって、次のアクションプランに繋がる知識をミニマムにまとめています。

ポイントは大きく以下の3つです。

●人工呼吸器の非同期(PVA)を7種類に分類し対応しましょう!

●PVAはほとんどの場合、より悪い転帰と関連しているので、対処が必要です。

●グラフィックモニターの基本、横隔膜活動電位についても復習できます!

スライドで是非知識を深めてみてくださいね!

Antaaとは、医師・医学生向けのオンラインプラットフォームのことです。

日々の情報のアップデートと、日本各施設で活躍されている先生方の近況が知ることが出来て、私自身とても毎回刺激を受けております。

Antaaではこのようなスライド含め、様々なコンテンツがFacebookグループ・アプリで日々配信されていますので、以下のリンクより登録し視聴してみてください!(なんと無料です!)

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※今回の記事は普段よりお世話になっている、

アンター株式会社COOの西山様含め、

Antaaにて執筆の許可をいただいている記事になります。

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『Antaa』とは?【登録無料!医学生・医師向けオンラインプラットフォーム】医師は一生学び続けなければならない仕事と、世間一般的には言われています。 日々忙しく働く中、自分自身の専門家の知識は深まっていく一方で、 他科の情報や知識のアップデートは難しいなと感じている先生方も多いと思います。 また、研修医の先生方はまだまだ慣れない職場は、毎月のローテで仕事に慣れるのに精一杯の中、自己研鑽の時間を確保できないこともあると思います。 今回は、そんな悩みを解決する参考になればと思い、 日々僕自身もお世話になっている医師同士の情報共有プラットフォームである『Antaa』についてご紹介させていただきます。 その中でも、自分自身がAntaaの中で普段多用させていただいている 素晴らしいツールを3つ厳選して紹介したいと思います。 今回の記事は普段よりお世話になっている、アンター株式会社COOの西山様含め、Antaaにて執筆の許可をいただいている記事になります。...

人工呼吸器の基本について学びたい方はコチラ👇

【全職種向け】人工呼吸の基本設定のまとめ【15分で理解する】人工呼吸器の勉強の導入に最適なスライドとなっています。人工呼吸器の各モードについて説明できるようになり、そして明日からの診療で患者の呼吸器設定の根拠を考察することができるよう、是非学習に役立ててください!...

以下、スライドの文章まとめです。URL等参考にしていただれば幸いです◎

テキスト全文

  • #1.

  • #2.

  • #3.

  • #4.

    当スライドの主な参考文献 人工呼吸器の非同期~patient ventilator asynchrony (PVA)

  • #5.

    人工呼吸器の非同期(PVA)漆(7)ツノ型 壱(1)ノ型 ineffective effort 弐(2)ノ型 premature cycling 参(3)ノ型 double trigger 肆(4)ノ型 delayed cycling 伍(5)ノ型 reverse triggering 陸(6)ノ型 flow starvation 漆(7)ノ型 auto-cycling

  • #6.

    これから登場する波形の基本

  • #7.

    人工呼吸器グラフィックの役割 グラフィックモニターとは? 圧力計と流量計により測量されたデータを、波形として表示する 人工呼吸器に搭載されたモニターのこと 患者の呼吸状態を視覚で捉えることができる 人工呼吸が正常に行われているか 同調性をみる 広大レジセミメンバーと共同し作成

  • #8.

    グラフィックモニターの種類 圧波形 回路内圧の経時的変化を表したもの ▶気道系に加わる圧力 フロー波形 吸気と呼気の流れる方向とスピードを経時的に表したもの ▶ 肺に流れ込むガスの流れの速さ 換気量波形 肺に入るガスの量と呼出されるガスの量を経時的に表したもの 換気量は流量計で測定された流量を積分することにより求められる 広大レジセミメンバーと共同し作成

  • #9.

    グラフィックモニターの種類 ループ波形 圧量曲線 フローボリュームカーブ ※今回は講義内容に含みません トレンド波形 持続的に測定したデータを経時的にグラフ表示 呼吸回数、分時換気量、一回換気量など 広大レジセミメンバーと共同し作成

  • #10.

    基本3波形からわかること まとめ 圧波形からわかること ●呼吸流量不足、過剰な一回換気量、過剰な吸気時間、 ●肺メカニクスの変化、オートPEEP測定(後ほど説明) フロー波形からわかること ●オートPEEP(後ほど説明)、気道分泌物、回路の結露、 ●吸気時間の設定が適切か、肺メカニクスの変化 換気量波形からわかること ●リーク 広大レジセミメンバーと共同し作成

  • #11.

    基本の設定 VCVとPCV VCV:Volume-control ventilation ●従量式換気 一回換気量を設定する PCV:Pressure-control ventilation ●従圧式換気 吸気圧を設定する  今回のセミナーはこちらの設定です

  • #12.

    PCVの圧波形   圧 時間 最高気道内圧 PEEP 吸気圧 (Above PEEP) 広大レジセミメンバーと共同し作成

  • #13.

    PCVのフロー波形   流量 時間 吸気流量は気道内圧と 肺胞内圧の圧較差で決まる 気道内圧=肺胞内圧(圧較差なし) になると、流量は0になる 広大レジセミメンバーと共同し作成

  • #14.

    PCVの換気量形   一回換気量 時間 設定した圧に応じて 患者が実際に吸った換気量 広大レジセミメンバーと共同し作成

  • #15.

    フロー波形から見た吸気の終わり方   流量 PCV 時間 PSV 決まった時間が 経てば終わり フローが一定量に 下がれば終わり (ターミネーションクライテリア) 広大レジセミメンバーと共同し作成

  • #16.

    人工呼吸器の初期設定 広大レジセミメンバーと共同し作成

  • #17.

    横隔膜活動電位(Edi:lectrical Activity of the Diaphragm) について 人工呼吸 第29巻第2号 Web版[2012年11月7日]より引用 ●横隔膜の電気活動を測定 ●人工呼吸時の患者の呼吸努力の評価 ●Edi電位がプラス▶患者の横隔膜が収縮(吸気努力あり)

  • #18.

    1.この波形の問題点は…?

  • #19.

    壱(1)ノ型 ineffective effort ●吸気筋の努力によって呼吸器がトリガー  されない PVAと定義される ●”miss trigger”とも呼ばれる ●疾患の治療初期や長期人工呼吸管理において  最も頻度が高い PVAである 【原因】弱い吸気努力・深鎮静・高いPEEP     トリガー感度が低い・auto-PEEP

  • #20.

    呼気時間が不足しているときの波形 auto-PEEP 人工呼吸のしくみを見える化! 特集 換気モードと設定の完全攻略ガイド 呼吸器ケア 2018 vol.16 no.6

  • #21.

    呼気時間が不足しているときの波形 auto-PEEP 人工呼吸のしくみを見える化! 特集 換気モードと設定の完全攻略ガイド 呼吸器ケア 2018 vol.16 no.6

  • #22.

    Auto-PEEPによる弊害 ●miss-triggerの原因に ●人工呼吸器関連肺障害(VILI) ●静脈灌流量(VR)の低下

  • #23.

    auto-PEEPの解除⇒PEEPを上げる ヘスとカクマレックの THE人工呼吸ハンドブック 第2版 訳 田中竜馬より転用.

  • #24.

    2.この波形の問題点は…? PSV設定

  • #25.

    弐(2)ノ型 premature cycling ●吸気時間が呼吸器設定< 患者 ●ARDSなどの肺コンプライアンスが低い疾患や  吸気時間の設定が短すぎる場合が多い ●呼気の初めに流量波形が0に近づくことで検出  小さな山が呼気流速波形の初期に生じる ●double triggerとなることも…

  • #26.

    3.この波形の問題点は…?

  • #27.

    参(3)ノ型 double trigger ●患者の呼気よりも先に人工呼吸器の吸気が  終わる際に引き起こされる ⇒1回の吸気に対して2回以上の送気が行われる ●ARDSなどの肺コンプライアンスが低い疾患や  吸気時間の設定が短すぎる場合が多い ●呼吸器の吸気の終わりが早すぎるのは  流量波形を見るとわかる

  • #28.

    4.この波形の問題点は…?

  • #29.

    肆(4)ノ型 delayed cycling ●吸気時間が呼吸器設定>患者 ●吸気圧波形の後半の上昇で発見する ●呼気流速が急に減少し、傾きが変わる ●COPDや喘息がリスクファクター ●横隔膜の弛緩と呼気のミスマッチにも注目

  • #30.

    5.この波形の問題点は…?

  • #31.

    伍(5)ノ型 reverse triggering ●調節換気モードで管理中の急性期重症患者で  見られることが多い(ARDSや蘇生後脳症など) ●呼吸器による強制換気により横隔膜の収縮  が誘発され生じているといわれている ●double triggerとの違いは最初の換気の  トリガーが呼吸器であること ●プラトー圧↑・酸素消費量↑・循環が不安定に

  • #32.

    6.この波形の問題点は…?

  • #33.

    陸(6)ノ型 flow starvation ●呼吸器の送気する流量と患者が必要とする  流量がミスマッチする場合に生じる ●患者の強い吸気努力によって、  圧波形が想定より下がってしまうことが多い ●吸気努力による呼吸筋疲労・肺損傷が問題に

  • #34.

    7.この波形の問題点は…? ※40回/分で苦しそう

  • #35.

    漆(7)ノ型 auto-cycling ●”auto trigger”とも呼ばれる ●患者の吸気努力とは関係なく、呼吸器の換気  サイクルが入ること ●圧波形で吸気開始前に陰圧が発生しない  横隔膜の脱分極が見られない 【原因】トリガー感度が鋭敏すぎる・心拍     エアリーク・痰・呼吸器蛇管の結露

  • #36.

    復習用動画をご紹介! Youtube配信動画まとめ 非同調の まとめ

  • #37.

  • #38.

●人工呼吸を含めた重症患者管理について学びたい方はコチラ👇

【レビュー】重症患者管理マニュアル【集中治療の一冊といえばコレ】新人看護師や研修医にとって最大の鬼門の一つである、ICUやCCUでの重症患者治療。 人工呼吸器で管理され、4-5本もルートがつながった集中治療管理されている患者さんを目の前に 「患者さんのアセスメントとプレゼンしてって言われたけど、何から始めたらいいの?!」 と、最初は準備の仕方やポイントなどもわからないためあたふたすることも多いはず… 特に、集中治療に関するエビデンスについては日々刻々と変化しており、現在の職場での治療が世界標準なのか迷うこともしばしば… 今回、集中治療分野の参考書として強くおすすめしたいのがこちらの一冊です。...