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【疑問】アシドーシスになるとカリウムが上がるのはなぜか?


【疑問】

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今回は、臨床や医学の勉強をしていて感じる疑問の一つ、

アシドーシスになるとカリウムが上がるのはなぜか?

についてまとめました。

この機序がわかっていると、GI療法など高カリウムの治療についても理解が深まります。

 

1.アシドーシスになるとカリウムが上がるのはなぜか?

メカニズム
①細胞外pH↓⇒②Na⁺-H⁺交換↓⇒③細胞内Na⁺↓
⇒④Na⁺-K⁺-ATPase↓⇒⑤細胞内K⁺↓⇒⑥血漿K⁺↑

乳酸/ケトアシドーシスによるAG開大性のアシドーシスや呼吸性アシドーシスでは①・②の変化はあるが、代償的にNa⁺-重炭酸塩共輸送が作動して、細胞外の重炭酸塩は上昇する。よって③以降のメカニズムが働かず、臨床的に重要な高K血症は来しにくい。

2.追加説明

【通常のカリウムの血行動態】

●成人が1日に摂取する K 量は 50~100 mEq

●小腸から吸収され血管内(細胞外液)に入った後、速やかにNaポンプを介して能動的に細胞内に移行するため高カリウム血症とはならない。

●細胞内の Kの一部はK チャネルを介して受動的に細胞外液に移行する。Na ポンプを介して細胞内へのKの移行に関与するのが,インスリン,β2交感神経刺激,アルドステロン,アルカローシスで,これらは腎外性 K 調節因子として重要。

⇒これがGI療法の原理である

●アルドステロンは主に大腸からのKの排泄に関与している。

●アシドーシスと高K血症の相関について
pH 0.1の低下に対しK値は約0.2-1.7mEq/L(平均0.6mEq/L)の上昇がある。
一方、低K血症は下痢や尿細管性アシドーシスなどによるAG正常アシドーシスのみで生じる。

 

3.参考ページ・医学ノート

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4.引用文献

Malnic G, Muto S, Giebisch G. Regulation of potassium excretion. In:Alpern RJ, Hebert SC(eds). Seldin and Giebisch’s The Kidney:Physiology and Pathophysiology, fourth ed. San Diego:Elsevier, 2007:1301-1348

3.武藤重明.血清 K 値の異常をどう読むか.診断と治療 2005;93:883-890

 

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