医学書LABO

『気管切開 包括的ケアマニュアル』【気管切開の手技・管理に悩むすべての人へ】

適切な吸引カテーテルのサイズや深さは…?

カニューレの縫合は必須?紐による固定の問題は…?

気管切開は基本的で欠かせない手技であり、救急科であれば誰もが遭遇したことのある技術です。

私自身好きな気管切開の分野ですが、なかなか体系立って学ぶ書籍も少ないのが現状です。

そのため実際は現場の経験則で理解している知識も多いのが実情でした。

そのような悩みの中で様々な本を読み漁っていたところ、訳者の先生から本書をご贈呈いただきました!(若手の集中治療医が集う、「日本集中治療医学会 U35」の繋がりに感謝です◎)

この度は、この書籍のおかげで改めて気管切開について学ぶ機会をいただきました。

本書を読むことで

今後気管切開のようなチャンスが訪れた時に自信を持って取り組むことができます!

今回、気管切開について体系的に学ぶために読むべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇

 

これからご覧いただく医学書レビューは、

これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み

その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている

ある救急科専攻医のレビューです。

医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、

是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!

1.本書のターゲット層と読了時間

【ターゲット層】

救急・集中治療系の医師や看護師

気管切開の手技を行う医師

呼吸ケアサポートチームに属する多職種メンバー

【推定読了期間】

5-6時間程度

です。

2.本書の特徴

本書は、 B A McGraph先生が執筆、藤澤 美智子(訳)先生が翻訳された、

【本書の特徴】

気管切開患者・喉頭摘出患者の標準的ケア普及を目的としたイギリスの団体 National Tracheostomy Safety Project (NTSP)の邦訳版であること

解剖図や手技のイラストなどビジュアル面も充実

が特徴の一冊です。

本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをピックアップすると、このようになります👇

【本書で学べること】

気管切開ケアに関連する体系的な知識

●臨床現場で頻繁には見ない症例に対する対応方法

気管切開に関わる要点とその根拠

これらは気管切開に関わる可能性のある先生方にとっては、学んでおくべき大切な事項であると思います。

3.個人的総評

【評価】

必要性:

本の薄さ:

わかりやすさ:

面白さ:

継続使用度:

オススメ度:

※Amazon評価:

本書の特徴はなんと言っても、

気管切開術の方法、デバイスの種類、緊急時の対応、施設の体制、医療安全など、気管切開ケアに関連する項目を満遍なく学べる点です。

気管切開を中心的に扱っている書籍が多くは無い中で、本書は気管切開に関する金字塔と言ってもよいほどの書籍だと感じました。

もちろん、術後の短期的な気管切開ケアだけを扱っているわけではありません。

例えば永久気管孔を有する患者の長期的ケア、小児の気管切開ケアにも言及されているのは、自分自身も深く学んだことがなかったので非常に勉強になりました。

加えて、文字だけでなく図解やイラスト、写真も充実しています。

解剖図や手技のイラスト、各デバイスの写真、急変時対応のアルゴリズム等、ビジュアル面からも網羅することができます。

また、各項の終盤にある、表にまとめられた要点のまとめとその根拠は専門医以上の先生方にもおすすめです。

私自身、いかに自分が”なんとなく”手技やケアを実践してきたのかということを痛感させられました。

本書を読むことで、反省すると同時に、自分自身の知識のアップデートに非常に役立ちました。

一方で本書において注意すべきだと感じた点としては、初学者にとってはとっつきにくいかもしれないという点です。

基本は英語で書かれたマニュアルの翻訳であるため、手に取りやすい医学書と比較するとやはり通読するのは少しつらい印象がありました。

また、英文を訳した文章特有の読みにくさも多少感じてしまいました。

ですが、あくまで臨床の悩みや現場のスタッフとの認識の共有、疑問の解消を目標に読むということを考えると、特に大きな問題であるとは感じませんでした。

これらは本書の個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は

本書は気管切開について体系的に学ぶために欠かせない一冊である!

と感じました。

4.おすすめの使い方・読み進め方

【本書のおすすめの読み方・活用方法】

●本書は辞書的に参照するのがおすすめ!

●時間がある場合は、頻出である分野をつまみ食い感覚で読んで見る

●気になったところはホームページを通して最新情報を取得・復習!

個人的におすすめの使い方をご紹介します!

著者個人の意見としては、各施設のICUに一冊常備しておいて、気管切開のケアに当たる際にスタッフみんなで読み合わせる”参照する文献”として活用するのがよいと感じます。

気管切開について非常に網羅的に詳しくまとめられているため、いつでも読めるよう置いておくことで心強い存在になってくれること間違いなしの一冊です。

ゆっくりと読む時間がある場合は、普段気管切開について疑問に感じることの多い項目から読み進めるのが良いでしょう。

また、原書『Comprehensive Tracheostomy Care:The National Tracheostomy Safety Project Manual』は2014年の出版ですが,NTSPのホームページ(https://www.tracheostomy.org.uk/)で情報を更新し続けています。

本書の中にも上記のHPの動画のリンクや紹介があるので、動画教材も活用しながら学ぶとより知識が深まるのでは無いでしょうか。

本書で学んだことを実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。

5.まとめ

【本書のまとめ】

本書は気管切開について体系的に学ぶために欠かせない一冊である!

まとめると、本書は気管切開について、体系的に学ぶことができる本当におすすめの一冊です。

この一冊を通じて学ぶことで、

今後気管切開のようなチャンスが訪れた時に自信を持って取り組むことができます!

今後の学びや業務をより良いものにしたい方には是非手にとっていただきたい一冊です◎

以下に要点や基本事項をまとめましたので、

購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇

【基本情報】

タイトル:気管切開包括的ケアマニュアル

著者:B A McGraph(著) 藤澤 美智子(訳)

出版社:MEDSi

発行年月日:2023年11月

ターゲット層は、

救急・集中治療系の医師や看護師

気管切開の手技を行う医師

呼吸ケアサポートチームに属する多職種メンバー

推定読了期間

5-6時間程度

【本書の特徴】

気管切開患者・喉頭摘出患者の標準的ケア普及を目的としたイギリスの団体 National Tracheostomy Safety Project (NTSP)の邦訳版であること

解剖図や手技のイラストなどビジュアル面も充実

【本書で学べること】

気管切開ケアに関連する体系的な知識

●臨床現場で頻繁には見ない症例に対する対応方法

気管切開に関わる要点とその根拠

【評価】

必要性:

本の薄さ:

わかりやすさ:

面白さ:

継続使用度:

オススメ度:

※Amazon評価:

【本書のおすすめの読み方・活用方法】

●本書は辞書的に参照するのがおすすめ!

●時間がある場合は、頻出である分野をつまみ食い感覚で読んで見る

●気になったところはホームページを通して最新情報を取得・復習!

【本書のまとめ】

本書は気管切開について体系的に学ぶために欠かせない一冊である!

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