医学書LABO

『しくじり症例から学ぶ精神科の薬』 【病棟で自信がもてる適切な薬の使い方を精神科エキスパートが教えます】

  • せん妄やアルコール離脱が起きてしまった場合に、治療として打てる手数が少なくて悩んでいる…
  • 不眠やせん妄は対処が難しく、精神科医の先生にすぐコンサルとしてしまう。何か自分で介入できることはあったのだろうか…?

上記のような精神科疾患に関連した薬剤の調整の難しさについて、研修医の先生と話し合っていたことがあります。

「精神科領域の薬剤について学ぶ体系だった書籍があればいいな」と思いながら日々を過ごしている中、このたび羊土社様よりこのような書籍をお贈呈いただきました。

本書を読むことで、精神科領域の薬の扱いや長期的に持つべき視点など基礎的かつ重要な事項を学ぶことができ、処方の際に「怖いな」と感じることを減らすことができます。

今回、精神科領域で扱う薬を学ぶ際に、ベースとなる知識をつけるのに最適な一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇

これからご覧いただく医学書レビューは、

これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み

その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている

ある救急科専攻医のレビューです。

医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、

是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!

1.本書のターゲット層と読了時間

【ターゲット層】

自分の担当患者が精神科疾患の薬剤を飲んでいる時に、どのように管理していいか解らない非精神科医・研修医

不眠やせん妄などへの、病棟における薬剤管理や、それらの疾患に対する体系だったアプローチが学びたい方

【推定読了期間】

7-8時間程度

2.本書の特徴

本書は、井上 真一郎先生が執筆された、

【本書の特徴】

●「しくじりポイント」を元に精神科疾患の薬剤を解説

●会話形式による解説で、初学者でも取り組みやすい

が特徴の一冊です。

本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをピックアップすると、このようになります👇

【本書で学べること】

●精神科疾患に関する”病棟あるある”の事例

●薬剤処方に加え、患者さんとの接し方やリラクゼーション法を含む包括的な対応方法

●処方するべき薬、状況をまとめた”処方例集”

これらは、精神疾患について初めて学ぶ先生方が学んでおくべき、基本であり大切な事項であると思います。

3.個人的総評

【評価】

必要性:

本の薄さ:

わかりやすさ:

面白さ:

継続使用度:

オススメ度:

※Amazon評価:

本書の特徴はなんと言っても、”行うべき治療”ができなかった例や”判断の難しい例”などでの「しくじりポイント」を元に精神薬の解説を行なっている点です。

私自身、本書で紹介されている事例を読み、自分自身が救急医や整形外科医として勤務している時を思い出しながら「本当にあるあるだよなあ」と感じました。

精神科専門医と研修医の会話形式による解説は非常に現実に即した内容であり、初学者であってもストーリーを優しく楽しみながら理解することができることでしょう。

エピソードとして記憶ができるため、覚えやすさという点でも、初めての方にはおすすめの一冊です。

・薬剤療法に関して、それぞれの患者さんのシチュエーションや症状に応じて細かく最適な処方内容が変えられており、かなりのこだわりを感じました

・薬剤によっては、患者の全身状態や肝機能腎機能によって使えない場合があります。そのような場合もセカンドアプローチが書いてあるため、悩ましい時や困った症例で参考にできると感じました

加えて、薬剤のみの治療やアプローチだけを扱っている訳ではない、という点が本書の良い所として挙げられます。

「不眠やせん妄に対する処方薬」といった目前のアプローチについて書いてあるだけでなく、

患者さんごとの今後の長期的な生活や、予後のことを考えること

アルコール離脱せん妄の患者さんの、アルコール依存を断ち切るための治療へとどう繋げるか

といった長期的な展望についても詳しく書かれていました。

これらの知識を持っておくことにより、非精神科医の先生方が「どのように精神科の先生方と協力し、患者さんの診療を進めていくべきなのか」という指針についても併せて知ることができます。

以上のように、精神科疾患に関わる薬剤の知識から長期的なアプローチまで、会話形式でわかりやすく学ぶことができる本書は”精神科領域で扱う薬を学ぶ際に、ベースとなる知識をつけるのに最適な一冊”であると言えるでしょう。

一方で、あくまで個人的な印象ではありますが気になった点としては、少し分量が多く感じるという点が挙げられます。

本書のほとんどが対談形式で執筆されているため、分かりやすいという一方でページ数が膨らんでしまうという欠点があります。

会話形式の箇所を少し短くしたり、例えばサマライズである程度解説するなど、少し工夫があると読みやすいかも?と感じることもありました。

あくまで個人的な印象ではありますが、この点については少しだけ配慮した上で一度手にとっていただければと思いました。

これらは本書の個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は

本書は精神科領域で扱う薬を学ぶ際に、ベースとなる知識をつけるのに最適な一冊である!

と感じました。

4.おすすめの使い方・読み進め方

【本書のおすすめの読み方・活用方法】

●まずは高頻度で遭遇する事例を知る

●目次を参考にさらっと通読して、どこに何が書いてあるかざっくり把握(付箋を貼るのも良いでしょう)

●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!

個人的におすすめの使い方をご紹介します。

著者個人の意見としては、まずは病棟にて高頻度で遭遇する事例を学ぶことが大切だと感じます。

特に、不眠やせん妄、アルコール離脱せん妄については自分自身が悩んだり今後必ず高頻度で向き合うことになると思いますので、早めに学んでおくことをおすすめします。

具体的な時期としては、「精神科ローテーションまでに、うつ病の治療など精神科的な疾患の加療について書かれている項目について学びおわる」ペースが最適です。

その後は、目次を読み内容を把握しておくことで、いつでも参照できるようにすると良いでしょう。

私自身、自分がベストだと思っていた薬剤選択よりも、より良い薬剤選択を見つけることができたことがあります。

本書には処方するべき薬、状況をまとめた”処方例集”が付属していますので、実際に自分が不眠時やせん妄の指示簿入力について悩んだ際に、辞書的な役割としてこの書籍をすぐに参照することができるかと思います。

その後は、症例を経験した際に復習をすることで、盤石な知識としていきましょう。

5.まとめ

【本書のまとめ】

本書は精神科領域で扱う薬を学ぶ際に、ベースとなる知識をつけるのに最適な一冊である!

まとめると、本書は精神科疾患への対応について、薬剤選択から長期的な視点まで幅広く学ぶことができる本当におすすめの一冊です。

この一冊を通じて学ぶことで、

本書を読むことで、精神科領域の薬の扱いを学び、処方に「怖いな」と感じることを減らすことができます。

以下に要点や基本事項をまとめましたので、

購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇

【基本情報】

タイトル:「しくじり症例から学ぶ精神科の薬」病棟で自信がもてる適切な薬の使い方を精神科エキスパートが教えます

著者:井上 真一郎

出版社:羊土社

発行年月日:2023年05月10日

ターゲット層は、

自分の担当患者が精神科疾患の薬剤を飲んでいる時に、どのように管理していいか解らない非精神科医・研修医

不眠やせん妄などへの、病棟における薬剤管理や、それらの疾患に対する体系だったアプローチが学びたい方

推定読了期間は

4-5時間程度

【本書の特徴】

●「しくじりポイント」を元に精神科疾患の薬剤を解説

●会話形式による解説で、初学者でも取り組みやすい

【本書で学べること】

●精神科疾患に関する”病棟あるある”の事例

●薬剤処方に加え、患者さんとの接し方やリラクゼーション法を含む包括的な対応方法

●処方するべき薬、状況をまとめた”処方例集”

【評価】

必要性:

本の薄さ:

わかりやすさ:

面白さ:

継続使用度:

オススメ度:

※Amazon評価:

【本書のおすすめの読み方・活用方法】

●まずは高頻度で遭遇する事例を知る

●目次を参考にさらっと通読して、どこに何が書いてあるかざっくり把握(付箋を貼るのも良いでしょう)

●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!

【本書のまとめ】

本書は精神科領域で扱う薬を学ぶ際に、ベースとなる知識をつけるのに最適な一冊である!

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