血液ガス分析は、短時間で多くの情報を得ることができる救急外来において非常に有用な検査です。
それぞれの症例の解釈と思考回路、そしてどのように解釈して実臨床で介入するかにフォーカスしています。
スライドのコンパクトさについても、分かりやすさを重視しつつ、必要最低限の情報を盛り込むことを意識して作成しました。
症例に沿って血液ガスの読み方や解釈の思考回路を学ぶことで、実践に即した理解を深めましょう!◎
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※今回の記事は普段よりお世話になっている、
アンター株式会社COOの西山様含め、
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初心者にもわかる血液ガス分析の基礎のすべてをまとめたスライドも公開しています!▼
以下、スライドの文章まとめです。URL等参考にしていただれば幸いです◎
【実践!】各症例で読み解く血液ガス分析 解釈の思考回路
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向井俊平 波多間浩輔 医師 (整形外科) 医師 (救急科) 楪雄太郎 医師 (総合診療科) 難波剛史 医師 (小児科・救急科)
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目標 酸塩基平衡とアニオンギャップを説明できる 血液ガス分析の型に沿って計算できる 血液ガス分析を解釈してみる。
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基本はコチラの スライドをおさらい◎
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例題1 突然の意識障害で搬送 80歳男性 意識障害 GCS-E1V1M3 血液ガス(動脈血)
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呼吸性アルカローシス 呼吸性アシドーシス 代謝性アルカローシス 代謝性アシドーシス AG開大性 AG非開大性 「力」がいくつあるか?を解き明かす作業 最大3つの要素が合併しうる 血液ガス計算編 5step
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Step1:“アシデミア” か “アルカレミア” Step2:ベースは、“呼吸性” or “代謝性” Step3:AG開大性代謝性アシドーシスはあるか ある場合 → Step4 へ ない場合 → Step5 へ Step4:AG開大ありの場合、補正HCO3-で他の代謝性変化をチェック Step5:現在の酸塩基平衡が代償範囲内にあるか 酸塩基平衡の組み合わせで,病態を想定する 計算編 解釈編 血液ガスStep解釈法
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pH 7.20(酸性) 7.60(塩基性) 7.35~7.45 アシデミア ● アルカレミア ● アシドーシス アルカローシス ①アシデミア or アルカレミア PH7.2以下でアシデミア
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②ベースは、“代謝性” or “呼吸性” PaCO2 40 呼吸性アルカローシス 呼吸性アシドーシス HCO3- 24 代謝性アシドーシス 代謝性アルカローシス 呼吸性アシドーシス
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③AG開大性代謝性アシドーシスがある?ない? Na+ Cl- UC HCO3- UA 陽イオン 陰イオン AG = Na – (Cl + HCO3-) Anion Gap AG=140-(104+25) ▶AG=11
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補正HCO3-=HCO3- + ⊿AG (⊿AG = AG – 12) 補正HCO3- > 24 → 代謝性アルカローシスあり 補正HCO3- < 24 → AG非開大代謝性アシドーシスあり ④他の代謝性の要素はある?ない? AG開大性代謝性アシドーシスがあれば →他の代謝性の要素がないかチェック! AG開大なしのためskip
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代謝性アシドーシス 予測PaCO2=1.5×HCO3+8 or HCO3+15 代謝性アルカローシス 予測PaCO2=0.6×HCO3+26 呼吸性アシドーシス 急性経過→予測HCO3=0.1×PaCO2+20 慢性経過→予測HCO3=0.4×PaCO2+8 呼吸性アルカローシス 急性経過→予測HCO3=0.2×PaCO2+16 慢性経過→予測HCO3=0.5×PaCO2+4 実測値が予測よりひどい? 予測PaCO2より,実際のPaCO2が 5以上高い→呼吸性アシドーシスあり 5以上低い→呼吸性アルカローシスあり 予測HCO3-より,実際のHCO3-が 2以上高い→代謝性アルカローシスあり 2以上低い →AG非開大代謝性アシドーシスあり ⑤代償性変化は、正常範囲内か? 予測HCO3=0.1×PaCO2+20=27 ▶代償範囲内
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いざ解釈編へ!
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①脳(中枢神経)が司令 ②脊髄→末梢神経と司令が下る ③筋が収縮 ④胸郭(筋骨格)に肺が被包→肺が陰圧に ⑤開通している気道を空気が通る ⑥肺(≒肺胞)が膨らみ,CO2を捨てる ⑦肺胞から毛細血管に,O2が取り込まれる 呼吸性アシドーシス 呼吸性アシドーシス 意識障害に伴う舌根沈下▶気道閉塞 脳幹障害▶呼吸中枢障害
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例題2 発熱・腰部痛で搬送 体動困難 80歳女性 辛そうに呼吸 ぐったりしている 血液ガス(動脈血)
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Step1:アシデミア Step2:呼吸性アシドーシス Step3:AG=20 ある場合 → Step4 へ ない場合 → Step5 へ Step4:補正HCO3=14+(20-12)=22 Step5:予測CO2=1.5×14+8=29 ▶代償できていない 計算編 解釈編 血液ガスStep解釈法に沿って… AG開大性代謝性アシドーシス▶?? 呼吸性アルカローシス(代償できていない)AG非開大性代謝性アシドーシス
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AG開大性代謝性アシドーシス 敗血症性ショック 呼吸性に代償しようとしている
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呼吸性アルカローシス = 分時換気量の増加 呼吸性アルカローシス+AG開大代謝性アシドーシス →敗血症,サリチル酸中毒を鑑別に! 呼吸性アルカローシス
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例題3 持続するめまいで搬送 60歳男性 めまい・嘔吐あり 血液ガス(動脈血)
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Step1:アルカレミア Step2:代謝性アルカローシス Step3:AG=10 ある場合 → Step4 へ ない場合 → Step5 へ Step4:skip Step5:予測CO2= 0.6*HCO3 + 26= 48.8 ▶代償範囲内 計算編 解釈編 血液ガスStep解釈法に沿って… 代謝性アルカローシス▶??
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代謝性アルカローシス
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例題4 DKA(糖尿病性ケトアシドーシス)治療中 80歳女性 生理食塩水投与、インスリン投与 翌日の血液ガス(動脈血)
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Step1:アシデミア Step2:代謝性アシドーシス Step3:AG=12 ある場合 → Step4 へ ない場合 → Step5 へ Step4:skip Step5:予測CO2= 1.5*HCO3 + 8= 32 ▶代償範囲内 計算編 解釈編 血液ガスStep解釈法に沿って… AG非開大性代謝性アシドーシス▶??
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AG非開大性代謝性アシドーシス
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Step1:“アシデミア” か “アルカレミア” Step2:ベースは、“呼吸性” or “代謝性” Step3:AG開大性代謝性アシドーシスはあるか ある場合 → Step4 へ ない場合 → Step5 へ Step4:AG開大ありの場合、補正HCO3-で他の代謝性変化をチェック Step5:現在の酸塩基平衡が代償範囲内にあるか 酸塩基平衡の組み合わせで,病態を想定する 計算編 解釈編 血液ガスStep解釈法のおさらい
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