四肢不全切断など、血管損傷を伴う四肢外傷は特に緊急度が高いため、
チームで連携をしつつ再建を急ぐことが大切です。
四肢外傷に伴う活動性出血のタニケットの適応や、
血管損傷を伴う四肢外傷の初期診療にあたる救急医や外傷整形外科医の思考回路、
悩ましい四肢外傷の血行評価などの知っておくべきポイントをミニマムにまとめました。
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以下、スライドの文章まとめです。URL等参考にしていただれば幸いです◎
四肢不全切断の初期診療【血行評価を中心に】
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四肢外傷 =タニケット止血 本当に正しい…?
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Primary Survey ABCDEアプローチ 出血に伴うCの異常はあるか?
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外出血における止血プロトコル(病院前) タニケットの真の適応は限られている! 参考)Up To Date® Initial management of moderate to severe hemorrhage in the adult trauma patient
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タニケット使用時の注意点 ●駆血は2時間以内(止血処置ができるまで外さない) ●解除時の注意 再出血・ショックへの対応 再灌流障害への対応(モニタリング、除細動等) ●合併症(最大の予防策:圧迫止血可能な時に使用しない) 疼痛(→鎮痛) 神経麻痺・組織損傷(→適切な幅) 血栓 コンパートメント:不十分な駆血圧による静脈駆血 筋損傷・横紋筋融解(→時間管理) 参考)Up To Date® Initial management of moderate to severe hemorrhage in the adult trauma patient
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Major 四肢切断かも…と思ったら 再建を急げ! 再血行化まで受傷後 4-6時間以内がタイムリミット Hossny A. J Vasc. Surg 2004.40; 61-6 筋肉の壊死を防ぐ
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各科で協力し再建を急ぐことが大切 救急医 外傷整形外科医 ヘリの連絡を共有しよう 造影CTは必須かな…? 上肢不全切断…! オペ室に連絡しておこう
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一刻も早い再建を目指す 外傷Gへ情報共有 各種検査オーダー 手術室連絡・手術申し込み インプラント確認・連絡 上肢切断 かも…! 外傷整形外科医 救急医 0:00 オペ室出棟 〔時間:分〕 受傷 病着 2:20 2:10 1:53 CT 離陸 現着 原発 0:17 00:51 接触 01:03 01:19
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遅延ない再建のためのためには… 阻血の兆候を 見逃さない 再建を急げ! 再血行化まで受傷後 4-6時間以内がタイムリミット Hossny A. J Vasc. Surg 2004.40; 61-6 筋肉の壊死を防ぎたい
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血流評価の早期診断 Hard sign Soft sign
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Hard sign(血管損傷の確率>90%) ➡再建を急げ! ●活動性の外出血 ●急速に拡大する血腫 ●スリルの触知 ●血管雑音の聴取 ●阻血の5兆 (脈拍触知不能・蒼白・疼痛・感覚低下・麻痺) Feliciano DV. J Trauma. 2011; 70: 1551–1556 Evans C. Emerg Med Clin North Am. 2018; 36(1):181–202
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Soft sign(血管損傷の確率3-25%) ➡見られれば造影CT考慮 ●動脈近傍の貫通創や鈍的外傷 ●動脈性出血のエピソード ●動脈近傍の拍動性のない血腫 ●動脈近傍を走行する神経所見の異常 ●Capillary Refillの遅延 ●健側比で脈拍の減弱 ※骨折は全例Soft sign(+) Feliciano DV. J Trauma. 2011; 70: 1551–1556 Evans C. Emerg Med Clin North Am. 2018; 36(1):181–202
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四肢外傷の血流評価 ●健側と患側の末梢動脈の触れが同程度 ➡主要動脈損傷は否定的 ●カラードップラーでの評価も有用 ●Arterial Pressure Index (API) 患側の末梢の血圧/健側の上腕の血圧 API<0.9=血管損傷あり ➡感度/特異度95% (rule outに) Feliciano DV. J Trauma. 2011; 70: 1551–1556)
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上肢の触診 尺骨動脈 橈骨動脈 尺側手根屈筋 橈側手根屈筋 画像)ネッター解剖学 原書第7版より一部引用
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下肢の触診 足背動脈 後脛骨動脈 長母指伸筋腱 後脛骨筋腱 長趾屈筋腱 画像)ネッター解剖学 原書第7版より一部引用
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主要血管損傷の評価➡造影CT(CTA) ●外傷部位との位置関係・損傷範囲・全体像 ●血管造影と同程度の正確性 ●簡便でコストも安く、第一選択 Feliciano DV. J Trauma. 2011; 70: 1551–1556 ●ショックの際に評価をしても正確な評価になり得ない ➡必ずショック離脱後に撮影 (Evans C. Emerg Med Clin N Am 2018 36 181–202) ●骨折・脱臼の血管損傷疑いは整復後に再評価
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Take home message ●外出血止血の基本は圧迫止血! ●血管損傷の評価にはhard signやsoft sign エコーが有用!阻血を見逃さない! ●血管損傷を伴う四肢外傷は特に緊急度が高い チームで連携をしつつ再建を急ぐ!
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