医学書LABO

【レビュー】ねころんで読める救急患者のみかた【まさしくER診療の入門書!】

救急外来でまず何をするべきかの判断方法が知りたい…

救急時の状況で重症度や緊急度を判断できるようになりたい…

これらは、日々のER/ICUで後輩や同僚と仕事をする中でしばしば感じる悩みであり、私自身もこの悩みを解消しようとして様々な本を読み漁っていたところ、この一冊に出会いました。

本書を読むことで、バイタルサインの見方や病歴聴取の方法まで救急患者の見方が基礎からわかるため、今後救急の患者さんに出会ったとしても、基礎に自信を持って対応することができるようになります!

救急外来を始める際に読むべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇

本書の具体的な紹介に移る前に、私が本書を手に取った理由をお話しさせていただきますね。

一番の理由としては、最近は集中治療科の勉強をすることが多く、ER診療全般の復習がしたかったということが大きいです。

ERについての書籍はいくつかありますが、日々の疲れた業務の後でも読めるような読むハードルが低いライトな本書を選びました。

私も専攻医となり、初期研修医の先生方への指導に生かせるよう、“「救急外来診療のエッセンス」をわかりやすく解説する方法を学びたい“という思いもありましたので、購入を決意しました。

これからご覧いただく医学書レビューは、

これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み

その中でもオススメの医学書のレビューを書いている

ある救急科専門医のレビューです。

医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、

是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!

1.本書のターゲット層と読了時間

【ターゲット層】

ER診療に従事する看護師・研修医・救急救命士

【推定読了期間】

3-4時間程度

2.本書の特徴

本書は、様々なER診療の書籍を出版されている坂本 壮先生が執筆された、

【本書の特徴】

4コマ漫画つきで、パッと読めて日々の業務ですぐに役立つ知識がまとまっている

今すぐ役立つコツ、100分で読める身につく救急のキホンが凝縮

が特徴の一冊です。

本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをピックアップすると、このようになります👇

【本書で学べること】

「ショックは血圧で判断するな!」などバイタルサイン解釈の基本

「時間軸を意識して聴取を!」など、あらゆる救急診療で役立つ病歴聴取のポイント

「意識障害の患者さんは左右差に注意!」など、各症候ごとに注意すべき身体診察の知識

これらは研修医の先生方にとって、今後どのような診療科に進んでも学んでおくべき大切な事項であると思います。

3.個人的総評

【評価】

必要性:

本の薄さ:

わかりやすさ:

面白さ:

継続使用度:

オススメ度:

Amazon評価:

本書の特徴はなんと言っても、漫画形式で豊富な図表を使ってくださっているのでスイスイ読み進められることです。本のページ数も多すぎる事なく完結にまとまっているため、苦痛を感じることなく通読することができます◎

何より、本書の解説は初学者にも理解しやすいようわかりやすく丁寧に書いてくださっているので、途中で挫折してしまうことも少ないと思います。

一度通読して身体診察についても学ぶことで、半年後や一年後はもちろん、今後医師として診療に当たる上で一生活用することができる一冊なのではないでしょうか。

また、即効性の高い内容が多く、「明日の診療に役立てたい、早速使ってみたい」と思えるようなとても具体的な問診方法がわかります。

例えば、

・脳梗塞の最終未発症時間を判断するために、目撃時間だけでなくトイレに行っていたか、新聞は取り込まれていたかなどを家族に聞く

・BPPVらしさを引き出す問診として、「めまいは動くと始まるけれども、ある一定の姿勢でいるとすぐに落ち着きますか」と尋ねる

・家族歴を聞くときは、「若くして」という枕詞を大切に、心筋梗塞や脳梗塞の既往を確認する

などです。

この例からもわかるように、坂本壮先生が執筆されている書籍の“内科救急のオキテ”に似ていて、実践的だと感じました。

commonな症候や疾患ばかりではなく、“ポケモンGOなどのスマホゲームに関連した頭部外傷”など、読んでいて飽きない面白い症例や疾患も解説されています。

以上をまとめると、この書籍は

漫画やイラストを豊富に交えつつ、初学者が悩んだり間違えて理解したりしているポイントを具体的にわかりやすく解説してくれている一冊である

と言えるでしょう。

僕自身のオススメ度が高いのは総評を見ていただければわかるとは思いますが、何よりアマゾンの評価の高さが本書の素晴らしさを物語っていますよね…!

一方で、あくまで個人的な印象ではありますが気になった点としては、

アルカローシスや各疾患の診断基準などといった詳しい解説や基本概念については一部割愛されていることもある

ということです。

すべてを説明していてはライトな入門書のメリットが損なわれることは重々承知していますが、詳しい解説については割愛されている部分があるな、と思いました。

より詳しい原理原則に関しては、この書籍をベースにより詳しい専門書で学ぶことをおすすめします。

この点について少し配慮した上で、一度手にとっていただければと思いました。

 

4.おすすめの使い方・読み進め方

【本書のおすすめの読み方・活用方法】

・まずはサラッと通読

・次に、興味のある範囲をしっかり把握する

・最後に後輩などにレクチャーして復習!

個人的におすすめの使い方をご紹介します。

先述の注意点を意識すると、次のような活用法がおすすめです。

・分量も少ないので、3時間程度まとまった時間が取れるなら通読してしまう

・目次を参考に、自分の苦手もしくは学びたいタイトルを重点的に読み進める

大切なことは、メリットである「読みやすさ」を最大限に活かすことです。

本書をしっかりと読み込めましたら、実際に本書の内容を同期や後輩に自分でレクチャーできるかやってみると良いでしょう。

上手に伝えられたらしっかり理解できている、というチェックになりますね!

(もちろん、そうでなければ再度読み直してみることが必要です)

症例の経験含め、レクチャーといったアウトプット体験をすることで知識は定着します。

まずは恥を恐れず、同期や後輩にレクチャーしてみましょう。

5.まとめ

【本書のまとめ】

本書はE Rの基礎を学ぶ“ER診療に従事する看護師・研修医・救急救命士”にとって必須の参考書の一つである!  

今後E Rでの勤務の際には、本書に書いてある“確認するべき、患者さんへの診療方法の基礎”を活かして患者さんに自信を持って対応することができます!

以下に要点や基本事項をまとめましたので、購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇

【基本情報】

タイトル:ねころんで読める救急患者のみかた

著者:坂本 壮

出版社:メディカ出版

発行年月日:2020/05/23

【ターゲット層】

医学生から初期研修医・看護師・救急救命士

【本書の種類】

通読系・目次系

【推定読了期間】

3〜4時間程度

【本書の特徴】

  • 漫画形式で、簡潔にまとまっていて読み進めやすい!
  • 楽しく読めて、最後まで無理なく通読できる!
  • 実践で使える、即効性の高い内容がもりだくさん!

【本書で学べること】

  • 「ショックは血圧で判断するな!」などバイタルサインの基本
  • 「時間軸を意識して聴取を!」など病歴聴取のポイント
  • 「意識障害の患者さんは左右差に注意!」など身体所見の知識

【評価】

必要性:

本の薄さ:

わかりやすさ:

面白さ:

継続使用度:

オススメ度:

Amazon評価:

【本書のおすすめの読み方・活用方法】

・まずは漫画を楽しみながらサラッと通読

・次に、興味のある範囲をしっかり把握するために熟読

・最後に学んだ内容を後輩などにレクチャーして復習!

【本書のまとめ】

本書は、E Rでの基本の診療方法・ポイントを手早く知りたい方におすすめ!

特に、初めてE Rに勤務する看護師・研修医・救急救命士は必読の一冊である!

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