普段患者さんの申し送りカンファレンスを行った後、
あれ、この患者さん結局今日何するんだっけ…
治療コードはどこまでやるんだっけ…
なんでこの薬始まってるんだっけ…
結局抜糸はいつ誰がやるんだっけ…
などと、結局全体を把握できていないことはありませんか?
特にICUなどに入院されている重症患者さんは、把握すべきことも多く申し送りは大変ですよね…
そんな時には標準化したHandoffを用いた申し送りが有用です!
今回は、申し送りのHand-offの1つであるI-PASSをご紹介します!
1.I-PASSの各項目について
●I-PASSの項目
I-PASSは各項目の頭文字を取って命名されています。
それぞれの項目について日本語訳を作成しましたので(意訳も一部ございます)、
参考にしていただければ幸いです👇
このように、申し送り事項の漏れをなくすことに加え、その日の勤務帯で誰が何をするのかを明確にすることが重要視されていますね!
申し送りの受け手がまとめて再確認するのも特徴的です。
2.各項目の注意事項
各項目の注意事項について記載してあった論文がありましたので、それについても翻訳させていただきました。
その表が以下となります👇
強弱をつけて、助長なプレゼンとならないのは大切だなと感じました。
具体的なプレゼンテーションのイメージについても記載があったので、以下ご紹介します👇
引用)I-PASS, a Mnemonic to Standardize Verbal Handoffs PEDIATRICS Volume 129, Number 2, February 2012
とても具体的でイメージしやすい内容ですよね!
こんな風に英語でプレゼンテーションできるようになればいいなあと感じます。
英語はやはり、読めるだけではだめですね💦
3.I-PASSの有用性を示した論文
●UW-IPASSを標準化することはICUでのコミュニケーションにどう影響するか
コミュニケーションエラーを3%減らすことが出来る
73%のスタッフがチームコミュニケーションの改善を実感
申し送りの準備時間の短縮にも有用
JAMA Surgery May 2018 Volume 153, Number 5
●IPASSの前方視的多施設研究
医療ミスは23%減少
予防可能な有害事象の発生率は30%減少
予防不能な有害事象の発生率は変化せず
NEJM Changes in Medical Errors after Implementation of a Handoff Program et al Amy J
I-PASSを用いた研究についての論文について一部読んでみましたが、上の通りのような結果が示されていました。
申し送りの準備時間の短縮は日々ICUで勤務する我々にとってはうれしい限りであるなと感じました。
以下、I-PASSについてのまとめです👇
●I-PASSは医療従事者間の各勤務帯交代の際に
標準的な申し送りをするツール
●エラー回避・予測可能な有害事象の回避
情報収集時間短などに有用との報告あり
●I-PASSを参考に各施設に合った申し送りの
Handoffの作成を!
4.参考記事・note記事
みなさまのリアクションが今後の記事を書くモチベーションになります!