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【疑問】アナフィラキシーの帰宅・入院判断は?帰宅後の患者指導は?

【疑問】アナフィラキシーの帰宅・入院判断は?帰宅後の患者指導は?

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今回は、臨床や医学の勉強をしていて感じる疑問の一つ、

アナフィラキシーの帰宅・入院判断は?

アナフィラキシー発症後患者の帰宅後の患者指導は?

という疑問についてまとめました。

入院か帰宅か?

・アナフィラキシーのABCDを認めたら原則入院(二相性反応に注意しながら経過観察)

・帰宅にする場合はSAFE approach8)

Seek support:付き添う家族や友人がいる

Allergen identification and avoidance:原因の特定と回避

Follow-up for specialty care:かかりつけたアレルギー専門の医師にフォローしてもらう

Epinephrine for emergencies:エピペンを処方

 

1.アナフィラキシーの帰宅・入院判断は?

●アナフィラキシーのABCDを認めたら原則入院(二相性反応に注意しながら経過観察)

帰宅可能と判断するには、まずバイタルに異常をきたしていないことが前提です。

そのうえで全身膨疹+アナフィラキシーのABCDが認められない場合

そしてアナフィラキシーの原因が特定できている場合は基本的に帰ってもらって大丈夫と判断できます。

●アナフィラキシーのABCD(Dに注意)
(Dr.林のアナフィラキシーのABCD引用
A:Airway
B:Breathing
C:Circulation
D:Diarrhea
※忘れやすい消化器症状に注目
そして、帰宅する際にはSAFEアプローチに沿って行いましょう。
【SAFE Approachとは】
Seek support:付き添う家族や友人がいる
Allergen identification and avoidance:原因の特定と回避
Follow-up for specialty care:かかりつけたアレルギー専門の医師にフォローしてもらう
Epinephrine for emergencies:エピペンを処方

2.アナフィラキシー発症後患者の帰宅後の患者指導は?

●帰宅にする場合はSAFE approachを意識すべし

●アナフィラキシー教育を忘れずに

アナフィラキシー発症後の患者さんが帰宅する際には、SAFE approachに準じて指導することが推奨されています。

【SAFE approachとは】

Seek support:付き添う家族や友人がいる

Allergen identification and avoidance:原因の特定と回避

Follow-up for specialty care:かかりつけたアレルギー専門の医師にフォローしてもらう

Epinephrine for emergencies:エピペンを処方

いくつか追記しますと、

●食事が疑わしい場合は、毎日手帳につける

●原因わからない場合はエピペンを強く推奨

●対症療法で抗ヒスタミン薬内服の継続もあり

なども挙げられますね。また、エピネフリン自己注射の仕方を丁寧に教えるのが大事です。 DVD、練習キットなどで退院前に練習し、常に持ち運ぶのが大事であると強調しておきましょう。

そして、アナフィラキシーという病気について、患者さんは単なるアレルギーであると勘違いしてしまう方も少なくありません。

退院前には患者さんに対してアナフィラキシーがどんな病気なのかしっかりと教育することも大切です。

●アナフィラキシーとは命を失う可能性があること

●最初の症状から3日間は再燃ありえること

●症状が起こればすぐにエピネフリン自己注射して救急車を呼ぶべきこと

●今後もアナフィラキシーを繰り返す可能性について

このあたりをしっかりと指導しましょう。

 

 

3.参考ページ・医学ノート

アナフィラキシーの原因や治療、初療で注意するべきテーマについてまとめました。

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4.引用文献

Ann Allergy Asthma Immunol. 2007 Jun;98(6):519-23.
SAFE: a multidisciplinary approach to anaphylaxis education in the emergency department. Lieberman P他

 

Step Beyond Resident vol.3

 

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