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【疾患】後方肩関節脱臼のまとめ【随時更新中】


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今回は、救急外来で経験する

後方肩関節脱臼についてまとめました。

肩関節脱臼の大半は前方ですが、まれに後方に脱臼している場合もあります。

同じ脱臼でも、整復法や治療方針は大きく異なるのでしっかり勉強しておきましょう。

 

後方肩関節脱臼

 

 

1.ポイント

●全肩関節脱臼の3%以下で、初診時に見逃される例が非常に多い

●内転内旋位で固定されるため極度の外転外旋制限をおこす

●画像診断はスカプラYviewがX-pとCT共に診断で有用

●脱臼整復はDepalma method
上肢を屈曲内転しつつ軸方向へ牽引し、骨頭を後方から直接押す

2.疫学

頻度:1.1人/10万人あたり/1年 1)

初診時見逃しは50%以上といわれる 2)

全肩関節脱臼の3%以下で、初診時に見逃される例が非常に多い3・4)

3.症状

ROMは、患側で屈曲、下垂外旋°、内旋仙骨と強い可動域制限を認める

4.原因

前方挙上 内転 内旋位で強い外力5)

痙攣、高エネルギー事故、電気痙攣療法で多い6)

5.除外診断・注意すべき合併症

血管損傷、神経障害、上腕骨骨折など、注意すべき項目は前方脱臼の際と同様

6.問診・診察のポイント

【視診】
肩関節の後方への突出・前面の平面化や陥凹・烏口突起の突出がみられる7)
【理学所見】
内転内旋位で固定されるため極度の外転外旋制限をおこす。8)

7.検査

【X-p】

(True AP view)

上腕骨頭と関節窩の重なりとTrough line signを認める

※陥没骨折により生じる溝による皮質線のTrough line sign

(Standard AP view)

上腕骨頭が内旋となり大結節の張り出しが消失し骨頭が電球のようにみえるLightbulb sign

関節窩前面と上腕骨頭内側の位置が6mm以上はなれるRim sign

(Scapula Y view)

上腕骨頭の後方脱臼

画像診断はスカプラYviewがX-pとCT共に診断で有

(Axis view)

Reverse Hill Sachs Lesionを認める

【CT】

(CT Axial view)

Reverse Hil Sachs Lesion3DCTで上腕骨頭の後方脱臼を認める。

8.治療

【具体的治療のフローチャート】9)

【徒手整復】
Depalma method
上肢を屈曲内転しつつ軸方向へ牽引
骨頭を後方から直接押す
関節唇でロックがある場合 ⇒ 内旋

https://www.youtube.com/watch?v=MWb1OKkDDwE

【再脱臼を予防する肢位】
中間挙上 外旋位
前方の骨頭欠損の
Glenoid後面への接触を予防 10)

9.引用、参考文献

1)Robinson cm et.al JBJS. 2005 Mar;87(3):639-50

2)J.Hawkins et.al JBJS. 1987 Jan;69(1):9-18.

3)CM,Robinson et.al J Bone Joint Surg Am. 2011;93:1605-13
4)J.Hawkins et.al J Bone Joint Surg Am. 1987 Jan;69(1):9-18.
5)Robinson cm et.al JBJS. 2005 Mar;87(3):639-50

6)Robinson cm et.al JBJS. 2011 Sep 7;93(17):1605-13

7)MB Orthop,10(10):65-71,1997

8)肩関節外科の要点と盲点 P187

9)J.Hawkins et.al J Bone Joint Surg Am. 1987 Jan;69(1):9-18.

10)Robinson cm et.al JBJS. 2005 Mar;87(3):639-50

 

 

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