学習

【コンサルトの苦手意識を克服!】腰椎圧迫骨折

整形外科系疾患の中でも非常に頻度の高い疾患の一つが腰椎圧迫骨折。

コンサルトの際には、どのようなことに注意しなければならないのでしょうか?

腰椎圧迫骨折の基本をベースに、整形外科へのコンサルトのタイミングや要点のまとめ方などを中心に解説していきます。

忙しい救急外来のコンサルトは、緊急性と合わせて治療に必要な知識を適切にサマライズすることが求められます。

限られた時間でコンサルトする必要があるからこそ、常日頃から情報をどのようにまとめていくかを考える癖をつけておくことが大切です。

そうすれば、いざという時に焦らずスムーズに情報共有することができるでしょう👇

Antaaとは、医師・医学生向けのオンラインプラットフォームのことです。

日々の情報のアップデートと、日本各施設で活躍されている先生方の近況が知ることが出来て、私自身とても毎回刺激を受けております。

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※今回の記事は普段よりお世話になっている、

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Antaaにて執筆の許可をいただいている記事になります。

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以下、スライドの文章まとめです。URL等参考にしていただれば幸いです◎

コンサルトの基本と整形外科への特徴

#1.

スライド画像)広島大学病院 演者作成

#2.

休日午後の救急外来 4 日前からの増悪する腰痛の患者 下肢の痛みやしびれ,筋力低下あり 緊急治療を要する腰椎椎体骨折の可能性 を疑い,整形外科医にコンサルト

#3.

1. コンサルトとは 2. 整形外科へのコンサルトの特徴 3. 腰椎圧迫骨折とは 4. コンサルトの組み立て方 目次

コンサルトの目的とプレゼンテーションの重要性

#4.

1. コンサルトとは 2. 整形外科へのコンサルトの特徴 3. コンパートメント症候群とは 4. コンサルトの組み立て方 目次

#5.

プレゼンテーション=プレゼント

#6.

プレゼン≠コンサルト コンサルトの主な目的 意思決定してもらうこと さらに寄り添ったプレゼンテーションを

患者情報の重み付けと取捨選択のスキル

#7.

普遍的なニーズ 正確に 簡潔に 礼儀正しく

#8.

患者情報量と所要時間のグラフ 所要時間 患者情報量 好ましい 好ましい 聞き手のニーズがどこなのか

#9.

●情報の重み付け must say > should say > could say ●病態の緊急度や相手の状況に合わせて  情報を取捨選択し, 組み合わせる コンサルトする情報を重み付けし 取捨選択するスキルが重要

#10.

1. コンサルトとは 2. 整形外科へのコンサルトの特徴 3. コンパートメント症候群とは 4. コンサルトの組み立て方 目次

腰椎圧迫骨折の定義と緊急性の理解

#11.

まずは急ぐ病態を理解する

#12.

整形外科が電話口で考えていること ❶ 緊急で対診・治療介入が必要かどうか ❷ 手術加療が必要かどうか ❸ dispositionをどうするか(入院or帰宅)

#13.

must say ≒緊急で対診, 治療介入が必要かの判断に必要な情報 should say ≒手術適応,disposition の判断に必要な情報 整形外科へのコンサルトに含める情報

#14.

1. コンサルトとは 2. 整形外科へのコンサルトの特徴 3.腰椎圧迫骨折とは 4. コンサルトの組み立て方 目次

#15.

腰椎圧迫骨折 ●高齢者にコモンな脆弱性骨折の一つ ●外傷のエピソードがなくても発症しうる ●神経症状を伴うものは緊急でコンサルトが必要  ▶不安定な椎体が押しつぶされ、脊髄や馬尾神経が   骨片に圧迫され、不可逆な神経障害を生じることも

コンサルト時に必要な情報の整理

#16.

プレゼンで必要な情報 ●治療方針に関わる情報  患者の年齢やADL,骨折の画像所見,認知機能低下の有無  筋力低下・神経症状・膀胱直腸障害の有無

#17.

この圧迫骨折は、新規?それとも陳旧性? ●画像所見や臨床所見で重み付けをする  新規圧迫骨折の可能性を評価 ●立位と仰臥位でのレントゲン所見が有用 立位 仰臥位 宮川 慶:高齢者の脊椎圧迫骨折を疑う場合.medicina,57:728-730,2020

#18.

1. コンサルトとは 2. 整形外科へのコンサルトの特徴 3. コンパートメント症候群とは 4. コンサルトの組み立て方 目次

#19.

休日午後の救急外来 4 日前からの増悪する腰痛の患者 下肢の痛みやしびれ,筋力低下あり 緊急治療を要する腰椎椎体骨折の可能性 ▶緊急で治療が必要な可能性があり、急いで   診察してもらいたい

#20.

適切な情報量は? ●休日中で手は空いている●病態としての緊急度は高い  ▼ must say(緊急性が伝わる情報)を1-2つshould say(術式や術前のマネジメントを判断するのに必要な情報)を1-2つ

具体的なコンサルト内容の組み立て方

#21.

【年齢・性別】75 歳 女性 【主 訴】腰痛 【現病歴】4 日前ベッドより転倒し,腰痛を自覚した.経時的に症状が増悪し,本日は下肢の痛みも増悪したため救急要請. 【既往歴】アルツハイマー型認知症 【生活歴】グループホーム入所中.要介護3.食事や入浴に介助を要する 【アレルギー歴】なし 【内服歴】ドネペジル(アリセプト®) 5 mg 1 回1 錠 1 日1 回(朝食後) 【バイタルサイン】stable 【身体所見】 ストレッチャーの移乗時や上半身の挙上で腰痛の増強あり. 安静時腰背部痛は軽度.L1 領域に叩打痛あり.両下肢のしびれ,疼痛あり.下肢筋力低下あり膝立て困難 【画像検査所見】単純X 線写真で第1 腰椎の椎体圧潰あり.立位での撮影は困難. コンサルト時の情報のまとめ

#22.

どう取捨選択する? must say の情報を1~2個 ≒緊急性の高さを伝える情報 簡単な受傷機転や時間,骨折部位,PMSの所見

#23.

「緊急で診察をお願いしたい、神経障害を合併した腰椎椎体骨折  の患者さんの相談です。グループホーム入所中の75歳の女性で  4日前にベッドから転倒した後より腰痛が増悪しており、  本日からは下肢のしびれや筋力低下がみられています。  腰痛は体位変換で増悪し、第1腰椎レベルで叩打痛を認め、  レントゲンでも第1腰椎の骨折を認めます。           遅発性の神経障害の可能性があるため、           すぐに診察していただけないでしょうか?」 コンサルト内容の組み立て(一例)

コンサルトを学ぶための参考文献

#24.

参考文献     『臨床研修の羅針盤』 羊土社 出版 整形外科へのコンサルトを執筆担当しました◎ 事例をベースにしたコンサルトについて学べる、素敵な一冊です!

#25.

コンサルトをもっと学びたい人は?     『臨床研修の羅針盤』 羊土社 出版 https://dancing-doctor.com/compass-for-resident/

 

●コンサルトについて学びたい方はコチラ👇

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