救急外来での心エコーって何を見ればいいんだっけ…?
徐脈+ショックの鑑別何だっけ…?覚え方があったよな…?
動物に噛まれた人がERに来た…何から評価しよう…?
鎮静薬使ったけどまだ腰が痛いと言っている…入院適応あるのかな…?
これらは日々ERで後輩や同僚と仕事をする中でよく出てくる悩みや疑問点の一例です。
私自身も毎日ERで悩みながら仕事をしています。
研修医時代から、ERでの悩みを解消しようとして様々な本を読み漁っていたところ
この一冊に出会いました。
本書を読んでERでの診療について学び毎日ポケットに入れて携帯しておくだけで、
自信を持って救急外来診療をすることができます!
また、それぞれの疾患について専門科にコンサルトする時に、
評価しなければならないことや伝えるべきポイントが明確になるので
良好なコミュニケーションを取ることができます!
今回はER診療においてどんな研修医も必ず一度は読むべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇
これからご覧いただく医学書レビューは、
これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み、
その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている
ある救急科専攻医のレビューです。
医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、
是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!
1.本書のターゲット層と読了時間
【ターゲット層】
ER診療に従事する初期研修医から後期研修医
【推定読了期間】
12-14時間程度
です。
2.本書の特徴
本書は、荒隆紀先生を中心とした、洛和会音羽病院 救命救急センター・京都ER で勤務されている先生方がER診療におけるノウハウを網羅すべく執筆した一冊であり、
【本書の特徴】
●体系だったER診療を進めることが難しい研修医のために、上級医の診療アプローチの思考を余すことなく言語化したハンドブック
●ERで最低限理解すべき、学ぶべきポイントをマイナー科を含め網羅的に掲載しているうえに、白衣のポケットにも収まるサイズとなっている
といった特徴の一冊です。
本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをピックアップすると、このようになります👇
【本書で学べること】
●ERに来院される全ての患者さんへ適応できる基本的かつ最も大切なアプローチ方法
●ERで実施される検査の特徴と、注目すべき所見の把握
●主訴別に念頭に置くべき鑑別疾患と治療アプローチについて
これらは研修医の先生方にとっては今後どのような診療科に進んでも学んでおくべき大切な事項であると思います。
3.個人的総評
【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
本書の総評はお示ししたとおり、ほぼカンストしてしまっています…笑
特徴はなんと言っても、これだけER診療で必要となる知識や思考回路がまとまっているにも関わらず、ポケットに収まるサイズであること!
本のページ数は408ページと、このサイズの医学書としては多すぎる事なく完結にまとまっているので、苦痛を感じることなく通読することができます◎
何より、本書の解説は初学者にも理解しやすいようわかりやすく丁寧に書いてくださっているので、途中で挫折してしまうことも少ないと思います。
身体所見のとり方や、各主訴に対するアプローチについては豊富な図表を使ってくださっているのでスイスイ読み進められます。
特に、この手のER診療のハンドブックは手薄になりがちなめまいの鑑別についてや、マイナーエマージェンシーの内容についても、まるでそれらの参考書を一冊読んだくらいの知識が凝縮された内容ばかりで、2年目当時読んだ自分は感動しました…。
僕自身のオススメ度が高いのは総評を見ていただければわかるとは思いますが、何よりアマゾンの評価の高さやコメント数の多さが本書が以下に評価が高いかを物語っていますね◎
一方で、気になった点としては、基本的に病歴聴取が十分に行える1-2.5次救急を想定しており、重症のSAHやnear CPAの大動脈解離、20度低体温の治療アプローチや注意すべき点などの3次救急特有の内容については手薄となってしまうので、これらについては追加で学ぶ必要があると感じました。
また、対象患者層が高齢者の場合には当てはまらない項目もいくつか散見されました(そもそもの検査前確率が変わってくる、病歴聴取が思うようにできないなど…)ので、高齢者救急についても興味があれば他の救急外来診療の本で学んでみると良いかもしれません◎
救急外来診療について学びたい方はこちらの一冊もオススメです👇
しかし、それらの点を配慮した上でも、本書は初期研修医に圧倒的にオススメの一冊であり、当直の際にポケットに忍ばせるなら間違いなくこの一冊をおすすめします!
これらは本書の個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書は救急外来診療で悩む初期研修医は全員携帯するべき一冊である!
と感じました。
4.おすすめの使い方・読み進め方
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
●これまで悩んだ診療を思い出しながらまず通読!
●目次を参考にさらっと通読して、どこに何が書いてあるかざっくり把握(付箋を貼るのも良いでしょう)
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!
個人的におすすめの使い方をご紹介します!
まずは、これまで救急外来診療で悩んだ診療を思い出しながらまず通読してみます!
これまでの自分の診療がどれだけ曖昧な知識で行われていたか痛感することでしょう…笑
また、ハンドブックとして今後利用していくことが多いと思われるので、
個人的には目次を参考にさらっと通読して、どこに何が書いてあるかざっくり把握した上で
付箋を貼っておくのもおすすめです。
そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。
5.まとめ
【本書のまとめ】
研修医のために、上級医のERでの診療アプローチ思考を余すことなく言語化したハンドブック!
本書は救急外来診療で悩む初期研修医は全員携帯するべき一冊である!
この一冊を通じて学ぶことで、
今後日直や当直などのER診療に従事する際のストレスは激減します!
今後の学びや業務をより良いものにしたい方には是非手にとっていただきたい一冊です◎
以下に要点や基本事項をまとめましたので、
購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇
【基本情報】
タイトル:京都ERポケットブック
著者:荒隆紀先生 洛和会音羽病院 救命救急センター・京都ERスタッフ
出版社:医学書院
発行年月日:2018/6/11
【ターゲット層】
ER診療に従事する初期研修医から後期研修医
【本書の種類】
辞書系・ハンドブック
【推定読了期間】
12-14時間程度
【本書の特徴】
●体系だったER診療を進めることが難しい研修医のために、上級医の診療アプローチの思考を余すことなく言語化したハンドブック
●ERで最低限理解すべき、学ぶべきポイントをマイナー科を含め網羅的に掲載しているうえに、白衣のポケットにも収まるサイズとなっている
【本書で学べること】
●ERに来院される全ての患者さんへ適応できる基本的かつ最も大切なアプローチ方法
●ERで実施される検査の特徴と、注目すべき所見の把握
●主訴別に念頭に置くべき鑑別疾患と治療アプローチについて
【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
●これまで悩んだ診療を思い出しながらまず通読!
●目次を参考にさらっと通読して、どこに何が書いてあるかざっくり把握
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!
【本書のまとめ】
研修医のために、上級医のERでの診療アプローチ思考を余すことなく言語化したハンドブック!
本書は救急外来診療で悩む初期研修医は全員携帯するべき一冊である!
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