ICUの鎮静管理に慣れない先生方、ICUローテ中の初期研修医の先生方のお役に立てるよう、知っておくべき3つの鎮静薬を中心にミニマムにまとめました。
ICUにおける鎮静管理の原則に加えて、頻用薬であるミダゾラム・プロポフォール・デクスメデトミジンを中心とした具体的な使用方法と注意点について解説します👇
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以下、スライドの文章まとめです。URL等参考にしていただれば幸いです◎
テキスト全文
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#1.
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#2.
鎮静薬はICUでどんなときに用いられるか 迅速導入気管挿管 Rapid sequence intubation (RSI) 全身麻酔と人工呼吸の鎮静管理 深鎮静が必要なとき ・くも膜下出血時の再破裂予防 ・急性大動脈解離の術前 ・活動性の痙攣性発作の発作コントロール
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#3.
ICUにおける鎮静・鎮痛の大原則を整理 目的:患者の不安感を和らげ、快適さを確保すること 鎮痛ファースト!十分に鎮痛した上で浅鎮静管理 深鎮静の適応がない場合はRASS-2~0程度を目標に 1日1回は鎮静を覚まして意識をチェック
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#4.
ICUで知っておくべき鎮静薬をミニマムに 参考)ER・ICUのくすり300 中外医学社 2023 p51-60 当スライド作成者執筆
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#5.
ミダゾラムの具体的な使用方法 集中治療における人工呼吸器中の鎮静 ミダゾラム5A(10mg/2mL)+生理食塩水40mL(合計50mg/50ml)として、 基本量[=体重×0.1ml/hr]=0.1mg/kg/hr 導入時0.03mg/kg換算で持続静注5分以上経過すれば 0.03mg/kgの追加可 参考)ER・ICUのくすり300 中外医学社 2023 p51-60 当スライド作成者執筆
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#6.
ミダゾラムの注意点 投与後42-72時間以内の効果遷延に注意 肝腎代謝薬剤による作用増強・延長 肝硬変 → 50%減量 腎障害 → Ccr<10 or 透析患者で50%減量 呼吸抑制で低酸素血症が遷延 → フルマゼニル拮抗 長期投与で耐性を生じ、せん妄発症頻度が増す 参考)ER・ICUのくすり300 中外医学社 2023 p51-60 当スライド作成者執筆
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#7.
プロポフォールの具体的な使用方法 参考)ER・ICUのくすり300 中外医学社 2023 p51-60 当スライド作成者執筆 集中治療における人工呼吸器中の鎮静 導入時0.03mg/kg/hrで持続投与(体重×0.3ml) 持続0.03mg/kg/hrで必要とする鎮静度に応じて調整
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#8.
プロポフォールの注意点 プロポフォール注入症候群 Propofol infusion syndrome(PRIS) ・高用量・長期使用(4mg/kg/hr以上、48時間以上)の際に起こりやすい ・臨床症状として心不全、不整脈, 横紋筋融解症,乳酸アシドーシス, 高トリグリセリド血症,腎不全,高カリウム血症など ・発症した場合はすぐに投与を中止▶対症療法 循環抑制 ・用量依存的に、交感神経抑制作用に伴う全身性の血管拡張により血圧低下 ・低血圧や心機能低下例では控えめに or なるべく避ける 参考)ER・ICUのくすり300 中外医学社 2023 p51-60 当スライド作成者執筆
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#9.
デクスメデトミジンの具体的な使用方法 参考)ER・ICUのくすり300 中外医学社 2023 p51-60 当スライド作成者執筆 集中治療における人工呼吸器中および離脱後の鎮静 負荷(ローディング) 6μg/kg/hrを10分間持続静注持続 維持0.2-0.7μg/kg/hr持続静注 ※負荷変動の循環変動が大きいことを考慮し実臨床場では負荷投与はされないことが多い
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#10.
デクスメデトミジンの注意点 参考)ER・ICUのくすり300 中外医学社 2023 p51-60 当スライド作成者執筆 洞停止 ・投与量増加に伴い循環抑制 ( 徐脈>低血圧 ) の有害事象 ・急速静注は洞停止をきたすリスクあり危険 ローディング ・添付文書記載のローディング量は非常に多く,低血圧や徐脈, 時に反射性の高血圧を起こすため ICU 管理では避ける 用量調整 ・肝・腎機能低下時の減量基準はないが, 重度肝障害では鎮静作 用・副作用が起こりやすい
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#11.
フルマゼニルの具体的な使用方法 参考)ER・ICUのくすり300 中外医学社 2023 p51-60 当スライド作成者執筆 ベンゾジアゼピン系薬剤による鎮静の解除及びベンゾジアゼピ ン系薬剤による 呼吸抑制の改善負荷(ローディング) 6μg/kg/hrを10分間持続静注持続 初回0.2mg を緩徐に静注 覚醒状態が得られない場合は1-4分後に0.1mgを追加し, 必要に応じて1分間隔で0.1mgずつ追加 2mg を目安に繰り返し投与
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#12.
フルマゼニルの注意点 参考)ER・ICUのくすり300 中外医学社 2023 p51-60 当スライド作成者執筆 ・効果発現は早く(1分),有効率は80%以上と高い ・持続時間が短時間(15-140分)のため再鎮静に注意 ・ベンゾジアゼピン離脱症状のリスク ( 興奮や痙攣 ) ・ベンゾジアゼピン系薬剤投与下の患者 ▶投与に伴い頭蓋内圧が上昇する場合があるため緩徐に投与
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#13.
ICUにおける人工呼吸中の鎮静薬 使い方のコツ ( 比較表 ) 参考)ER・ICUのくすり300 中外医学社 2023 p51-60 当スライド作成者執筆 デクスメデトミジンは呼吸抑制が少なく,浅鎮静を達成しやすい →深鎮静管理を要する場合は向かない ミダゾラムはせん妄のリスクを上げるためなるべく使用を避けられる傾向にある →プロポフォールに比べ循環抑制が少ないため、循環動態が不安定な患者で 深鎮静を目指す場合は使用を検討
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#14.
ERやICUの頻用薬についてもっと学びたい方は…! https://www.chugaiigaku.jp/item/detail.php?id=4392