救急で最も大切な概念のひとつ、Primary Surveyの気道についてまとめました。
気道の異常とは、気道に解剖学的、もしくは生理学的に異常がある状態を指します。
気道緊急とも呼ばれ、主には上気道閉塞が問題となります。気道は息を吸ったり吐いたりする際の空気の通り道なので、閉塞などの異附をきたすと、体内に全く酸素が取り込めなくなってしまいます。
仮に気道が完全閉塞すると、極度の低酸素状態となるため、数分以内に心停止に至ります。酸素予備能が少ない妊婦や肥満患者,小児の場合は1~2分程度しか時間の猶予はないのです!
気道の異常を評価するのに必要な知識を凝縮した、主に働きはじめの初期研修医や看護師などの多職種向けのスライドとなっています!
スライドに登場するイラストは、イラストレーター角野ふち様と協力し作成した完全オリジナルです◎
日々の診療のお役に立てれば幸いです。
Antaaとは、医師・医学生向けのオンラインプラットフォームのことです。
日々の情報のアップデートと、日本各施設で活躍されている先生方の近況が知ることが出来て、私自身とても毎回刺激を受けております。
Antaaではこのようなスライド含め、様々なコンテンツがFacebookグループ・アプリで日々配信されていますので、以下のリンクより登録し視聴してみてください!(なんと無料です!)
⭐️Antaa医師医学生限定Facebookグループはこちらから
⭐️Antaaアプリダウンロードはこちらから👇
(iOS版)
(Android版)
※今回の記事は普段よりお世話になっている、
アンター株式会社COOの西山様含め、
Antaaにて執筆の許可をいただいている記事になります。
詳細はコチラをチェック👇
【スマホ向け】
【PC向け】
ABCDアプローチについて、書籍で学びたい方はコチラ👇
以下、スライドの文章まとめです。URL等参考にしていただれば幸いです◎
Primary Survey 気道(A)の異常【解剖・気道確保を中心に】
-
–
-
Primary Survey ABCDEアプローチ 酸素の需要供給バランスを保つ
-
Primary Survey ABCDEアプローチ 酸素の需要供給バランスを保つ
-
目次 ①気道の基礎知識 ②気道の異常 ③気道の評価
-
目次 ①気道の基礎知識 ②気道の異常 ③気道の評価
-
まずは解剖学…上気道 ●気道は空気の通り道 ●酸素の取り込みを意識 Primary Surveyの 最上流!
-
●気道は空気の通り道 ●酸素の取り込みを意識 気道の異常は 上気道閉塞が最多! 上気道の解剖
-
上気道の解剖 気道管理の肝!
-
喉頭の解剖 ●喉頭蓋や声帯, 声門などの構造物によって構成 ●この視野は気管挿管の時に何度も登場 高さを意識!
-
下気道の解剖 ●気管内腫瘍や甲状腺腫瘍などによる圧排で閉塞を生じる 誤嚥性肺炎に!
-
下気道の解剖 ●気管内腫瘍や甲状腺腫瘍などによる圧排で閉塞を生じる 挿管チューブ 先端の目安
-
目次 ①気道の基礎知識 ②気道の異常 ③気道の評価
-
気道の異常はエマージェンシー 数分で心停止することも…
-
●解剖学的な異常をきたしている場合は、確実な気道確保 例)急性喉頭蓋炎 気道の異常
-
気道の異常≠解剖学的異常 ●正常時 ●意識レベル低下
-
気道の異常≠解剖学的異常 ●意識レベル低下(例:頭部外傷後) ➡脱力して重力の影響を強く受けてしまう ➡舌根や軟口蓋、喉頭蓋が咽頭後壁へと下がる ●用手的気道確保・エアウェイの挿入など
-
これは何のサイン…?
-
チョークサイン ●苦しそうに喉元に手を当てる仕草のこと(万国共通!) ●上気道閉塞(窒息)が起きている! 超緊急!! すぐに助けを呼ぶ!
-
窒息の解除(成人ver.) ●ハイムリック法を試みる! 臓器損傷のリスクも… 自信がなければ背部殴打法
-
窒息の解除(乳児ver.) ●力を少し弱める 背部殴打法を試す ●それでも解除されない場合は、胸骨圧迫を試みる
-
目次 ①気道の基礎知識 ②気道の異常 ③気道の評価
-
Primary Surveyの評価ポイント ●バイタルサインのみを当てにしない! ●五感をフルに使って評価! ●第一印象でBCDに 異常を認めても必ずAから診察 ➡Aから順に問題を解決していく
-
気道の評価項目 【具体的な手順】 ①声掛け➡②聴診➡③視診
-
①声掛け 発語があればOK 発声なし 曇り声は 緊急!!
-
②聴診 ストライダー(吸気時喘鳴)がないか ➡あれば挿管が必要な可能性↑ 完全閉塞時 呼吸音は 聞こえない!
-
③視診 ●吸気時にどのように呼吸筋を使っているかを確認 ●胸とお腹が交互に動くシーソー様の呼吸が特徴 気管牽引 陥没呼吸 よだれが出ている ➡急性喉頭蓋炎 などによる 喉頭浮腫!!
-
胸が上がっていれば気道はOK…? ●気道閉塞があっても肋骨は相対的に挙上して見える… 胸の上がりだけで評価してはならない!
-
Take home message ●気道はPrimary Surveyの最上流であり 真っ先に評価介入をしなければならない! ●気道の異常は数分で心停止に至る超緊急! ●気道確保は低侵襲なものから順番に試す
-
参考文献 内科救急診療指針2016 日本内科学会編 自発呼吸アセスメント指針2019 日本呼吸療法医学会 プロメテウス解剖学アトラス ぜんぶわかる人体解剖図 みんなの救命救急科
-
医学の学び・医学書レビューを発信させていただいています 公式LINEアカウント(定期動画配信+限定情報!) https://line.me/R/ti/p/%40339dxpov ブログ(勉強ノート・医学書レビュー) https://dancing-doctor.com/