医学書LABO

医学書レビュー『医師1年目からの わかる、できる! 栄養療法』

「指導医に、担当患者さんの栄養設計をしておいてと言われたけど、どう調整すればいいのだろう…?」

「糖尿病の患者さんの栄養管理って、どうしたら血糖コントロールがうまくいくのだろうか…?熱傷の患者さんの栄養管理は何に気を付ければいいんだっけ…?」

これらは日々病棟で仕事をする中で、感じる悩みや疑問点ですよね。

私自身もこういった“栄養管理”に関する悩みを解決しようとして様々な本で勉強していたところ、この一冊に出会いました。

本書を読むことで

栄養管理業務への理解が深まり、今後栄養療法の管理をするうえでの自信がつきます。

「栄養管理の基本を具体的に学ぶ」のにオススメの一冊として、自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇

これからご覧いただくのは、これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み、その中でもオススメの医学書レビューを定期的に書いている、ある救急科専攻医のレビューです。

「医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、是非この一冊を手に取ってみたい」と思っていただけるようなレビューを心がけています。

 

1.本書のターゲット層と読了時間

【ターゲット層】

栄養療法に不慣れな初期研修医

栄養療法に慣れてきたが、改めて体系的に学び直したい若手医師

【推定読了期間】

6-8時間程度

2.本書の特徴

本書は、福井県立病院 女性専用外来 内科主任医長である栗山とよ子先生が執筆されたものです。

【本書の特徴】

  • 症例や具体的な処方・投与例などを交えた栄養療法の解説

栄養療法を行う際の基本方針について、実際に栄養療法を設計するときの流れに沿った解説がわかりやすくまとめられているのが特徴の一冊です。

本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをピックアップすると、このようになります👇

【本書で学べること】

  • 臨床でまず知っておくべき栄養療法の基本的な知識
  • 臨床での症例を踏まえた、実践的な栄養管理の考え方
  • 栄養療法と、同化や異化といった生化学、生理学的な内容の関係

これらは研修医の先生方にとっては今後どのような診療科に進んでも使うことのできる、大切な事項であると思います。

3.個人的総評

【評価】

必要性:

本の薄さ:

わかりやすさ:

面白さ:

継続使用度:

オススメ度:

 

本書を手に取ったきっかけは、病棟業務に慣れていく中で、ルーチンとなりがちだった栄養療法について改めて体系的に学びたいと思ったからです。

特に経腸栄養や中心静脈栄養を組んだ後に、どのように効果判定をしつつ調整していくか、という悩みがありました。

本書の特徴はなんと言っても、

「栄養スクリーニングから必要栄養素の設計を行い、その後栄養剤の調整を行う」という栄養療法を実際に設計するときの流れに沿って解説されていることです。

そのため、本書を読むことで栄養療法の組み方からその効果判定、そして調整までの基本を“通しで”学ぶことが出来ます。

本書の良かった点をいくつか挙げさせて頂きます。

①栄養療法の総論を踏まえたうえで、具体例で確認できる

まず、総論の解説の後に、具体的な症例ベースで処方例まで掲載されているという点です。

そのため、明日から実際に自分が栄養剤を投与設計するイメージがわきやすいと言えます。

総論では、消化体と半消化体など私自身最初に学んだ際にややこしいと思った栄養療法に関する内容を分かりやすく解説してくれています。

特に、スクリーニングや栄養評価の検査値の解釈に関しては、普段何気なく行っていた節があったので非常に勉強になった。

具体的な症例を見ていくと、投与設計をするうえで陥りやすいピットフォール(セレン欠乏や高齢者に対する過剰な窒素負荷など)も繰り返し登場するため、上級医がどんなことに気を付けながら計画しているかが理解しやすいと感じました。

②身体の中の栄養素の動きを詳しく解説している

その他、同化や異化といった生化学、生理学的な内容に関しても非常に細かく解説されているのが他の書籍にはない特徴です。

栄養療法を考えるうえで、栄養とミクロな身体の中の物質の動きは切り離して考えることはできません。

生化学・生理学的な視点でミクロに栄養の動きを知ることで、栄養管理の疑問が生まれた際に、根拠を持って考えやすくなったと感じました。

例;栄養投与後のATPなどのエネルギー産生の仕組み

一方気になった点としては、あくまで個人的な印象ではありますが、基礎を説明する本書と、ICU管理における現在のトレンドを比較した際、若干ずれている点が挙げられます。

例えば、

胃管先端の位置調整の話題や(筋弛緩伏臥位管理中は十二指腸先端に留置した方がよさそうというレンド)

水分投与設計(集中治療領域では通常の投与設計よりも少ない水分量での管理が望ましいというトレンド)

など、普段私が実践しているICU領域の栄養管理には落とし込めない内容もありました。

その他、ICU管理を行う可能性がある先生方は、重症症例での中心静脈栄養単独管理などは追加で勉強する必要があると感じます。

よって、初学書として本書で栄養の基本を学んだ後は、ICU管理における栄養管理についても改めて学ぶとなおよいと感じました。

これらは本書の個人的な評価であり、しかも「何様だよ」と言われてしまうことは重々承知ではありますが、

私は本書について「栄養管理の基礎を学ぶには最適な一冊である!」と感じました。

4.おすすめの使い方・読み進め方

【本書のおすすめの読み方・活用方法】

  • これまで悩んだ診療を思い出しながら、総論部分をまず通読!
  • 総論を受けて、病態別の具体例を確認!
  • その後は経験した症例の前後で読み直して復習!

個人的におすすめの使い方をご紹介します。

著者個人の意見ですが、まずは総論を通読してみることが大切です。

本書は通読するには少しボリュームがあるのも事実ですが、まずは通読して栄養療法の全体像を把握するのが大切です。

総論を読み終えた後はそれぞれの症例ごとの投与設計の項があるので、そちらで学びを深めていくのがよいでしょう。

ワンポイントアドバイスをさせて頂くと、「栄養設計は、実臨床において本で学んだ通りうまくいかないことも多い」ということを念頭に、治療にあたることです。

本書でそれぞれ個別の栄養設計方法を学んだあとは、実際に日々の臨床で実践して、理論と現実のギャップを埋めていく作業が非常に大切だと言えます。

そして、そのギャップが生まれてしまった原因を本書で解説されている栄養療法に関する生理学的な観点から復習していくことが重要です。

まずは、一つ一つの症例について「ギャップがあれば、その理由を説明できる」というところまで理解しておきましょう!

その後で、実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験し、栄養管理の方法をマスターしていきましょう。

5.まとめ

【本書のまとめ】

本書は栄養管理の基礎を学びたいすべての医師にとって必須の参考書の一つである!

まとめると、本書は栄養療法について、わかりやすく学ぶことができる、栄養管理の基礎を学ぶには本当におすすめの一冊です。

今後の学びや業務をより良いものにしたい方には是非手にとっていただきたい一冊です◎

以下に要点や基本事項をまとめましたので、

購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇

【基本情報】

タイトル:医師1年目からの わかる、できる!栄養療法

著者:栗山 とよ子

出版社:羊土社

発行年月日:2022/05/27

【ターゲット層】

栄養療法に不慣れな初期研修医

栄養療法に慣れてきたが、改めて体系的に学び直したい若手医師

【推定読了期間】

6-8時間程度

【本書の特徴】

  • 症例や具体的な処方・投与例などを交えた栄養療法の解説
  • 栄養療法を行う際の基本方針の、実際に栄養療法の設計するときの流れに沿った説明

【本書で学べること】

  • 臨床でまず知っておくべき栄養療法の基本的な知識
  • 臨床での症例を踏まえた、実践的な栄養管理の考え方
  • 栄養療法と、同化や異化といった生化学、生理学的な内容の関係

【評価】

必要性:

本の薄さ:

わかりやすさ:

面白さ:

継続使用度:

オススメ度:

【本書のおすすめの読み方・活用方法】

  • これまで悩んだ診療を思い出しながら、総論部分をまず通読!
  • 総論を受けて、病態別の具体例を確認!
  • その後は経験した症例の前後で読み直して復習!

【本書のまとめ】

本書は栄養管理の基礎を学びたいすべての医師にとって必須の参考書の一つである!

この記事を読んで参考になった方、面白いと思ってくださった方は

今後も定期的に記事を更新していきますので

各種SNSの登録よろしくお願いいたします!

【公式ラインアカウント】

各種SNSでのコンテンツ配信を定期的に配信!

この中でしか見られない限定動画配信もしています◎

日々のスキマ時間に気軽に見ることができるので、興味があれば是非登録していただければ幸いです!

コチラのボタンをタップ!👇

友だち追加

みなさまのリアクションが今後の記事を書くモチベーションになります!