今回は、臨床や医学の勉強をしていて感じる疑問の一つ、
救急外来や病棟急変でよく出会うショックについて
といった疑問についてAntaaスライドにまとめました。
臨床でも実際に診療にあたることも多いショックについて、確実に知っておくべき知識を理解していますか?
ショック=血圧低値と誤解されることが多い、ショックの概念についてまとめました!
生理学や生化学から、ショックの定義や分類、鑑別を中心にまとめています。
初期研修医の先生方や看護師さんにとっては、きっと学びの多いスライドとなっているはずなので、参考にしていただければ幸いです◎
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日々の情報のアップデートと、日本各施設で活躍されている先生方の近況が知ることが出来て、私自身とても毎回刺激を受けております。
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以下、スライドの文章まとめです。URL等参考にしていただれば幸いです◎
1.
2. Primary Survey ABCDEアプローチ 酸素の需要供給 バランスを保つ ABCの順に介入 引用) https://faaastaid.com/abcde-approach/
3. なぜ酸素が大事? 好気性・嫌気性代謝の生化学 嫌気性代謝=Lac↑ Lac↑は酸素需要供給バランスの破綻を示唆する可能性 引用)JA広島総合病院 救急科勉強会資料 Primary Survey
4. 先生、救急車来ます! 60代女性 【主訴】発熱・体動困難 【救急隊からの情報】 盲腸癌術後で当院かかりつけの方 来院数日前からの発熱および倦怠感あり 来院当日保健所に連絡し、近医受診を 指示されたが体動困難で救急要請 【既往歴】 統合失調症(25歳~) 盲腸癌術後(50歳)
5. 【バイタルサイン】 気道開通 RR:24/min 努力様 酸素マスク(O2流量10L) SpO2:測定不能 PR:80/min BP84/46mmHg JCS:Ⅰ-1 BT:39.5度 COVID接触歴なし 咳嗽・感冒症状なし 先生、救急車来ます! 60代女性 【主訴】発熱・体動困難
6. 重症そうな患者さんが搬送されてきた! まずやるべきこととは…?
7. 重症そうな患者さんが搬送されてきた! まずやるべきこととは…?
8. Primary Survey A(気道) 発語あり 気道開通 B(呼吸) RR24 努力様呼吸あり 明らかな肺雑音なし 酸素マスク(O2流量10L) SpO2:測定不能 C(循環) PR:90/min BP:82/44mmHg 末梢温かい CRT>2sec 頚動脈触知良好 橈骨動脈触れ微弱 D(意識) JCSⅠ-1 GCS:E4V5M6 麻痺なし 瞳孔不同なし E(体温) 39.2度
9. こりゃ なんかヤバそうじゃ… はよ上の先生を呼ばんといけん!
10. こりゃ なんかヤバそうじゃ… はよ上の先生を呼ばんといけん! 【当スライドの目標】 ショックを早期に認識! ショックを分類する!
11. 目次 1.ショックとは何か? 2.ショックの認知 3.ショックの種類 4.ショックの鑑別
12. 目次 1.ショックとは何か? 2.ショックの認知 3.ショックの種類 4.ショックの鑑別
13. そもそもショックって何…?
14. ショック≠血圧低値 ATLS分類(出血性ショックの分類) ショックの初期段階は血圧正常なことも… 血圧低値=すでにショックが進行! 引用)JA広島総合病院 救急科勉強会資料 Primary Survey N Engl J Med 2018;378:370-79
15. ショックとは?生理学の観点から… 血圧が低い 脈拍が早い 必要なだけの酸素が細胞へ届けられていない ●組織酸素代謝障害による臓器不全の臨床像
16. 酸素取り込みの過程をおさらい
17. 呼吸不全 酸素の需要と供給 FiO2↓ 肺胞換気量↓ AaDO2開大
18. ショック 酸素の需要と供給 酸素供給量↓ 酸素消費量↑ 酸素利用障害
19. 今、目の前にあるショックに気づく…! ショックかも…? と早期に認知し介入!
20. ショックの介入 OMI O O2 (酸素投与) M Monitor (モニター装着) I Infusion (点滴)
21. 目次 1.ショックとは何か? 2.ショックの認知 3.ショックの種類 4.ショックの鑑別
22. 今、目の前にあるショックに気づく…! ショックかも…? 早期に認知し介入するには?? 身体診察で見抜く! 見て 聴いて 感じて
23. 輸血 Look Listen Feel Primary Surveyは 見て・聴いて・感じて
24. Primary Surveyは 見て・聴いて・感じて
25. ショックの5P Pallor 蒼白 Prostration 虚脱 Perspiration 冷汗 Pulselessness 脈拍触知不能 Pulmonary insufficiency 呼吸不全
26. 目次 1.ショックとは何か? 2.ショックの認知 3.ショックの種類 4.ショックの鑑別
27. ショックの種類 思いつくだけ教えて下さい!
28. 心原性ショック Cardiogenic shock 心筋梗塞・弁膜症 重症不整脈・心筋症 心筋炎 循環血液量減少性ショック Hypovolemic shock 出血性ショック 腹膜炎・熱傷 血液分布異常性ショック Distributive shock 敗血症性ショック アナフィラキシーショック 神経原性ショック 閉塞性・拘束性ショック Obstructive shock 肺塞栓 心タンポナーデ 緊張性気胸 4つのショック全部わかりましたか?
29. 臓器灌流 意識してますか? 臓器灌流を規定する血圧=MAP(平均動脈圧)
30. 平均血圧 臓器灌流と平均血圧(MAP) 心拍出量 血管抵抗 1回心拍出量×心拍数 (前負荷・心収縮力・後負荷)
31. 心原性ショック Cardiogenic shock 心筋梗塞・弁膜症 重症不整脈・心筋症 心筋炎 循環血液量減少性ショック Hypovolemic shock 出血性ショック 腹膜炎・熱傷 血液分布異常性ショック Distributive shock 敗血症性ショック アナフィラキシーショック 神経原性ショック 閉塞性・拘束性ショック Obstructive shock 肺塞栓 心タンポナーデ 緊張性気胸 ショックの分類
32. 循環血液量減少性ショック Hypovolemic shock 出血性ショック 腹膜炎・熱傷 循環血液量減少性ショック 平均血圧 心拍出量 血管抵抗 1回心拍出量×心拍数 (前負荷・心収縮力・後負荷)
33. 1回心拍出量×心拍数 (前負荷・心収縮力・後負荷) 循環血液量減少性ショック Hypovolemic shock 出血性ショック 腹膜炎・熱傷 循環血液量減少性ショック 平均血圧 心拍出量 血管抵抗
34. 1回心拍出量×心拍数 (前負荷・心収縮力・後負荷) 循環血液量減少性ショック Hypovolemic shock 出血性ショック 腹膜炎・熱傷 循環血液量減少性ショック 平均血圧 心拍出量 血管抵抗
35. 循環血液量減少性ショック Hypovolemic shock 出血性ショック 腹膜炎・熱傷 血液分布異常性ショック 平均血圧 心拍出量 血管抵抗 血液分布異常性ショック Distributive shock 敗血症性ショック アナフィラキシーショック 神経原性ショック 1回心拍出量×心拍数 (前負荷・心収縮力・後負荷)
36. 循環血液量減少性ショック Hypovolemic shock 出血性ショック 腹膜炎・熱傷 血液分布異常性ショック 平均血圧 心拍出量 血管抵抗 血液分布異常性ショック Distributive shock 敗血症性ショック アナフィラキシーショック 神経原性ショック 血管抵抗 1回心拍出量×心拍数 (前負荷・心収縮力・後負荷)
37. 1回心拍出量×心拍数 (前負荷・心収縮力・後負荷) 循環血液量減少性ショック Hypovolemic shock 出血性ショック 腹膜炎・熱傷 血液分布異常性ショック 平均血圧 心拍出量 血管抵抗 血液分布異常性ショック Distributive shock 敗血症性ショック アナフィラキシーショック 神経原性ショック 血管抵抗 or
38. 循環血液量減少性ショック Hypovolemic shock 出血性ショック 腹膜炎・熱傷 心原性ショック 平均血圧 心拍出量 血管抵抗 心原性ショック Cardiogenic shock 心筋梗塞・弁膜症 重症不整脈・心筋症 心筋炎 1回心拍出量×心拍数 (前負荷・心収縮力・後負荷)
39. 1回心拍出量×心拍数 (前負荷・心収縮力・後負荷) 心機能 循環血液量減少性ショック Hypovolemic shock 出血性ショック 腹膜炎・熱傷 心原性ショック 平均血圧 心拍出量 血管抵抗 心原性ショック Cardiogenic shock 心筋梗塞・弁膜症 重症不整脈・心筋症 心筋炎 or
40. 1回心拍出量×心拍数 (前負荷・心収縮力・後負荷) 循環血液量減少性ショック Hypovolemic shock 出血性ショック 腹膜炎・熱傷 心原性ショック 平均血圧 心拍出量 血管抵抗 心原性ショック Cardiogenic shock 心筋梗塞・弁膜症 重症不整脈・心筋症 心筋炎 心機能 or
41. 循環血液量減少性ショック Hypovolemic shock 出血性ショック 腹膜炎・熱傷 閉塞性・拘束性ショック 平均血圧 心拍出量 血管抵抗 閉塞性・拘束性ショック Obstructive shock 肺塞栓 心タンポナーデ 緊張性気胸 1回心拍出量×心拍数 (前負荷・心収縮力・後負荷)
42. 1回心拍出量×心拍数 (前負荷・心収縮力・後負荷) 循環血液量減少性ショック Hypovolemic shock 出血性ショック 腹膜炎・熱傷 閉塞性・拘束性ショック 平均血圧 心拍出量 血管抵抗 閉塞性・拘束性ショック Obstructive shock 肺塞栓 心タンポナーデ 緊張性気胸 閉塞
43. 1回心拍出量×心拍数 (前負荷・心収縮力・後負荷) 循環血液量減少性ショック Hypovolemic shock 出血性ショック 腹膜炎・熱傷 閉塞性・拘束性ショック 平均血圧 心拍出量 血管抵抗 閉塞性・拘束性ショック Obstructive shock 肺塞栓 心タンポナーデ 緊張性気胸 閉塞
44. 心原性ショック Cardiogenic shock PCI・除細動・不整脈治療 循環血液量減少性ショック Hypovolemic shock 細胞外液投与・輸血 血液分布異常性ショック Distributive shock 細胞外液投与・血管収縮薬 閉塞性・拘束性ショック Obstructive shock 原疾患への治療介入 ショックの種類によって介入が異なる ため分類はとても重要!
45. 目次 1.ショックとは何か? 2.ショックの認知 3.ショックの種類 4.ショックの鑑別
46. 輸血 病歴 皮膚温 超音波 ショックの鑑別 3step
47. 病歴でショックの種類を類推 ハチに刺された後、突然ショックに… 腰痛と発熱の患者さんがショックになった… 交通事故で搬送された患者さんがショック状態…
48. 末梢皮膚温をチェック Cold Hypovolemic shock Cardiogenic shock Obstructive shock Warm Distributive shock
49. 超音波 RUSH(Rapid Ultrasound for Shock)
50. 超音波 RUSH(Rapid Ultrasound for Shock)
51. RUSH 実際の手順 引用)動きながら考える!内科救急診療のロジック 松原知康 著
52. 輸血 病歴 皮膚温 超音波 最初の症例で鑑別してみよう!
53. “病歴”から鑑別 【救急隊からの情報】 盲腸癌術後で当院かかりつけの方 来院数日前からの発熱および倦怠感あり 来院当日保健所に連絡し、近医受診を 指示されたが体動困難で救急要請 【既往歴】 統合失調症(25歳~) 盲腸癌術後(50歳)
54. “病歴”から鑑別 【救急隊からの情報】 盲腸癌術後で当院かかりつけの方 来院数日前からの発熱および倦怠感あり 来院当日保健所に連絡し、近医受診を 指示されたが体動困難で救急要請 【既往歴】 統合失調症(25歳~) 盲腸癌術後(50歳)
55. “身体診察”から鑑別 A(気道) 発語あり 気道開通 B(呼吸) RR24 努力様呼吸あり 明らかな肺雑音なし 酸素マスク(O2流量3L) SpO2:測定不能 C(循環) PR:90/min BP:82/44mmHg 末梢温かい CRT>2sec 頚動脈触知良好 橈骨動脈触れ微弱 D(意識) JCSⅠ-1 GCS:E4V5M6 麻痺なし 瞳孔不同なし E(体温) 39.2度
56. “身体診察”から鑑別 A(気道) 発語あり 気道開通 B(呼吸) RR24 努力様呼吸あり 明らかな肺雑音なし 酸素マスク(O2流量3L) SpO2:測定不能 C(循環) PR:90/min BP:82/44mmHg 末梢温かい CRT>2sec 頚動脈触知良好 橈骨動脈触れ微弱 D(意識) JCSⅠ-1 GCS:E4V5M6 麻痺なし 瞳孔不同なし E(体温) 39.2度
57. “超音波”から鑑別 PUMP 心臓過収縮気味 TANK IVC4mm 呼吸性に虚脱 PIPE 特記すべき所見なし
58. “超音波”から鑑別 PUMP 心臓過収縮気味 TANK IVC4mm 呼吸性に虚脱 PIPE 特記すべき所見なし
59. こりゃ ショック状態で早期介入が必要じゃ… 敗血症性ショック疑いで上の先生を呼ばんと… 救急外来に血液分布異常性ショックである 敗血症性ショックを疑う患者さんがいます 一緒に初療をお願いします
60. Take home message ●目の前にいる患者さんがショックなのか 早期に見抜く ●バイタルサインだけではなく 見て・聴いて・感じて循環を評価 ●病歴・身体診察・超音波(RUSH) でショックを分類
61. 医学の学び・医学書レビューを発信させていただいています 公式LINEアカウント(定期動画配信+限定情報!) https://line.me/R/ti/p/%40339dxpov ブログ(勉強ノート・医学書レビュー)は以下をタップ https://dancing-doctor.com/antaa/
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