日本の多くの急性期病院においてCRRTの手段として用いられる、CHDF。
日本のICUの重症患者さんに使用されているのはもはや日常的な風景なのではないでしょうか?
実は、CRRTにはCHDF以外にもCHDやCHFがあり、これらを総称して総称CRRTと呼ばれるのですが、日本ではCRRT=CHDFと勘違いしてしまっている方も多そうです。
CRRT (continuous renal replacement therapy: 持続的腎代替療法
CHD (continuous hemodialysis :持続的血液透析)
CHF (continuous hemofiltration : 持続的血液ろ過)
CHDF (continuous hemodiafiltration: 持続的血液ろ過透析)
かく言う自分もそんな医療従事者の一人であり、昔ある日のカンファで
踊る救急医「…高Kが著明でCHDFを使っております。」
指導医「これはCHDFじゃなくで設定はCHDじゃない?」
踊る救急医「…?!」
と混乱してしまったことがあります。。
たくさんの数字が並んでおりとても複雑で、一見理解しがたいCHDF…
初期研修医の子たちにについてもっとわかりやすく、そしてクリアに教えてあげられるようになりたいなあ…
そんな時にこの一冊に出会いました。
今回はCHDFの分野の初めに読むべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇
これからご覧いただく医学書レビューは、
これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み、
その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている
ある救急科専攻医のレビューです。
医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、
是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!
1.本書のターゲット層と読了時間
ターゲット層は、
初期研修医・ICUで勤務する医療従事者全員
推定読了期間は
3-4時間程度
です。
2.本書の特徴
本書は、市立大津市民病院救急診療科部長として勤務されている小尾口邦彦先生が、
透析原理とろ過原理のハイプリッドをいきなり理解するのは難しいので、
まずは透析原理、ろ過原理のそれぞれをしっかり理解しなければなりません。
そして両方をきちんと理解できれば、CHDFの理解はそれほど難しくありません。
本書まえがき一部引用
3.個人的総評
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
本書の特徴としては、なんといっても薄くて読了しやすく優しい値段設定であること!
そして、ふんだんに図表を使って解説してくださっているので本当にわかりやすい!
自分自身CHDFについてごまかして理解していたことも多々あったのですが、本書のおかげでCRRTの専門書を読んでより理解したいと思えるようになりました!
個人的には苦手意識のあったCHDFにアレルギー反応が出なくなっただけでも本当に嬉しかったです…笑
特に拡散とろ過の原理を食塩水やところてんで解説してくださっているところの内容については目から鱗の内容ばかりでした。
個人的には、
あくまで個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書はCHDFの初学書として研修医やICUで勤務する医療従事者は必読の一冊である!
と感じました。今後出会う初期研修医に本書を勧めたいと思います。
4.おすすめの使い方・読み進め方
●まずは時間を作って通読(3-4時間程度)
●その後は実際にCHDFを触ってみながら、上級医やMEさんに質問しまくる笑
個人的におすすめの使い方をご紹介します!
本書を読んだ後にCHDFを眺めると、原理が手に取るようにわかるようになるので初期研修医など早い段階での通読をおすすめします。
そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。その際にお勧めなのが、実際に触りながら詳しい人に聞きまくること笑上級医の先生に病態と設定の方法について聞いて、MEさんには回路内のより細かい疑問点を聞きまくると自分なりに理解が深まります!
5.まとめ
【基本情報】
タイトル:こういうことだったのか!! CHDF
著者:小尾口 邦彦
出版社:中外医学社
発行年月日:2018/2/27
【ターゲット層】
初期研修医・ICUで勤務する医療従事者全員
【本書の種類】
通読系・目次系
【推定読了期間】
3-4時間程度
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
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