新人看護師や研修医にとって最大の鬼門の一つである、ICUやCCUでの重症患者治療。
人工呼吸器で管理され、4-5本もルートがつながった集中治療管理されている患者さんを目の前に
「患者さんのアセスメントとプレゼンしてって言われたけど、何から始めたらいいの?!」
と、最初は準備の仕方やポイントなどもわからないためあたふたすることも多いはず…
特に、鎮静鎮痛やカテコラミン、薬剤使用の選択方法など薬剤については本当にわからないことばかりです…
今回、集中治療分野の参考書として強くおすすめしたいのがこちらの一冊です👇
これからご覧いただく医学書レビューは、
これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み、
その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている
ある救急科専攻医のレビューです。
医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、
是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!
1.ターゲット層
「ICU入院中の患者さんがせん妄なってますって看護師さんに言われたけど、どうしよう…」
「結局輸血って何を何単位いけばいいんだろう…」
「BPが低い…この患者さんにまず使うのはノルアドレナリン?それともドブタミン?」
これは著者自身が研修に日々感じていた心の声です。というより専攻医になった今も同じような悩みを抱えています…笑
研修医時代および現在の著者と同様に重症患者の管理に悩む新人の医療従事者はたくさんいると思います。
本書のターゲット層は、
ICU勤務の看護師・初期研修医1年目後半以降~専攻医レベルの医師
推定読了期間は
25-30時間程度
です。
すなわち、ICUで勤務するすべての医療従事者にとって有益な本であると個人的には感じています!
※一方で、初期研修スタート時の初期研修医にとっては骨太すぎて一部学ぶにはつらいところもあるので、まずは輸液や麻酔科の基本的な参考書を学ぶことをお勧めします。個人的なお勧めの一冊はこちら👇
2.本書の特徴
本書は、集中治療分野のスペシャリストである大野 博司先生が、
ICU/CCUで頻用される薬剤の使い方を中心に、先生が日々の臨床で培ったクリティカルケアの技術、経験をまとめられています。
新章の書きおろし、新規薬剤・文献のアップデート、新規付録「クリティカルケアで重要な薬物相互作用」の追加など、大幅な改訂作業によって旧版の倍、800ページ超の大ボリュームとなっております。
●鎮静鎮痛・循環管理を含めたICU/CCUで使用する薬剤の具体的な使い方
●それら使用法の背後にあるエビデンスや生理学的知識
●各薬剤だけでなく、患者さんに応じた薬物の相互作用を考えた管理
3.個人的総評
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
本書の特徴は何といっても超具体的な薬剤の使い方と、豊富なエビデンスや背景となる生理学知識が網羅されている事です。
本書のタイトルを見ると一見、基礎医学の薬理学などの内容を掲載した本に感じますが、実際には医療現場の具体的なcaseに応じた使用方法が解説されているのです。
USMLEなどで学ぶ基礎医学的な内容を実臨床生かす、いわば実臨床をベースとした一冊なのです。
そのため、働いていて治療に疑問や悩みを感じるたびに本書を読むことで、こんなことまで解説していあったのか…と購入後も継続して使用できる一冊です。
4.おすすめの使い方
●ICU看護師・研修医集中治療科ローテ中での業務期間に気長に通読!
●経験した症例、使用薬剤に応じて適宜復習!
上記が個人的におすすめの使い方です!
4.まとめ
【基本情報】
タイトル:ICU/CCUの薬の考え方、使い方 ver.2
著者:大野 博司 (著)
発行年月日:2015/12/25
【タイプ】辞書タイプ・具体的caseも網羅されているので通読も可能
【ターゲット】
ICU勤務の看護師・初期研修医1年目後半以降~専攻医レベルの医師
【本書の種類】
辞書系・参照系
【推定読了時間】
25-30時間
【背景・作者の想い】
●職場で定期的に行ってきた勉強会の内容を日本中のICUで働く医療従事者にシェアしたい
●「目の前の医療がどの程度世界標準から離れており」そして、「それが妥当なのか」を見極められるようになってほしい
【学べること】
●鎮静鎮痛・循環管理を含めたICU/CCUで使用する薬剤の具体的な使い方
●それら使用法の背後にあるエビデンスや生理学的知識
●各薬剤だけでなく、患者さんに応じた薬物の相互作用を考えた管理
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
本書はICU・CCUで業務する医療従事者にとって必須の参考書の一つである!