【疑問】
今回は、臨床や医学の勉強をしていて感じる疑問の一つ、
外科的気管切開の手順・注意すべき事とは?
についてまとめました。頭頚部の解剖を中心にまとめています。
緊急時の気道確保の方法としても頭頚部の解剖を学ぶことは大切なので参考にしてみてください。
1.外科的気管切開の解剖
●輪状甲状穿刺と気管切開部は異なる
●上甲状腺動脈の輪状甲状枝に注意。
しかし輪状甲状靭帯切開など超緊急時にはためらってはいけない…!
2.外科的気管切開のポイントと手順
百聞は一見に如かず…こちらの動画をご覧ください👇
以下、気管切開の注意点です1)
●外科的気管切開の体位は甲状腺体位
●十分に伸展しないと皮膚から気管までが深くなってしまう
※術中の適切な酸素投与は?2)3)
●気道トラブルに備え,かつては酸素濃度を
100%とすることが推奨されていた。
●電気メス使用時の気道熱傷の報告が相次いでおり、使用時には酸素濃度をできるかぎり低くすべきであると勧告されている。
●横切開の方が美容的に◎
●正中を常に意識しながら鈍的に剥離
●筋層を剥離すると甲状腺が出てくる
●上下によけられることも多いが、難しい場合は切離する
●気管前面に逆U字フラップを作成し糸にかける
⇒気切チューブを入れる穴
【経験して感じた注意事項】
●何度も正中を触れながら剥離をすすめる
●血管の処理には慣れておく…
●気管に糸をかけると挿管チューブのカフに
穴が開いてリークが起こることを想定
●逆U字フラップはメスだけでなく形成剪刀
も使って形成(気管壁は意外ともろい!)
●固定するときはYガーゼを入れる隙間を意
識して
3.引用文献
1)頭頚部外科25(3):297-301, 2015 気管切開 成人–小児 平林秀樹
2)気管切開中の電気メスによる引火,気管熱傷症例.日気管食道会報 2011;62:551-5.
3)日本救急医学会ホームページ.電気メスを用いた気管切開について
みなさまのリアクションが今後の記事を書くモチベーションになります!