今年度の研修医カリキュラムの変更に伴い、ローテーション必修科となった産婦人科…
国家試験の時のイメージも根強く、苦手意識をもった人も多いと思います。
かく言う自分もそんな研修医の一人でした…笑
ですが、このスーパーローテーションの時代の研修医として、
必要最低限の知識は身につけないといけないのもまた事実。
「産婦人科の何の参考書、何を買ったらいいでしょうか…?」
そんな研修医の皆さんにおすすめしたいのがこちらの一冊です👇
これからご覧いただく医学書レビューは、
これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み、
その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている
ある救急科専攻医のレビューです。
医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、
是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!
1.ターゲット層
「NSTってなんだっけ…栄養管理の人たちじゃなくて?」
「若年女性の下腹部痛…怖すぎますもう見れません…」
こんな風に産婦人科領域の知識がなく不安に思う研修医も多いのではないでしょうか?
これは自分自身が研修医時代に思っていたことです。
本書のターゲット、推定読了時間は、
ターゲット層は、
初期研修医産婦人科ローテ中の研修医
推定読了期間は
7-8時間程度
です。
2.本書の特徴
本書は、女性診療のプロとして注目される新進気鋭の産婦人科医の柴田先生・水谷先生が、
1 救急コンサルテーション術
2 月経歴と性交歴の聞き方とコツ
3 救急室から始める女性のヘルスメンテナンス
4 女性の腹痛へのアプローチ
5 外陰部と帯下の異常
6 緊急避妊
7 月経困難とLEP
8 妊娠中のコモンプロブレム
9 産科エマージェンシー
10 授乳中だったら
11 産後のエマージェンシー
12 更年期?高齢者のコモンディジーズとその対応
13 DVの疑い方・対応の仕方
14 災害時の妊産婦と女性ケア
15 産婦人科は,こう研修する
3.個人的総評
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
個人的には、産婦人科領域の本の中で一番肌に合った一冊でした。
主に産婦人科に将来進まない研修医や、産婦人科ではないジェネラリストの先生方向けの内容となっております。
どのタイミングでコンサルトするべきか、どこまでなら他科で裁量できる内容なのかなど、今後の自分自身の産婦人科領域の患者さんとの接し方の土台となった一冊です。
個人的にはとてもオススメなのですが、Amazonのレビューとは少しオススメ度が乖離していました…
よくよくレビューを読んでみると、プライマリーケア医が下手の横好きで産婦人科へのコンサルトが遅くなってしまうからと理由での批評がちらほら…
もちろんこの意見も解らなくはないですが、そういった緊急度の判断もプライマリーケア医の大きな役割なのだから、そこについて批判されるともはやプライマリーケア医の意義を否定している感じがします。
なので著者自身はプライマリーケアを学ぶべき研修医にとっては間違いなくお勧めできる一冊であると自信をもって紹介させていただきます。
4.おすすめの使い方
●救急外来での産婦人科領域のページだけ通読
●それ以外の項目は産婦人科ローテ中に出会う度に読んでいく
まずは、産婦人科領域の疾患の救急外来での対応についての章を通読します。
その他の項目は、ローテ中に出会う疾患、問題点に応じて読んでいけばいいと思います。
例えば本書を読み進めて通読したとしても、妊婦に使ってはいけない薬剤など実際に同じような患者さんを診療していない立場で読んでも頭に残らない内容も多いと思います。
どうしても通読したいのであれば、細かいところに注目して暗記しようとするのではなく、
産婦人科領域の概要をさらっとおさらいする気持ちで読み進めることをお勧めします。
4.まとめ
【基本情報】
タイトル:女性の救急外来 ただいま診断中!
著者:井上真智子 編集 / 柴田 綾子 著 / 水谷 佳敬 著
出版社:中外医学社
発行年月日:2017年5月
【ターゲット層】
初期研修医産婦人科ローテ中の研修医
【本書の特徴】
通読系・目次系
【推定読了期間】
7-8時間程度
【本書の狙い】
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
【まとめ】
本書は産婦人科ローテをする上で必須の参考書の一つである!