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『内科レジデントの鉄則 第4版』【研修医必読の一冊 勉強法や使い方を徹底解説】

国家試験を終えた時期に後輩たちから必ずといっていいほど聞くのは、

「まずは、何の参考書を買ったらいいでしょうか…?」

「初学者でもわかりやすい参考書ってありますか…?」

という質問です。

その際に、私が迷わず内科分野の初めに読むべき一冊としておすすめするのがこちら。

本書を通じて、内科診療、病棟管理の基本を学べば今後の研修医業務でのストレスは激減します!

あまりに有名な参考書であり、冗談抜きに日本中の研修医は必ず一冊持っているのではないかというこの本。

もはや説明不要なのかもしれませんが、今回は現役の救急医としてこの本をどのように活用し、使い倒して勉強するかという点にフォーカスして、記事にまとめてみたいと思います。

こちら『内科レジデントの鉄則』は2023年10月についに改訂版の第4版が出版されました!第3版から改定されてさらに進化した内容についてもレビューさせていただきます◎

 

 

1.本書のターゲット層と読了時間

「入院中の患者さんが発熱した!どうしよう…」

「わ!採血したら高K血症だ!何をどうしたらいいんだっけ…」

研修医として勤務を始めたばかりのころは、毎日悩むことばかりです。

自分も例外なく、そんな研修医の一人でした…

すぐに先輩や上級医に相談したくなるところをぐっと我慢して、

一旦まずは自分で考えることが肝要です。悩んだ時こそ成長のチャンス!

そんな時に役立つのがこちらの一冊。ターゲット層や推定読了期間はこちら👇

【ターゲット層】

国家試験終了後の医学生~初期研修医1年目(特に前半)

【推定読了期間】

10-12時間程度

です。

2.本書の特徴

本書はかの有名な聖路加国際病院の内科チーフレジデントの先生方が、

●蓄えた知識を最大限生かし、緊急性・重要性を判断したうえでいかに行動するかに重点を置いて

●良く遭遇する症例をベースに、必須の知識の整理、適切なワークアップ、具体的な初療の学習を目指して

制作した珠玉の一冊です。

本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをピックアップすると、このようになります👇

【本書で学べること】

●現場でよく遭遇する症候の鑑別
例)入院中の患者の発熱で見逃しやすい、想起すべき原因は?(7つ)

●内科救急の具体的初期対応
例)高Kの重症度判定と具体的な治療薬は?(投与量も含め)

●悩ましい入院患者の管理
例)refeedingで想定すべき電解質異常は?

これらは研修医の先生方にとっては今後どのような診療科に進んでも学んでおくべき大切な事項であると思います。

研修医がまず内科診療について知っておかなければならない知識を学ぶのに最適の1冊だと感じます。

3.個人的総評

【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:

本書の特徴はなんと言っても、学びはじめの初期研修医が知りたい内科知識が網羅されていること!

わかりやすさについては難解な病態をできるだけシンプルに説明してくださるので申し分ありません。第4版では肺塞栓症の診断や栄養管理など、とくに研修医が理解しにくい箇所についても更に詳しく解説が追加されている印象でした。

また、各章の文量も程よくテンポよく読み進められるので、読んでいて飽きが来ることはありません。

一度通読して内科診療や病棟管理について学んだ後でも、半年後や一年後はもちろん、今後研修医として診療に当たる上で一生活用することができる一冊なのではないでしょうか。とくに、それぞれの項の参考文献はやはり改訂に伴いアップデートされていますし、私自身以前読んだことのない参考文献で一部を目に通したのですが、やはり臨床のプラクティスが代わりうる重要な文献をサマライズされていました。自分自身の診療の根拠をアップデートしたいときに、これらの参考文献を手にとって見るのはとても大事だと改めて思いました。

10人2年目研修医がいたら、10人がおすすめする名著なのでまだ購入していない方は是非手に取って読んでみてください。

また、改定に伴い以前あくまで個人的な印象ではありますが気になったこととして、

輸液分野についての記載や情報がやや乏しい印象があったのですが、これらも臨床での

プラクティスで迷わないよう大幅改訂があり、解説が充実しておりました◎

まさに隙のない一冊となっていますね…!

これらは本書の個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は

本書は初期研修医必携の内科分野の初学書である!

と感じました。

4.おすすめの使い方・読み進め方

【本書のおすすめの読み方・活用方法】

●まずは全体をゆっくりと通読する

●各章の末にある参考文献の論文を読む

●ローテ中に学んだことをこの本に書き込んで集約化する

個人的におすすめの使い方をご紹介します!

著者個人の意見としては本全体をまずはゆっくりと通読することです。

その後は興味のある分野を目次を通じてつまみ食い感覚で深く読んでみると知識が定着します。本書の内容をすべて理解し実践できるようになることが、初期研修における一つの目標となると個人的には感じるので、2年間でこれらをマスターするんだと思いながら読み進めると、モチベーションが高まることでしょう。

そして、深く読む際にオススメなのは掲載されている論文を読んでみること。

この本で紹介されている論文は総じて読みやすいものが多いです。

これまで英語論文を定期的に読んでこなかった研修医(もれなく自分もです笑)にとっても挑戦しやすい!

興味がある方、より深く学びたい研修医2年目の先生は是非取り組んでみてください。

また、ローテ中に学んだことをノートのように本書に書き込んでいくのもおすすめです。

覚えるべき大切な知識を一つに集約することで何度も復習するきっかけになりますし、

何より上級医から見て手軽に頑張って勉強してる感が得られます◎

この内科レジデントの鉄則を付箋でいっぱいにしている研修医を見ると、応援したい気持ちになってしまいます。最近は電子書籍化の影響で余り見かけることがなくなったので少し寂しい気持ちです…笑

5.まとめ

【本書のまとめ】

研修医が良い臨床研修を始める上で必須の参考書の一つである!

本書は初期研修医必携の内科分野の初学書である!

この一冊を通じて学ぶことで、

今後担当患者さんの病棟管理や内科診療に自信を持って取り組むことができます!

今後の学びや業務をより良いものにしたい方には是非手にとっていただきたい一冊です◎

以下に要点や基本事項をまとめましたので、

購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇

【基本情報】
タイトル:内科レジデントの鉄則 第4版
著者:聖路加国際病院内科チーフレジデント (編集)
出版社:医学書院
発行年月日:2023/10/10

【分野】
内科 総合内科 プライマリケア

【タイプ】
症例・疾患ベース

【ターゲット層】
国家試験終了後の医学生~初期研修医1年目(特に前半)

【本書の種類】

通読系・目次系

【推定読了期間】
10-12時間程度

【本書の展開】
●蓄えた知識を最大限生かし、緊急性・重要性を判断したうえでいかに行動するかに重点を置かれている!

●それぞれの症候ごとの例題に自分なりに解答し、能動的に学ぶことができる!

●良く遭遇する症例をベースに、必須の知識の整理、適切なワークアップを理解できる!

【本書で学べること】
●現場でよく遭遇する症候の鑑別
例)入院中の患者の発熱で見逃しやすい、想起すべき原因は?(7つ)
●内科救急の具体的初期対応
例)高Kの重症度判定と具体的な治療薬は?(投与量も含め)
●悩ましい入院患者の管理
例)refeedingで想定すべき電解質異常は?

【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:

【本書のおすすめの読み方・活用方法】
●まずは普段よく経験する急性期の管理から読み始める
●各章の末にある参考文献の論文を読む
●ローテ中に学んだことをこの本に書き込んで集約化する

【本書のまとめ】
研修医が良い臨床研修を始める上で必須の内科分野の初学書である!

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