入院中に嚥下障害が発覚した患者さんの栄養管理はどうすればよいのだろう…?
肝硬変をベースに持つ患者さんの栄養管理はどのようにすればよいのだろう…?
私自身、これまでは施設の栄養療法についてのテンプレートに沿うように、患者さんのざっくりとした病態に合わせた食事設計について、ある程度は調整をしていました。
しかし一般病棟管理の勤務が長くなっていることもあり、ICUにおける超急性期の栄養管理ほど厳密に栄養管理をする機会が減っている時期でした。
この度、著者の皆様から栄養管理についての素敵な本を贈呈いただきました。
そのため、興味を持って改めて栄養療法について学ぶ非常良い機会となりました。
実際に記載されている事例は実践的で、とても面白く読み進めることができたので、「栄養療法の応用を学びたい!」という際におすすめの一冊がこちらです👇
これからご覧いただく医学書レビューは、
これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み、
その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている
ある救急科専攻医のレビューです。
医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、
是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!
1.本書のターゲット層と読了時間
【ターゲット層】
初期研修医はもちろん、病棟や外来、在宅などさまざまな場面で患者さんの栄養設計をするすべての医師
【推定読了期間】
8-9時間程度
です。
2.本書の特徴
本書は、山田悠史先生、松本 朋弘先生、小澤 秀浩先生が執筆された一冊です。
本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをピックアップすると、このようになります👇
【本書の特徴】
●臨床現場で即活用できるまとまった栄養管理の知識が得られる
●構造的かつ論理的に書かれていて、ついつい読み進めてしまう
が特徴の一冊です。
【本書で学べること】
●エビデンスに基づいた栄養管理の方法
●疾患ごとに異なる栄養摂取についてのポイント
●栄養管理の知識をもとにした、患者さんへの栄養指導方法
これらは研修医の先生方にとっては今後どのような診療科に進んでも学んでおくべき大切な事項であると思います。
3.個人的総評
【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
本書の特徴はなんと言っても、本書と連動した学びをビデオを通じて学習することができるという点です。
著者のお2人がYoutuberとして、日々レクチャー動画を配信されているため、書籍と動画を用いてシームレスな学習をすることができるというのが最大の特徴だと感じました。
そのため、書籍で得た知識を動画で復習することができ、”理解できた!”という感覚がとても大きかったのを覚えています。
実践的な栄養投与法を、老年医学の専門内容と交えて掲載されており、単に栄養療法について学ぶだけでは解消しない臨床疑問がするすると紐解かれていく感覚はとても心地が良いです。
本書はただの栄養療法の本ではなく,その人の在宅での暮らしなど、それぞれの患者さんに合わせた、あるべきゴールの設計を想定した内容になっているのが特徴で、とても勉強になりました。
加えて、”疾患ごと”や”テーマごと”にさまざまな切り口から栄養管理について解説してくれています。
最近興味のあった「高齢者フレイル」や、耳が痛くなるような「コンビニ飯」の話題まで…!
類書にはない面白い切り口が盛りだくさんでした。
ポップな表紙から想像される内容とは、いい意味で裏切られるような、よく出会う疾患の栄養についてエビデンスベースで細かく解説されているギャップにやられました。
一度通読して栄養療法について学んだ後でも、半年後や一年後はもちろん、今後医師として診療に当たる上で一生活用することができる一冊なのではないでしょうか。
一方で本書において注意すべきだと感じた点としては、初学者にとっては少し取り掛かりにくいところがあるかもしれないという点です。
本書の内容は病棟管理全般はもちろんですが、専門性の高い領域としては総合診療の在宅医療の視点に重きを置いています。
在宅での食事調整など、研修医や初学者がまず栄養療法について手に取るには少し難しいと感じるところもある可能性があるとは思いました。
あくまで個人的な印象ではありますが、
この点については少しだけ配慮した上で一度手にとっていただければと思いました。
これらは本書の個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書は栄養療法に関してさらにレベルアップをしたい!という際に最適な一冊である!
と感じました。
4.おすすめの使い方・読み進め方
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
●動画を見て栄養管理の全体の把握
●そうでない方も、興味のある分野を目次を通じてつまみ食い感覚で読んで見る!
●悩んだ栄養管理を思い出しながら何度も読み込んで、記憶に定着させる!
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!
個人的におすすめの使い方をご紹介します。
著者個人の意見としては、時間がある方は一度通読してみることも良いと思います。
しかし、本書はそれぞれの項目についてかなり深い知識まで記載されているため、一度通読しただけではなかなか頭に残りにくい部分もあるかと思います。
全体を一度学びたいと思う方に関しては、初めにYouTube動画でのイントロダクションとしてそれぞれを学習した後に本書を読み進めると、文脈がわかりやすく読み進めやすいと感じました。
その他、実臨床で出会っているような問題だったり、普段感じている疑問が記載されている箇所から読み進めると、興味を持って深い知識を学びやすいと感じました。
本書は、読めば読むほど深い内容を知ることができる一冊です。
各項目を把握した後は深く読み込み、記憶に定着させるのがおすすめです!
そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。
5.まとめ
【本書のまとめ】
本書は栄養療法に関してさらにレベルアップをしたい!という際に最適な一冊である!
まとめると、本書は栄養管理について、深く学ぶことができる本当におすすめの一冊です。
この一冊を通じて学ぶことで、
今後高度な栄養管理が必要な患者さんに出会ったとしても自信を持って対応することができます!
今後の学びや業務をより良いものにしたい方には是非手にとっていただきたい一冊です◎
以下に要点や基本事項をまとめましたので、
購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇
【基本情報】
タイトル:総合診療ブラザーズの臨床栄養講座
著者:山田悠史先生、松本 朋弘先生、小澤 秀浩先生
出版社:丸善出版
発行年月日:2023年09月
【ターゲット層】
初期研修医以上の医師全員
病棟や外来、在宅などさまざまな場面で患者さんの栄養設計をする医師
【推定読了期間】
8-9時間程度
【本書の特徴】
●臨床現場で即活用できるまとまった栄養管理の知識が得られる
●構造的かつ論理的に書かれていて、ついつい読み進められる
●人気医師Youtuberの先生方が執筆されている!
【本書で学べること】
●エビデンスに基づいた栄養管理の方法
●疾患やタイミングごとに異なる栄養管理についてのポイント
●栄養管理の知識をもとにした、患者さんへの栄養指導方法
【評価】
- 必要性:
- 本の薄さ:
- わかりやすさ:
- 面白さ:
- 継続使用度:
- オススメ度:
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
●興味のある分野を目次を通じてつまみ食い感覚で読んで見る!
●悩んだ栄養管理を思い出しながら何度も読み込んで、記憶に定着させる!
●Youtubeの動画も活用して復習を!
【本書のまとめ】
本書は栄養療法に関してさらにレベルアップをしたい!という際に最適な一冊である!
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