医学書LABO

【レビュー】輸液を学ぶ人のために【時代を超えて愛される、輸液の手ほどき書です】

ER・ICUでの業務の合間に後輩たちからよく聞くのは、

「そもそも脱水って何種類か分類があるんですよね…?よくわかりません…」

「栄養輸液と電解質輸液の違いがわかりません…」

という、輸液分野の本質ともいえる質問です。

確かに自分自身いろんな輸液の本を読んできましたが、

クリアカットに説明できないな…と質問の返答に困ってしまうこともしばしば。

入門書を含め、数多く輸液の参考書が存在する昨今ではありますが、輸液の本質について事細かにわかりやすく解説された参考書やレクチャーはなかなかありません。

今回輸液分野の本質を学ぶ上で読むべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちら👇

時代を超えて愛される輸液の名著であり、自分自身も研修医時代上級医に紹介された名著を僭越ながらご紹介させていただきます。

 

これからご覧いただく医学書レビューは、

これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み

その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている

ある救急科専攻医のレビューです。

医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、

是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!

 

 

1.本書のターゲット層と読了時間

 

ターゲット層は、

輸液の本質を学びたい新人看護師・初期研修医から後期研修医

推定読了期間

6-8時間程度

です。

2.本書の特徴

本書は、医学書院にて連載を持ち様々な輸液の参考書を執筆されてきた、輸液のエキスパートである和田 孝雄先生が、

●「輸液の手ほどき書」として臨床の第一線で働くドクター、ナースを対象にした医学書院での連載のまとめ
●代々受け継がれてきた「伝統芸能」の要素の強い輸液の本質を紐解きたい
と制作した一冊です。
本書は和田先生に加え、臨床現場で共に働いている近藤先生に加え、看護学生の梶原様の三人の語り口調で内容が進んでいくので、あっという間に楽しく通読できてしまいます。
この本を読み終えた時には、本質的な生理学を中心とした、

今後何科に進んでも大事な基礎となる輸液において理解しておくべき重要事項を学習している事でしょう。

3.個人的総評

【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:

総評の特徴としては、これだけの本質的な内容を網羅しているにもかかわらず、200ページ程度と薄く通読しやすいのに加えて値段もお手頃という事。

さらに本書は和田先生に加え、臨床現場で共に働いている近藤先生に加え、看護学生の梶原様の三人の語り口調で内容が進んでいくので、あっという間に楽しく通読できてしまいます。

また、愛嬌たっぷりの豊富な図表を使ってくださっているので読み進めやすい。

特に脱水症の概念についての内容は目から鱗の内容ばかりでした。

あくまで個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は

本書は輸液の生理学や本質を学ぶ上で大切な一冊である!

と感じました。一方で、輸液の初学者であれば難解な内容も散見されるので、輸液の初学者には以下の一冊を強くお勧めします👇

【レビュー】『レジデントのためのこれだけ輸液』【令和の研修医のゴールドスタンダードとなるでしょう】初期研修医の子たちに輸液についてもっとわかりやすく、そしてクリアに教えてあげられるようになりたいなあ… そんな時にこの一冊に出会いました。 正直、すごすぎて舌を巻きました。こんなに医学書を読んで感動したのは久しぶりかも… これまでの自分の理解がいかに浅はかだったかを再確認させられました。 今回輸液分野の初めに読むべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです...

4.おすすめの使い方・読み進め方

●まずは上記の『レジデントのためのこれだけ輸液』を通読

●これまで悩んだ診療を思い出しながら通読!

 

個人的におすすめの使い方をご紹介します!

著者個人の意見としては、輸液の初学書を読んでからある程度臨床経験を積んだうえでの通読をお勧めします。

まるで、輸液の本質について上質なレクチャーを受けているかのような心地よさに包まれるので、ぜひ皆さんに読んでいただきたいです…!

そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。

5.まとめ

本書は輸液の生理学や本質を学ぶ上で必須の参考書の一つである!  
以下に要点や基本事項をまとめましたので、
購入する際には参考にしてください。

【基本情報】
タイトル:輸液を学ぶ人のために
著者:和田 孝雄 (著), 近藤 和子 (著)
出版社:医学書院
発行年月日:1997/9/1

【ターゲット層】

輸液の本質を学びたい新人看護師・初期研修医から後期研修医

【本書の種類】

通読系・目次系

【推定読了期間】

6-8時間程度

【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
おすすめの使い方・読み進め方

●まずは上記の『レジデントのためのこれだけ輸液』を通読

●これまで悩んだ診療を思い出しながら通読!

まとめ

本書は輸液の生理学や本質を学ぶ上で必須の参考書の一つである!  

この記事を読んで参考になった方、面白いと思ってくださった方は

 

今後も定期的に記事を更新していきますので

 

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