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救急対応のエビデンス・エクスペリエンスをぎゅうっとまとめました【セッティングを意識した救急診療を学べます】

救急外来や地方の病院で働く医師にとって、日々の診療の中で、クリニカルクエスチョン(CQ)が尽き尽きることはないのではないでしょうか。

そしてCQは、遭遇するセッティング(どんな施設で診療にあたっているか)によっても変わります。

「鉄粉の角膜異物は翌日眼科受診で大丈夫なの?」

「Walk-in患者の危険な兆候を見逃さないには?」

リソースが限られている中でどこまで検査を進めるべきなのか。

こういった悩みは、ERや地域医療の現場では特に多く、医師たちが常に頭を悩ませる課題です。

そんな時に出会ったのが、救急診療の現場で使えるエビデンスと経験を凝縮したこの一冊。

今年度の救急医学会で一目惚れし、著者の坂本先生よりサインまでいただきました✍

この本を読めば、今後どんなセッティングで患者さんに出会ったとしても、エビデンスを持って素早く対応できるようになります!

今回は、救急外来や地方病院、さらにはクリニックまで、それぞれのセッティングに応じたCQと具体的な対応方法が学べる一冊を紹介します!

これからご覧いただく医学書レビューは、

これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み

その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている

ある救急科専攻医のレビューです。

医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、

是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!

 

 

 

1.本書のターゲット層と読了時間

 

【ターゲット層】

救急診療に携わるすべての医師

初期研修医から専門医まで幅広いステージで活躍する救急医

【推定読了期間】

全体を通読する場合は1~2週間(10時間程度)

です。

2.本書の特徴

本書は、坂本 壮生が執筆された、

【本書の特徴】

●セッティング別の具体的な解説

●豊富なCQ(約100個)の実践的な解答

が特徴の一冊です。

本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをピックアップすると、このようになります👇

【本書で学べること】

●エビデンスと現場での経験を融合した診療・判断のポイント

●各診療現場に合わせた、リアルな課題を掘り下げたテーマ

●Walk-in患者に紛れた危険な兆候を見のがさないためのTips

これらは救急医の先生方にとっては、今後どのようなセッティングで救急科勤務しても対応できるよう、学んでおくべき大切な事項であると思います。

3.個人的総評

【評価】

必要性:

本の薄さ:

わかりやすさ:

面白さ:

継続使用度:

オススメ度:

※Amazon評価:

本書の特徴はなんと言っても、セッティングごとに分かりやすく整理されているため、どの診療現場でも参考になる点です。

例えば、イメージがつきにくい「救急外来とクリニックでの診療対応の違い」というセッティングの差別化についても、それぞれの状況が詳細に記載されています。

一言で救急と言っても、診療するシチュエーションによって、ピットフォールは変わります。

私自身、いわゆる田舎と呼ばれる地域の診療所やクリニックでのバイトで救急診療に従事することも何度か経験しました。

そして、この書籍にあるように、一般的なガイドラインで書かれているようなセッティングとは異なる場合、悩ましいことがたくさんあると感じていました。

その点、それぞれの地域、そしてシチュエーションで「どのようにベストな診療ができるのか」という視点からガイドラインを超えた診療が論じられているこの書籍は、他に類書があまりなく、非常に参考になりました。

一般的な学習のみでは曖昧な判断となる、次の1手を学びたい先生方には特に最適ですね!

加えて、多くの著者により執筆された本書ではありますが、執筆者間で統一感があり、どの章を読んでも読みやすさを感じました。

自分自身、今後書籍を執筆する、もしくは監修する立場となったときに、統一感を意識しながら執筆できるかということは非常に大切な視点だと思います。

一方で、あくまで個人的な印象ではありますが気になった点としては、各診療科を縦割りで勉強するのには少し適していないという点です。

この書籍の構成上難しいのですが、それぞれのセッティングベースで見出しを大きく分けているので、診療科ごとの勉強では少し不便に感じます。

例えば、耳鼻科の内容について重点的に学びたいと思った時には、それぞれの目次を見て、耳鼻科に該当するような疾患やクリティカルクエスチョンを選択して学習する必要があるということになります。

あくまで個人的な印象ではありますが、この点については少しだけ配慮した上で一度手にとっていただければと思いました。

これらは本書の個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、

本書はどのようなセッティングで患者さんに出会ったとしても、エビデンスを意識して最適な診療をできるようになる一冊 である!

と感じました。

4.おすすめの使い方・読み進め方

【本書のおすすめの読み方・活用方法】

●目次を活用し、悩んだ経験のあるトピックから読み進める。

●シミュレーション形式で症例を追体験しながら読む。

●勤務先の環境に合ったセッティングを中心に学ぶ。

●各セッティングを超えて、横断的な視点を持ちながら内容を整理する。

個人的におすすめの使い方をご紹介します。

著者個人の意見としては、自分がこれまで経験したことのある疑問点を目次で探し、そこから読み進める方法がおすすめです。

本書は網羅的に、約100のCQと解説を含んでいます。

その分、一気に通読すると1週間ほどかかるでしょう。

時間があればすべてを通読するのも良いですが、目次を見てみると、今まで自分が悩んだシチュエーションやクリニカルクエスチョンが必ず記載されていると思います。

そのため、そういった自分自身が悩んだことのあるCQから読み進めると、自分の経験談も反映された上で、「文献上、ガイドライン上で適切とされている対応は何か」というフィードバックを得ることができます。

一通り読み終えた後は、内容を整理しつつ、実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。

5.まとめ

【本書のまとめ】

本書はどのようなセッティングで患者さんに出会ったとしても、エビデンスを意識して最適な診療をできるようになる一冊 である!

まとめると、本書はセッティング別の救急診療について、深く学ぶことができる救急診療に従事する医師すべてにおすすめの一冊です。

この一冊を通じて学ぶことで、

今後どんなセッティングで患者さんに出会ったとしても、エビデンスを持って素早く対応できるようになります!

今後の学びや業務をより良いものにしたい方には是非手にとっていただきたい一冊です◎

以下に要点や基本事項をまとめましたので、

購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇

【基本情報】

タイトル:救急対応のエビデンス・エクスペリエンスをぎゅうっとまとめました

著者:坂本 壮先生

出版社:メジカルビュー社

発行年月日:2024年10月3日

ターゲット層は、

救急診療に携わるすべての医師

初期研修医から専門医まで幅広いステージで活躍する救急医

推定読了期間

全体を通読する場合は1~2週間(10時間程度)

【本書の特徴】

●セッティング別の具体的な解説

●豊富なCQ(約100個)の実践的な解答

【本書で学べること】

●エビデンスと現場での経験を融合した診療・判断のポイント

●各診療現場に合わせた、リアルな課題を掘り下げたテーマ

●Walk-in患者に紛れた危険な兆候を見のがさないためのTips

【評価】

必要性:

本の薄さ:

わかりやすさ:

面白さ:

継続使用度:

オススメ度:

※Amazon評価:

【本書のおすすめの読み方・活用方法】

●目次を活用し、悩んだ経験のあるトピックから読み進める。

●シミュレーション形式で症例を追体験しながら読む。

●勤務先の環境に合ったセッティングを中心に学ぶ。

●各セッティングを超えて、横断的な視点を持ちながら内容を整理する。

【本書のまとめ】

本書はどのようなセッティングで患者さんに出会ったとしても、エビデンスを持って素早く対応できるようになる一冊 である!

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