足関節の捻挫や骨折などで、救急外来でも処置されることが多いシーネ固定。
いざしようと思うと、準備を含めてあわててしまいがちですが、物品の準備から手順のちょっとしたことまでをわかりやすく、写真とイラストで解説します。
おそらく一度は皆さんがやったことのある処置だと思いますが、シーネ固定は意外と奥が深いです。うまく固定するためのコツやポイントもたくさん紹介しています。
ぜひイラストや写真を眺めながら、次の機会に備えて学んでいただけると嬉しいです👇
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以下、スライドの文章まとめです。URL等参考にしていただれば幸いです◎
シーネ固定の基本と効果
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固定で得られること 除痛 治療促進 局所での自由神経終末の 刺激を抑える 安静により新生血管ができやすくなり 白血球や血漿成分の供給が増える
シーネとギプスの使い分け
シーネ?ギプス? シーネ(splints) ギプス(casts) ⇨装着後に腫れても圧を逃がせる ⇨固定効果が高い 大まかな使い分け 四肢の膨張が予想される急性外傷期(受傷後3~4日間) ・・・ シーネ固定 強固な安定を必要とする長期固定 ・・・ ギプス固定
固定前に確認すべきこと 抹消循環 抹消動脈の触診、CRT、末端の色調や温かさなど、抹消循環不全の有無は? 整復の必要性 著しい転位はないか? 感染徴候 シーネで感染部位を覆うとさらなる感染の悪化に注意 切迫するコンパートメント症候群 シーネ固定により組織に圧力がかかり、血行障害による壊死に 糖尿病またはその他の神経障害 神経障害があるとシーネ固定により骨隆起の上に褥瘡が生じうる 糖尿病患者の場合、微小血管障害が悪化し皮膚症状をきたしうる 開放骨折 シーネ固定の前に洗浄やデブリ、場合によっては手術が必要
下肢のシーネ固定の種類
下肢のシーネ固定の種類 Posterior knee splint Posterior Ankle Splint Anterior-Posterior Ankle Splint U-Splint Bulky foot compression dressing Buddy taping まずこの方法をマスターする! 適応:足関節周囲の骨折・捻挫
ここからは下肢のシーネ固定の実際 〜Posterior Ankle Splint を例にして〜
シーネ固定の準備と手順
物品を準備する シーネ 弾性包帯 テープ 下巻き シーネを切るハサミ シーネを濡らす水
長さを決める 必要なシーネの長さを測る 腓骨神経麻痺を回避するため、 シーネは腓骨頭から4横指ほど 遠位まで 腓骨頭
下巻きを巻いていく 外回りに巻いていく (内反を防ぐ)
シーネを切る
シーネの長さ確認と巻き方
切ったシーネの長さを確認する
シーネを取り出し水に濡らす
シーネを元に戻し、その上から弾性包帯を巻いていく 白い面が患者側
足関節は8の字を描く ← 8の字のイメージ
巻き終わったらモールディングする 足関節の良肢位は90° 膝関節の良肢位は伸展位だが 足関節だけにシーネを巻く時には 膝関節は屈曲させる方が良い (足関節をしっかり屈曲させるため)
固定後の注意事項とケア
テープを貼って完成 縦に長いテープを貼るとずれにくい
固定後の注意事項 清潔で乾燥した状態を保つ 心臓より高い位置に挙上する(腫れを抑えるため) 神経麻痺や血行障害に注意する 褥瘡や感染に注意する
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