マムシ抗毒素の投与経路は添付文書に全部記載されているけれど,どれが正解?
ヤマカガシ咬傷はマムシと同じDICでしょ?
救急外来で遭遇する可能性のある毒に関わる外傷。
上記ような、少しマニアックな血清治療の悩みや、動物刺傷の疑問があるのではないでしょうか。
そんな疑問におすすめなのが、一二三亨先生よりご贈呈頂いたこちらの一冊です。
普段私自身も外傷診療で破傷風予防をすることも多く、改めて知識をアップデートしたいと手に取ってみたところ、面白くて週末に一日で一気に読了してしまいました!
本書を読むことで、
今後血清療法が必要な患者さんに出会ったとしても自信を持って対応することができます!
今回動物咬傷、動物刺傷の疑問点を解決するために読むべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇
これからご覧いただく医学書レビューは、
これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み、
その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている
ある救急科専攻医のレビューです。
医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、
是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!
1.本書のターゲット層と読了時間
【ターゲット層】
救急,集中治療,外科,皮膚科,小児科の先生方など
マムシ咬傷などのヘビ咬傷や,毒グモ咬傷,有毒海洋生物咬刺傷,破傷風をはじめ血清療法の診療にあたる方々
【推定読了期間】
5-6時間程度
です。
2.本書の特徴
本書は、一二三亨先生が執筆された、
【本書の特徴】
●臨床の悩みをベースに、血清療法に関する疑問を徹底的に解説
●お金や供給の話など、明日誰かに話したくなる知識を織り交ぜている
が特徴の一冊です。
本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをピックアップすると、このようになります👇
【本書で学べること】
●専門医試験でも扱われるニッチなテーマに関する知識
●教科書的な一般論に加えて、臨床で使われる実践的な手技・アクションプラン
これらは血清療法に関する疑問を持つ先生方にとっては知っておくべき大切な事項であると思います。
3.個人的総評
【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
本書の特徴はなんと言っても、血清療法に関する疑問を徹底的に解説している点です。
客観的事実をもとに、謎となぜを55個問題提起し、それらについてわかりやすく解説している本書。
例えば、一般の書籍では「抗毒素をとりよせる…」までで終わるところを、「現在日本のどこで保管しているのか?県による扱いの違いは?」などといったレベルまで深く追求しています。
また、超具体的なアクションプランまで提示している点も、他の書籍と一線を画しています。
学術書としての一般的かつ医学的な「血清製剤を取り寄せましょう。」という一般論で終わっている書籍が多いですよね。
しかし本書では、「実際に〇〇県でこの疾患の治療薬を取り寄せる場合にはどこにどんなふうに連絡を取ればいいのか」など、超具体的なアクションプランに落とし込んでいます。
このような「正解をまとめて記載した書籍」はこれまではありませんでした。
もちろん内容としても、個人的には、「めちゃくちゃニッチなテーマまで書いていて、読み応え抜群だな!」と感じた一冊でした。
専門医試験にも出てきた、ヤマカガシやマムシ咬傷から、クラゲ刺傷…
治療のエビデンスや抗毒素製剤の気になるお金・供給事情まで…
明日誰かに話したくなる知識がもりだくさんです。
血清療法という、多くの人々にとって苦手意識を持ってしまうテーマに対して読みやすい切り口で語っている本書は、もっと勉強してみたくなる、非常に魅力的に語りかけてくれる1冊となっています。
これらは本書の個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書は動物咬傷、動物刺傷の疑問点を解決し、血清療法をもっと好きになる一冊である!
と感じました。
4.おすすめの使い方・読み進め方
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
●時間がある人はまずは楽しみながらサラッと通読!
●時間がない人は遭遇する症例・興味のある分野をつまみ食い感覚で読んで見る
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!
個人的におすすめの使い方をご紹介します。
著者個人の意見としては、時間がある方は一度楽しく通読してみると面白いかと思います。
本書は全体を通して、血清療法の歴史から、臨床現場への応用まで流れがあります。
著者の論理展開や説得力に思わず引き込まれてしまうので、ぜひ没頭して読み進めてみてください。
時間があまりない方は、破傷風予防やヘビ咬傷など、自分がよく経験する症例の箇所から読み進めるのも良いでしょう。
そして、ERやICUに本書を一冊おいておいて、実際に日常診療に困ったときの答えがほしい時に本書を参照しましょう。
きっとあなたの疑問を解消し、豊富な知識を提供してくれるはずです。
その後は経験した症例の前後で読み直して復習し、そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。
5.まとめ
【本書のまとめ】
動物咬傷、動物刺傷の疑問点を解決し、血清療法をもっと好きになる一冊である!
まとめると、本書は血清療法について、楽しく深く学ぶことができる血清療法に関して少しでも疑問を持っている先生方におすすめの一冊です。
この一冊を通じて学ぶことで、
今後血清療法が必要な患者さんに出会ったとしても自信を持って対応することができます!
今後の学びや業務をより良いものにしたい方には是非手にとっていただきたい一冊です◎
以下に要点や基本事項をまとめましたので、
購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇
タイトル:今すぐ知りたい血清療法の実臨床 謎となぜ55
著者:一二三 亨
出版社:日本医事新報社
発行年月日:2023/11/20
ターゲット層は、
救急,集中治療,外科,皮膚科,小児科の先生方など
マムシ咬傷などのヘビ咬傷や,毒グモ咬傷,有毒海洋生物咬刺傷,破傷風をはじめ血清療法の診療にあたる方々
推定読了期間は
5-6時間程度
【本書の特徴】
●臨床の悩みをベースに、血清療法に関する疑問を徹底的に解説
●お金や供給の話など、明日誰かに話したくなる知識を織り交ぜている
【本書で学べること】
●専門医試験でも扱われるニッチなテーマに関する知識
●教科書的な一般論に加えて、臨床で使われる実践的な手技・アクションプラン
【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
●時間がある人はまずは楽しみながらサラッと通読!
●時間がない人は遭遇する症例・興味のある分野をつまみ食い感覚で読んで見る
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!
【本書のまとめ】
動物咬傷、動物刺傷の疑問点を解決し、血清療法をもっと好きになる一冊である!
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