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『急性腹症の診断レシピ: 病歴・身体所見・CT』 【画像初見に過度に振り回されない腹痛診療の指針を学ぶ!】

腹痛の患者さんで、CTでは明らかな異常所見がない。果たして帰宅させてもいいのだろうか?結構痛がっているけど…

CTで胆石がうつっていないから、胆石症ではないよね…?でも症状は胆石症っぽいな…。

私たちは腹痛患者さんの初期診療において、CTの画像所見に治療方針やdispositionを影響されることが非常に多いと思います。

私自身、専攻医になってから「CTである程度診断できるじゃん」と一時期たかをくくっていた時期もありました。

ですが、実臨床においてはCT画像だけで完結するほど単純な疾患ばかりではありません。

CT画像で明らかな異常所見がなかったため帰宅として、結果として患者さんの根治的な治療が遅れてしまった、という苦い経験をしたことがありました。

CT全盛期の今だからこそ、CT画像ばかりが先行してしまいがちです。

ですが、そのような画像診断だけを頼みとした診察ではこぼれ落ちてしまう患者さんを救うにはどのような思考回路で診療すべきなのか、またそのある程度体系だった診療の指針をどうやって後輩に指導すればいいのか、いつも悩んでいるところでした。

そんな時、このたび医学書院様からこのような腹痛診療の書籍をいただきました。

この書籍は救急外来で複数の患者さんを診察する際に知っておくべきエッセンスがすべて網羅されている実用的な一冊だと思います。

今回、救急外来における腹痛治療のエッセンス学ぶ、腹痛で困った際に読むべき必携の一冊である!として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇

 

これからご覧いただく医学書レビューは、

これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み

その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている

ある救急科専攻医のレビューです。

医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、

是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!

1.本書のターゲット層と読了時間

 

【ターゲット層】

救急外来で腹痛診療に従事するすべての研修医専攻医

腹痛診療について指導する機会の多い専門医

【推定読了期間】

7-8時間程度

です。

2.本書の特徴

本書は、窪田 忠夫先生が執筆された、

【本書の特徴】

●腹痛疾患に焦点を当てた解説を行う、腹痛疾患の専門書である

●逃してはならない疾患を念頭におき、各論や鑑別診断の進め方をしている

が特徴の一冊です。

本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをピックアップすると、このようになります👇

【本書で学べること】

●急性腹症に対する心構えやCTの使い方、その他急性腹症に関するエッセンス

●救急診療において大切なオンセットや基礎疾患、背景事象や年齢への理解

●CT画像と診察で考えるべき差異や見るべきポイント

これらは研修医の先生方にとっては今後どのような診療科に進んでも学んでおくべき大切な事項であると思います。

3.個人的総評

【評価】

必要性:

本の薄さ:

わかりやすさ:

面白さ:

継続使用度:[jinstar4.0 color=”#ffc32c” size=”16px”]

オススメ度:

※Amazon評価:[jinstar4.0 color=”#ffc32c” size=”16px”]

本書の特徴はなんと言っても、急性腹症に対する心構えから、CTの使い方、その他急性腹症に関する周辺知識まで、エッセンスが随所にちりばめられている点です。

救急診療において非常に大切なオンセットや基礎疾患、背景や年齢について、これだけ腹痛の中の疾患で言及している書籍はこれまでなかなか見たことがありません。

私自身、本書の考え方にはとても共感もでき、「たしかに現場ではこのような思考回路で考えているな」というのを改めて再確認することができました。

例えば、ついつい救急外来で診断してしまいがちな便秘症や急性腸炎など、いわゆる”ゴミ箱診断”に該当するようなものに対して、いかに診断名としてつけないか、という思考回路を深く学ぶことができました。

この書籍中のどの文章にも、腹痛の診断を行うために欠かすことのできない要素がたくさん詰まっていて、軽く読み飛ばすのはもったいないと感じるページばかりでした。

加えて、虫垂炎や下部消化管穿孔など、どのような症例でも最後まで見逃してはならないと念頭に置き続けねばならないという救急診療における原則を踏まえた解説が秀逸だと感じました。

逃してはいけない症例を念頭に置いた上での各論、フローチャートや鑑別診断の考え方をしている点に一貫性があり、すごく共感を持てるところでした。

また本書では、非常に実践的な知識を紹介しています。

例えば「急性腹症の3分割法」は覚えるべきポイントが絞られており、医療現場で明日から使える知識だなと感じました。

この方法では、急性腹症を「上腹部痛」「下腹部痛」「腹部全般痛」の3つのカテゴリーに分けて考えます。

それぞれで早期診断すべき重要疾患を、年齢、性別と基礎疾患からのアプローチ方法について解説されており、診察で得られる情報をもとにして重要疾患を考えていくことが、非常に役立つ知識だなと感じました。

その他、CT画像が診察に適している疾患とそうでない疾患、単純と造影の違い、そしてエコーに強い疾患と弱い疾患についても言及されており、それぞれの検査の特性について改めて考え直すことができます。

実際に臨床現場で悩ましい「CTの活用法」や「診断がつかない場合の考え方」についても解説されている点も、研修医の皆さんの不安を解消してくれるのではないでしょうか。

一方で、あくまで個人的な印象ではありますが気になった点としては、

あくまで急性腹症の診療の思考回路について語っている書籍ですので、「明らかな異常の画像所見」や「覚えておくべき画像所見」などを実際にCT画像などで勉強することはできない点が挙げられます。

この辺りは、画像診断に焦点を当てたその他の書籍で学ぶ必要があると感じました。

これらは本書の個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は

本書は救急外来における腹痛治療のエッセンス学ぶ、腹痛で困った際に読むべき必携の一冊である!

と感じました。

4.おすすめの使い方・読み進め方

【本書のおすすめの読み方・活用方法】

●まずは最低限の知識を押さえよう!

●目次を参考にさらっと通読して、どこに何が書いてあるかざっくり把握(付箋を貼るのも良いでしょう)

●興味のある事項を目次を通じてつまみ食い感覚で読んで見る

●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!

個人的におすすめの使い方をご紹介します。

著者個人の意見としては、

まずは最低限、研修医が知っておくべきエッセンスを押さえるところから始めるのがいいと思います。

本書は、最低限研修医が知っておくべき内容から話を進めた後で、鑑別診断のリストアップを年次に応じて、少しずつバージョンアップさせていくという構成になっています。

腹痛は考えるべき疾患が多く学ぶハードルが高いと思われがちではありますが、「これなら自分も、少しずつ腹痛診療のスキルをレベルアップさせていけるかもしれない…」という自信を感じることができるかと思います。

その後は、本書のレベルアップに従って、興味のある事項を少しずつ読み進めるのが良いかと思います。

その際、「鑑別疾患の優先順位が変わるシチュエーション別」に解説をされているので、それぞれ経験した時に読むととても参考になるかと思います。

そのため、一度さらっとすべてを通読しておいて、実臨床で経験したようなシチュエーションで読み進めたり、知識を深めたりするのが良いかと思いました。

私自身、一番最初に読んだだけではあっさりと読み飛ばしてしまっていたような文章に、後々その深さや大切さに思い知らされることが何度かありました。

本書にはエッセンスが散りばめられており、読めば読むほど大切な知識を余すことなく吸収することができます。

そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。

5.まとめ

【本書のまとめ】

本書は救急外来における腹痛治療のエッセンス学ぶ、腹痛で困った際に読むべき必携の一冊である

まとめると、本書は急性腹症について、わかりやすくかつ深く学ぶことができる本当におすすめの一冊です。

この一冊を通じて学ぶことで、

今後救急外来での、腹症に対する診断の自信をつけることができます。

今後の学びや業務をより良いものにしたい方には是非手にとっていただきたい一冊です◎

以下に要点や基本事項をまとめましたので、

購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇

【基本情報】

タイトル:急性腹症の診断レシピ 病歴・身体所見・CT

著者:窪田忠夫

出版社:医学書院

発行年月日:2023年2月

ターゲット層は、

救急外来で腹痛診療に従事するすべての研修医専攻医

腹痛診療について指導する機会の多い専門医

推定読了期間

7-8時間程度

【本書の特徴】

●腹痛疾患に焦点を当てた解説を行う、腹痛疾患の専門書である

●逃してはならない疾患を念頭におき、各論や鑑別診断の進め方をしている

【本書で学べること】

●急性腹症に対する心構えやCTの使い方、その他急性腹症に関するエッセンス

●救急診療において大切なオンセットや基礎疾患、背景事象や年齢への理解

●CT画像と診察で考えるべき差異や見るべきポイント

【評価】

必要性:

本の薄さ:

わかりやすさ:

面白さ:

継続使用度:[jinstar4.0 color=”#ffc32c” size=”16px”]

オススメ度:

※Amazon評価:[jinstar4.0 color=”#ffc32c” size=”16px”]

【本書のおすすめの読み方・活用方法】

●まずは最低限の知識を押さえよう!

●目次を参考にさらっと通読して、どこに何が書いてあるかざっくり把握(付箋を貼るのも良いでしょう)

●興味のある事項を目次を通じてつまみ食い感覚で読んで見る

●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!

【本書のまとめ】

本書は救急外来における腹痛治療のエッセンス学ぶ、腹痛で困った際に読むべき必携の一冊である!

 

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