この骨折は、整形外科の先生を起こしてでも緊急で診察してもらわないといけない骨折なのか…?
X-pで骨折がありそうだから固定が必要そうだけど、どんな風に固定すればいいんだっけ…?
これらは日々救急外来において骨折診療にあたる中で、感じる悩みや疑問であり、私自身も診断後のマネジメントを悩むことがありました。
この悩みを解消しようとして様々な本を読み漁っていたところ、この一冊に出会いました。
本書では、骨折患者へ網羅的な対応方法に加えて、
救急外来から整形外科に紹介するまでではなく、その後にどのようなマネジメントがされているのかを知ることができます。(何週間固定して、いつから荷重をかけてよいのかなど…)
そんな本書を読むことで、今後骨折患者さんに出会ったとしても自信を持って対応することができます!
今回、骨折患者さんの治療方法に少しでも不安がある時に読むべき一冊として、私が自信をもっておすすめするのがこちらです👇
1.本書のターゲット層と読了時間
【ターゲット層】
救急外来にやってくる軽症整形外傷のマネジメントについて網羅的に学びたい初期研修医、専攻医
骨折患者の初期対応に不安のある全ての医師
【推定読了期間】
12-14時間程度
2.本書の特徴
本書は、仲田 和正先生が監修された、
【本書の特徴】
- 40種類と、ほとんどの骨折症例に対応できる図解付きの骨折を扱っている
- 骨折のマネジメントを“緊急度“の観点から分類し、解説してくれている
が特徴の一冊です。
本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをピックアップすると、このようになります👇
【本書で学べること】
- 骨折患者さんの治療後のマネジメントの方法
- あらゆる骨折に対する初期対応の方法
- 骨折症例の重症度の見分け方
これらは整形外科を志す研修医の先生方だけでなく、骨折患者さんの初期対応する可能性のあるすべての先生方にとって、学んでおくべき大切な事項であると思います。
3.個人的総評
【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:[jinstar5.5 color=”#ffc32c” size=”16px”]
オススメ度:
※Amazon評価:
本書の特徴はなんと言っても、あらゆる骨折で非専門医がすべき最初の対応を調べることができる、という情報量の多さにあります。
豊富な図表を使ってくださっているのでスイスイ読み進められます。
また、数多くの画像や解剖図が掲載されており、とりあえずの対応を調べるだけでなく経験した骨折をもとに解剖学的な知識も学ぶことができます。
当座凌ぎの対応法だけでなく解剖学的な知識を持つことができる為、骨折への対応を丸暗記するのではなく「どうしてその固定をするのか」といった視点で理解を伴って勉強することができる点が、本書ならではのメリットだと感じました。
さらに、出会う頻度の高い骨折には、“初期評価や紹介のタイミング”などの具体的なアクションプランがひと目でわかる一覧表がまとめられています。
特に“緊急度の視点で見た骨折の分類”ついては目から鱗の内容ばかりでした。
具体的には、本書ではプライマリ・ケアと救急医療の現場における骨折診療における総論を学んだあとに、手指骨や大腿骨などそれぞれの領域での骨折のマネジメントを緊急度ごとに解説してくれています。
総論で基本の考え方を学んだ上で各症例の緊急度を知っておくことは、急いで対応しなければならない症例に出会った際に、素早く思考することができる点で非常に有効です。
一方で本書において注意すべきだと感じた点としては、
基本的に辞書代わりとして参照することを想定されているため、通読には向いていないということです。
ほとんどの症例に対応できる情報量を誇っている反面、はじめから読み進めてゆく読み方は向いていないと感じました。
この点については少しだけ配慮した上で一度手にとっていただければと思いました。
以上をまとめると、自分は
本書は“骨折対応に少しでも不安がある先生方を導く、骨折対応ガイドブックと呼べる一冊である!”
と感じました。
4.おすすめの使い方・読み進め方
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
- まずは、骨折診療の根幹をなす思考回路をまとめた概論は通読!
- その後は経験した症例の前後で対応例を読み直して復習!
個人的におすすめの使い方をご紹介します。
本書は総論と症例ベースの解説に分かれた構造となっています。
そして、本書の総論はどんな骨折診療にも生かすことのできる思考回路がまとめられているため、まずはしっかりと通読しましょう。
総論を読んだ後は、救急外来で経験した骨折はその都度本書を読んで対応を調べましょう。
それに加えて解剖学的な考察も合わせて読んで知識を深めていくと、“理解を含めた骨折対応”ができるようになるかと思います。
私自身は、普段外勤で勤務させていただいている整形外科の開業医の初診外来で、本書を何度も参照して診療を行いました。
私なりの工夫ですが、「経験した症例よりも、より重症だった場合はどうなるのか」をイメージしながら読むと、今後の診療につながると感じました。
また、私が救急外来で骨折を見ていた時はその後のフォローをあまり意識していませんでした。
より詳しく学びたい方は本書を用いて、画像評価の頻度やマネジメントも合わせて読むといいと思います。
5.まとめ
【本書のまとめ】
本書は骨折診療を行う可能性のあるすべての先生方にとってまず読むべき参考書の一つである!
本書は、骨折診療を網羅的にまとめた、骨折診療の初期対応バイブルある!
まとめると、本書は骨折診療について、網羅的かつ深く学ぶことができる本当におすすめの一冊です。
この一冊を通じて学ぶことで、「どれくらいの緊急度かわからない…」といった骨折患者さんに出会ったとしても自信を持って対応することができます!
今後の学びや業務をより良いものにしたい方には是非手にとっていただきたい一冊です◎
以下に要点や基本事項をまとめましたので、
購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇
【基本情報】
タイトル:救急/プライマリ・ケアの骨折診療スタンダード 原著第4版
著者:仲田和正/監,舩越 拓,吉田英人/翻訳,M. Patrice Eiff,Robert L. Hatch/編
出版社:羊土社
発行年月日:2022/03/04
【ターゲット層】
救急外来にやってくる軽症整形外傷のマネジメントについて網羅的に学びたい初期研修医、専攻医
骨折患者の初期対応に不安のある全ての医師
【推定読了期間】
時間程度
【本書の特徴】
- 40種類と、ほとんどの骨折症例に対応できる図解付きの骨折を扱っている
- 骨折のマネジメントを“緊急度“の観点から分類し、解説してくれている
【本書で学べること】
- 骨折患者さんの治療後のマネジメントの方法
- あらゆる骨折に対する初期対応の方法
- 骨折症例の重症度の見分け方
【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
- まずは、骨折診療の根幹をなす思考回路をまとめた概論は通読!
- その後は経験した症例の前後で対応例を読み直して復習!
【本書のまとめ】
本書は骨折診療を行う可能性のあるすべての先生方にとってまず読むべき参考書の一つである!
本書は、骨折診療を網羅的にまとめた、骨折診療の初期対応バイブルある!
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