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【レビュー】救命救急24 最重症例から学ぶ現場の思考【3次救急の現場に徹底フォーカスした一冊です】

輸液を始めたけど血圧が上がってこない…どうしよう…。

意識障害あるし気管挿管が必要かもしれない…でもどのタイミングで実施しようか…?

救急外来で重症患者さんの診療に直面した場面では、悩ましいことがたくさんあります。

刻一刻と変化するバイタルサインや臨床所見を参考に、迅速に判断しなければなりません。

ただ、こういった重症症例を経験する数は決して多くなく、診療指針を学ぶことが出来る機会も限られてしまいます。

重症患者さんの初期診療について学びたいと思い、様々な本を読み漁っていたところこの一冊に出会いました。

本書を読むことで

救急外来で重症症例に直面しても自信を持って対応することが出来るようになります!

今回重症患者さんの初期診療に悩む先生方にオススメの一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇

 

これからご覧いただく医学書レビューは、

これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み

その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている

ある救急科専攻医のレビューです。

医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、

是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!

 

 

 

1.本書のターゲット層と読了時間

 

【ターゲット層】

救急医を志す初期研修医から後期研修医

【推定読了期間】

4-5時間程度

です。

2.本書の特徴

本書は、宮崎 紀樹先生が執筆された、

【本書の特徴】

●最重症患者が搬送される3次救急の現場では刻一刻と変化する状況のなか、いかなる思考過程で救命に導くのかを垣間見ることができる

●3次救急の現場でいかに頭を使い、行動に移すかにフォーカスを当てた、リアルな時間軸のなかでの「救急医の頭の使い方」を学ぶことができる

一部引用)救命救急24 最重症例から学ぶ現場の思考 | 宮崎 紀樹 |本 | 通販 | Amazon

のが特徴の一冊です。

3次救急病院の救命センターに搬送されてくる前から、初期診療、治療介入後までの時間経過をリアルタイムで追体験できる、まさに24シリーズを彷彿とさせる一冊です。

来院後様々な所見が少しずつ判明する中でするべき処置や思考が記載してあり、3次救急の現場を追体験しながら学ぶことができます。

本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをまとめると、このようになります👇

【本書で学べること】

●三次救急での病歴を聞いて想起すべき鑑別疾患と具体的なアクションプラン

●変化する症例の経過を予測して次の治療計画を立てる思考回路

これらは救命救急の現場に重きを置いて従事することを目指す医師にとっては学んでおくべき大切な事項ばかりだと思います。

3.個人的総評

【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:

本書で特筆すべきはやはり圧倒的な臨場感でしょう。読み物としても面白く展開も早いため、空き時間に読み進めるのに最適な一冊です。

本のページ数も多すぎる事なく完結にまとまっているので、苦痛を感じることなく通読することができます◎

各々の症例には3次救急でのたくさんのエッセンスが詰まっているので、読者側としては教訓の内容に重み付けをしながら読み進めることが出来ました。

本書の中で登場する救急科の後期研修医が陥ってしまうピットフォールもとてもリアルで、私自身に重ねて読み進めることが出来ました。

それらの陥りやすいミスに対する改善点も指摘してあり、そこも大変勉強になりました。

中でも、実際にAシースを取るタイミングやVA-ECMOを考慮するタイミングはとても参考になります。日々悩みながら診療にあたっている先生方には是非一読してみていただきたいです!

僕自身のオススメ度が高いのは総評を見ていただければわかるとは思いますが、何よりアマゾンの評価の高さが本書の素晴らしさを物語っています。

一方で本書において注意すべきだと感じた点としては、初期研修医1年目にとってはかなり高度な内容も多いため、理解するのが難しそうだという点です。

私自身、初期研修医のときに初めて手に取ったのですが、かなり難しいと感じたため後期研修医になってから改めて読み直しました。

あくまで個人的な印象ではありますが、想定読者層としては救命センターにある程度従事した、若手の救急科後期研修医が最適だと感じました。少し難易度は高めであることを配慮した上で一度手にとっていただければと思いました。

これらは本書の個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は

本書は超重症の内因性3次救急診療を学ぶ上で最適の一冊ある!

と感じました。

4.おすすめの使い方・読み進め方

【本書のおすすめの読み方・活用方法】

まずは空き時間などを活用しさっと通読!

●一度読み進めてまとめを読んだ後に、改めて各症例の時間経過を振り返る!

個人的におすすめの使い方をご紹介します。

著者個人の意見としては、本書はとても通読に適したボリューム感なので、まずは空き時間や隙間時間を使って通読することを推奨します。

その後は、それぞれの症例のエッセンスをまとめた内容を確認し、理解を深めた段階で改めて時間経過を追ってみましょう。なぜこのタイミングで気管挿管を行っているのか、なぜ左ではなく右にシースを取っているのかなど…読めば読むほどまったく無駄のない初期診療であると痛感できるはずです。
本書を読んだ後は、今後自分が経験した重症症例を実際に時系列に並べてみて、どこの時間を短縮できたかや順番が適切であったかを検討するようにしています。本書を参考に日々の臨床で学んだ症例をフィードバックする癖を身につけていくとよいでしょう!

5.まとめ

【本書のまとめ】

本書は内因性の3次救急診療を学ぶ医師にとって必須の参考書の一つである!  

まとめると、本書は重症症例の初期対応について、深く学ぶことができる救急医を志す若手医師には本当におすすめの一冊です。

この一冊を通じて学ぶことで、

今後重症症例の初期対応をするチャンスが訪れた時に自信を持って取り組むことができます!

今後の学びや業務をより良いものにしたい方には是非手にとっていただきたい一冊です◎

以下に要点や基本事項をまとめましたので、

購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇

【基本情報】
タイトル:救命救急24 最重症例から学ぶ現場の思考 単行本
著者:宮崎 紀樹 
出版社:中外医学社
発行年月日: 2018/11/12

【ターゲット層】

救急医を志す初期研修医から後期研修医

【本書の種類】

通読系・症例ベース

【推定読了期間】

4-5時間程度

【本書の特徴】

●最重症患者が搬送される3次救急の現場では刻一刻と変化する状況のなか、いかなる思考過程で救命に導くのかを垣間見ることができる

●3次救急の現場でいかに頭を使い、行動に移すかにフォーカスを当てた、リアルな時間軸のなかでの「救急医の頭の使い方」を学ぶことができる

【本書で学べること】

●三次救急での病歴を聞いて想起すべき鑑別疾患と具体的なアクションプラン

●変化する症例の経過を予測して次の治療計画を立てる思考回路

【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:

【本書のおすすめの読み方・活用方法】

まずは空き時間などを活用しさっと通読!

●一度読み進めてまとめを読んだ後に、改めて各症例の時間経過を振り返る!

【本書のまとめ】

本書は内因性の3次救急診療を学ぶ医師にとって必須の参考書の一つである!

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