腹痛診療は消化器疾患だけではなく、循環器疾患や婦人科疾患など考えうる可能性が多く、判別が難しい…
腹痛の主訴で来院された患者さんと対診した時、具体的に何を考えれば良いだろうか…?
これらは、外来診療にて日々多くの腹痛患者と接する中で感じる悩みや疑問点であり、私自身もこの悩みを解消しようとして様々な本を読み漁っていたところ、この一冊に出会いました。
本書を読むことで、腹痛診断を体系的に学ぶことができます。
私が本書を手に取ったきっかけは、
腹痛診療は、単純な消化器疾患だけではなく、鑑別が循環器疾患や婦人科疾患、そして皮膚科の疾患など多岐にわたるため、常々難しいと感じており、“腹痛診療への苦手意識”があったからです。
苦手なだけでなく、「腹痛の患者さんをERで初期対応したが、先輩医師にコンサルトした結果、自分が思い描いていた疾患とは大きく異なる確定診断がついていた」ことが多々あり、腹痛診療への実力不足を感じていました。
そのため、
外科にコンサルとする前に最低限評価しておくべきこと
や
帰宅可能と判断するにはどのような情報がそろっていればいいのか、必要なのか
など、腹痛診療における基本的な思考回路を改めて勉強したいと思い、本書を手に取ってみたのです。
本書を読むことで今後、腹痛で来院する患者さんを診療する際のストレスは激減するかと思います。
腹痛診療に自信をつけるために読むべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇
これからご覧いただく医学書レビューは、
これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み、
その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている
ある救急科専攻医のレビューです。
医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、
是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!
1.本書のターゲット層と読了時間
【ターゲット層】
腹痛診療を日常的に経験する初期研修医、専攻医
腹痛診療に自信のない医師
【推定読了期間】
10-12時間程度
【役割・分類】
辞書系 目次系
2.本書の特徴
本書は、窪田 忠夫先生が執筆された、
【本書の特徴】
- 検査よりも、診断方法に重きを置いた腹痛患者への対処法を解説
- 筆者の経験に裏付けられた、具体的な方法論を説明
が特徴の一冊です。
本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをピックアップすると、このようになります👇
【本書で学べること】
- 腹痛診療の総論について、問診や身体診察などそれぞれの項目において大切な項目
- それぞれの疾患ごとの具体的なdispositionの決定方法や治療方針
- 「この症状がこれくらいあるときは●●を疑う…」といった、超具体的な診療のパール
これらは、内科診療を行う可能性のある先生方にとっては、今後多くの腹痛患者に対応するために学んでおくべき大切な事項であると思います。
3.個人的総評
【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
本書の特徴はなんと言っても、“腹痛診療の理論と実践方法を一冊にまとめ上げている”という点に尽きるでしょう。
私が診療の際に役立つと感じる例を紹介すると、
- 腹痛の病歴聴取のポイント6つ
…発症様式の具体的な聴取方法・食事歴の具体的な聴取方法など
- 腹痛の具体的な身体診察方法
…反跳痛の所見の取り方、鼠径部の評価方法、具体的な直聴診の方法など
- 病歴や所見から考える鑑別診断や、disposition決定のための具体的な思考回路
- 各疾患を疑った時の治療や管理についての各論
などが挙げられます。
このように、腹痛診療について、診療の方法論から具体的な症例まで掲載しています。
本書は“腹痛診療のバイブル”とでも言えてしまうほどだと感じました。
これらの項目を学ぶことで、
・「腹痛の患者さんと対診した時の、具体的な診療のマインドは何なのか」
や
・「目の前の腹痛患者さんは造影CTが必要な状態なのか」
といった腹痛診断に不慣れなうちに感じる疑問点から、
・「妊婦など、造影CTを撮影しにくい状況での腹部検査はどうすればいいのか」
や
・「目の前の病歴や症状を持っている患者さんで、最低限鑑別しておかないといけない腹痛疾患は何か」
といった、時に遭遇しうるが困ってしまいやすい症例にも対処する参考になることでしょう。
まとめると、本書では“腹痛診療”の理論と実践方法、さらには具体例まで学ぶことができます。
本書を一度通読して腹痛診療について学んだ後では、半年後や一年後はもちろん、今後医師として診療に当たる上で一生活用することができるかと思います。
さらに本書の強みについて紹介します。
それは、
最新のエビデンスはもちろん、著者の先生の長年の実臨床経験に基づく、「この症状がこれくらいあるときは●●を疑う…」といった、超具体的な診療のパールを学ぶことができる
という点です。
これはほかの書籍にはない、本書の強みであると思いました。
筆者の経験に裏付けされた強気の主張であり、腹痛診療の業務を日常的に経験する医師、腹痛診療に自信のない医師にとっては心強い後ろ盾となってくれることでしょう。
僕自身のオススメ度が高いのは総評を見ていただければわかるとは思いますが、何よりアマゾンの評価の高さが本書の素晴らしさを物語っていますよね…!
4.おすすめの使い方・読み進め方
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
- 腹痛診療の総論についてまずはしっかりと読みこむ
- 臨床で経験したそれぞれの疾患を、その都度読み込んで復習
- その後は本書を参考に、専門科の先輩医師に質問する
個人的におすすめの使い方をご紹介します。
著者個人の意見としては、腹痛診療の総論についてまずはしっかりと読みこむことが大事だと思います。
ここだけで60ページもの分量であるため、最初にこの基本を徹底的に頭に叩き込むことが腹痛診療の理論を学ぶ上で非常に大切だと感じました。
その後は、臨床で経験したそれぞれの疾患を、その都度読み込んで復習しましょう。
各論や各疾患を入れると400ページを超えるかなりの分量であるため、通読しても頭に残りにくそうだと感じたからです。
記憶に残りやすくなるため、疾患に出会ったその都度復習をすることがおすすめです!
復習のポイントですが、症例に出会うたびに
- 実臨床ではこのようなdispositionとなったが、教科書上はほかにどのような選択肢があるのかを確認する
- さらに今回の症例の経過が本当に理想的な経過なのかを、本書で照らし合わせて確認していく
という作業が最も勉強になると感じました。
また本書の内容は外科視点の専門的な内容も多いため、正直自分で読むだけでは知識を深めることは難しいと感じる部分も多々ありました。
そのため学びを深めるためには、この本で学んだことを利用しつつ、先輩など専門科の先生方に改めて質問を投げかけてみるのも良いかと思います。
5.まとめ
【本書のまとめ】
本書は腹痛診療が苦手な研修医・専攻医にとって必須の参考書の一つである!
本書は腹痛診療のバイブルである!
まとめると、本書は「腹痛診療のイロハ」について、わかりやすく、さらに深く学ぶことができる本当におすすめの一冊です。
この一冊を通じて学ぶことで腹痛診療の“理論から実践までを”幅広く学ぶことができるため、今後腹痛診療にあたる際のストレスは激減します。
“腹痛診療のバイブル“を携えて、自信を持って腹痛診療ができるよう学んでいきましょう!
以下に要点や基本事項をまとめましたので、
購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇
【基本情報】
タイトル:ブラッシュアップ急性腹症 第2版著者:窪田 忠夫
出版社:中外医学社
発行年月日:2018/11/22
【ターゲット層】
腹痛診療を日常的に経験する初期研修医、専攻医
腹痛診療に自信のない医師
【推定読了期間】
10-12時間程度
【役割・分類】
辞書系 目次系
【本書の特徴】
- 検査よりも、診断方法に重きを置いた腹痛患者への対処法を解説
- 筆者の経験に裏付けられた、具体的な方法論を説明
【本書で学べること】
- 腹痛診療の総論について、問診や身体診察などそれぞれの項目において大切な項目
- それぞれの疾患ごとの具体的なdispositionの決定方法や治療方針
- 「この症状がこれくらいあるときは●●を疑う…」といった、超具体的な診療のパール
【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
- 腹痛診療の総論についてまずはしっかりと読みこむ
- 臨床で経験したそれぞれの疾患を、その都度読み込んで復習
- その後は本書を参考に、専門科の先輩医師に質問する
【本書のまとめ】
本書は腹痛診療が苦手な研修医・専攻医にとって必須の参考書の一つである!
本書は腹痛診療のバイブルである!
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