患者さんのSpO2が90%と低いけどなんだかしんどくなさそうだ…これって大丈夫?
お腹をすごく痛がっているけど、NBP収縮期150くらいだし、痛み止め出して帰宅させてもいいのかな…?
救急外来には、日々様々な患者さんが来院されます。
上に上げた2つはERで後輩や同僚と仕事をする中で実際に経験した症例であり、
バイタルサインの解釈は本当に難しいなと日々感じます。
私自身も、研修医の時にバイタルサインの解釈を見逃して、
怖い思いをしたことがありました。
バイタルサインをもっと体系的に漏れなく評価できるようになりたい!
そんな思いで様々な本を読み漁っていたところ、この一冊に出会いました。
本書を読むことで
今後、救急外来で一見安定している重篤な患者さんを見逃さないよう、自信を持って対応する事ができます!
また、疾患ごとの具体的な治療介入に頼らない、バイタルが大きく崩れている患者さん初期対応や最初の原因検索を行うことが出来るようになります!
今回救急外来でのバイタルサインの解釈を学ぶ際に読むべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇
これからご覧いただく医学書レビューは、
これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み、
その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている
ある救急科専攻医のレビューです。
医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、
是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!
1.本書のターゲット層と読了時間
【ターゲット層】
初期研修医、研修医の指導に当たる後期研修医や上級医
【推定読了期間】
8-9時間程度
です。医師向けの本ではあるのですが、バイタルをとるすべての医療者にオススメです。
2.本書の特徴
本書は、救急医学会公認のバイタルサインの解釈について学ぶプロバイダーコース(CPVS)の生みの親である、入江先生が執筆された、
【本書の特徴】
●症状と急性のバイタル異常値を参考に本当にヤバい生命兆候(ヤバイタル)を見抜けるようになる一冊
●20の症例をもとに、異常値から診断に迫っていく考え方をトレーニングしていく実践書
が特徴の一冊です。
本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをピックアップすると、このようになります👇
【本書で学べること(目次を参考に)】
I 臨床医療におけるバイタルサインの意味/バイタルサインとは
II バイタルサインの生理学的解釈の考え方
III カテコラミンリリースを疑うサインとショックの考え方
IV 単独で鑑別が必要なバイタルサインの考え方
これらは研修医の先生方にとっては、今後どのような診療科に進んでも学んでおくべき大切な事項であると思います。
都会の病院でも、田舎の病院でも必ずバイタルサインは評価しますので、この一冊を通じて学ぶことで今後どのような病院で働いても自信を持って患者さんをアセスメントできるようになりますね。
3.個人的総評
【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
本書の特徴はなんと言っても、バイタルサインの評価と解釈に特化されているということ!
これまで経験してきた、複雑な病態は何が起きているのか、症状や検査所見に振り回されることなくバイタルサインをベースに解釈すれば、解明できることを知り感動しました。
中でも、本書に特徴的なバイタルサインの病態である、カテコラミンリリースを知ることで、日々の診療で見逃していた異常の把握や、原因のわからないバイタル異常をしっかりと解釈できるようになります。
この概念を知ることができれば、日々の臨床がもっと楽しくなるのでぜひ読んで学んでいただければと思います。
しかも、バイタルサインだけではなく身体所見についても詳しく解説がありますので、
患者さんを評価するたくさんの武器を身に付けることが出来るようになります。
特に前傾・後傾起座呼吸や、頚静脈怒張の内容については目から鱗の内容ばかりでした。
後半は、具体的な症例を一つずつ確認しながら勉強を進めていけるため、より実践的な知識を学べるんです。実際に救急外来にこんな患者さんが来たら…と想定しながら読み進められたら、より深い学びを得られること間違いなしです。
僕自身のオススメ度が高いのは総評を見ていただければわかるとは思いますが、何よりアマゾンの評価の高さが本書の素晴らしさを物語っていますよね…!
これらは本書の個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書は実践的なバイタルサインや身体所見についての勉強をしたい方は必読の一冊である!
と感じました。
4.おすすめの使い方・読み進め方
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
●これまで悩んだ診療を思い出しながらまず通読!
●患者さんを診察する時に重要な数値や概念を自分なりにノートなどにまとめてみる
●その後は経験した症例の前後でそのノートを読み直して復習!
●興味があればCPVSにも参加!
個人的におすすめの使い方をご紹介します!
その後は、今後患者さんを診察するにあたって必要になる概念や数値を、すぐに確認できるよう自分なりにノートなどにまとめてみることをおすすめします。
そしてその後は、経験した症例の前後で読み直して復習しておきましょう!
そして、特に推奨したいのが本書を持参した上でCPVSを受講することです。
ちなみにですが、私がおすすめ度をあえて満点としていないのは、実際にこの本をベースに定期的に開催されている、CPVSを受講していただいたほうがより理解が進むため、CPVSに参加することを合わせて完成すると感じたからなのです。
興味がある方は、WebでCPVSと検索するとHPやFacebookページで詳細を知ることができますので、ぜひ調べてみてください。
感染状況の影響もあって、現在はオンライン開催されているため、場所を選ばず参加することもできますよ。
5.まとめ
【本書のまとめ】
本書は実践的なバイタルサインや身体所見についての勉強をしたい方は必読の一冊である!
まとめると、本書はバイタルサインの解釈について、わかりやすく、そして深く学ぶことができる研修医を中心とした医療従事者には本当におすすめの一冊です。
この一冊を通じて学ぶことで、
今後救急外来で重症患者さんを診察するような機会がが訪れた時に、
自信を持って取り組むことができます!
今後の学びや業務をより良いものにしたい方には是非手にとっていただきたい一冊です◎
以下に要点や基本事項をまとめましたので、
購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇
【基本情報】
タイトル:バイタルサインからの臨床診断 改訂版
著者:入江聰五郎 (著) 宮城征四郎 (監修)
出版社:羊土社
発行年月日:2017/3/13
【ターゲット層】
初期研修医、研修医の指導に当たる後期研修医や上級医
【本書の種類】
通読系・症例ベース
【推定読了期間】
8-9時間程度
【本書の特徴】
●症状と急性のバイタル異常値を参考に本当にヤバい生命兆候(ヤバイタル)を見抜けるようになる一冊
●20の症例をもとに、異常値から診断に迫っていく考え方をトレーニングしていく実践書
【本書で学べること(目次を参考に)】
I 臨床医療におけるバイタルサインの意味/バイタルサインとは
II バイタルサインの生理学的解釈の考え方
III カテコラミンリリースを疑うサインとショックの考え方
IV 単独で鑑別が必要なバイタルサインの考え方
【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
●これまで悩んだ診療を思い出しながらまず通読!
●患者さんを診察する時に重要な数値や概念を自分なりにノートなどにまとめてみる
●その後は経験した症例の前後でそのノートを読み直して復習!
●興味があればCPVSにも参加!
【本書のまとめ】
本書は実践的なバイタルサインや身体所見についての勉強をしたい方は必読の一冊である!
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