胸痛の患者さんが搬送されるけど、まず何から鑑別をつけようか…?
溺水の患者さんが5分後に搬送される…何を気をつけて初期診療を行うべきだろう…?
急性膵炎っぽいと診断はつけられたけど、コンサルトする前にまとめるべき重症度分類のチェック、専門科が来るまでに対応しておかないといけないことって何だっけ…?
これらは日々当直中に後輩や同僚と仕事をする中で感じる悩みや疑問点です。
私自身、研修医時代はもちろん、救急科当直として勤務している今も夜間には悩むこと、確認しなければならないことばかりです。
これらの悩みを解消するために、さっと情報を参照できるハンドブックはとても有用ですよね。
これまで、様々なハンドブックを読み漁ってきた医学書オタクの自分ですが、今回はこれまで読んだ中で最も使いやすくおすすめのハンドブックに出会ったのでご紹介させていただきます◎
本書を読むことで
今後当直業務中のストレスは激減します!
また、それぞれの疾患に対するポイントをすぐに把握できるので、専門科にコンサルトする時に良好なコミュニケーションを取ることができます!
今回当直業務中に必ず携帯しておくべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇
これからご覧いただく医学書レビューは、
これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み、
その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている
ある救急科専攻医のレビューです。
医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、
是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!
1.本書のターゲット層と読了時間
【ターゲット層】
初期研修医から後期研修医
【推定読了期間】
10-12時間程度
です。
2.本書の特徴
本書は、志賀隆先生が編集され、各項目についてご高名な先生方が執筆された、珠玉の救急外来や病棟管理のハンドブックです。
【本書の特徴】
●当直や救急外来で経験するイベントや臨床疑問を2分で解決し対処できることを目標に構成されている
●総勢504ページにわたる情報が網羅的に掲載されており、当直中のほぼすべての疑問に関して対応できる
のが特徴の一冊です。
3.個人的総評
【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
本書の特徴はなんと言っても、当直中の疑問をほぼ全て解消できる圧倒的網羅性です!
何より、本書の解説は初学者にとっても短時間ですぐに理解しやすいようわかりやすく書いてくださっているので、とても実践的です。
常に毎年アップデートされるハンドブックであり、最新のエビデンスや鑑別方法が掲載されているので、もやもやしてしまうことも少ないです。
(個人的には、多くのハンドブックでめまいの鑑別に関して、よく中枢性と末梢性のめまいに分類しろと記載されていることが多く、もやもやしてしまっていました…本書ではしっかりと新しい分類方法と鑑別の手順が記載されています!)
また、個人的に他のハンドブックと大きく異なる良いポイントとしては、
それぞれのシチュエーションに対応できるようになるのはもちろん、最新の医学知識や思考回路をエビデンスに基づいて掲載いただいているので、それぞれの症候や疾患に対応したあとの振り返りやフィードバックにも利用できる!
ことが挙げられると思います。
例えば入院患者さん発熱時の解熱に関して、多くハンドブックでは解熱剤の具体的な投与量についての言及にとどまるのに対して、本書ではしっかりとその適応についても言及されています。
ハンドブックで省略されがちな思考回路やそもそもの適応についても合わせて学ぶことができるので、その場しのぎのための一冊というよりも実践的かつ現在のエビデンスに即した思考回路まで身につけることができるのがいいと感じました。
一度通読してある程度当直中の対応について学んだ後でも、今後医師として当直業務に当たる上で一生活用することができる一冊なのではないでしょうか。
僕自身のオススメ度が高いのは総評を見ていただければわかるとは思いますが、何よりアマゾンの評価の高さが本書の素晴らしさを物語っていますよね…!
以前の改定前の、あくまで個人的な印象ではありますが気になった点としては、
電解質異常のアセスメントや対応についてはひとくくりにされており、当直中に対応するシチュエーションが多い割には少し心もとない印象を感じました。
しかし、電解質領域や外傷領域などの内容拡充のため、初版刊行後1年という短かいインターバルで2022年版に改訂されて以降は、これらの内容はとても充実していると感じました!
ハンドブック系では手薄となりやすい、中毒診療まで詳しく解説されており、非常に網羅性の高い一冊へとさらに進化していると感じました…!
一方で、ハンドブックという医学書の性質上、図表の掲載が決して多いとは言えないので、画像診断や概念の理解のためには、それぞれの分野の成書や入門書をしっかりと読んでおくことをおすすめします◎
それらの気になる点を考慮しても、圧倒的におすすめのハンドブックなので、おすすめ度は満点とさせていただきました。
これらは本書の個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書は当直業務にあたる研修医・若手医師必携の一冊である!
と感じました。
白衣のポケットに忍ばせる一冊は本書で決まりです◎
4.おすすめの使い方・読み進め方
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
●どこにそれぞれの分野が掲載されているは把握するため、目次を参考にしながらまず通読!
●実用的、すぐに参照できるようにしておきたい箇所については付箋などを貼って整理しておく
●その後は当直帯に経験するシチュエーションの前後で読み直して復習!
個人的におすすめの使い方をご紹介します!
著者個人の意見としては、まずはしっかりと目次を読み込んで、どこにどのような分野の情報がまとまっているかを把握します。
そして、それぞれのページを一度通読し、それぞれの症候や疾患のポイントを知っておきましょう。さっと参照できるように付箋を貼っておくのもおすすめです!
その際には、これまで悩んだ診療を思い出しながら通読し、常に自分ならどのように対応していくかも想像力を膨らませながら学習をすすめるとより学びが深まると思います。
その後は経験した症例の前後で読み直して復習します!
やはり、個人的に最も効率的かつ忘れない学習方法としては、実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験することです。
初期研修医の先生方はこの本を上級医の元へ持っていきながら、実際に対応した症例の振り返りを持ちかけてみると良いでしょう。
一方上級医は、裏でこっそりと本書を参照した上で、後輩や研修医にフィードバックをすると頼れる先輩感を演出することができますね◎笑
5.まとめ
【本書のまとめ】
本書は当直業務にあたる研修医・若手医師必携の一冊である!
それぞれのシチュエーションに対応できるようになるのはもちろん、最新の医学知識や思考回路をエビデンスに基づいて掲載いただいているので、それぞれの症候や疾患に対応したあとの振り返りやフィードバックにも利用できる!
まとめると、本書は当直業務について、わかりやすく理解ができる一冊であり、救急外来という荒野で戦う若手医師にとっては本当におすすめの一冊です。
この一冊を通じて学ぶことで、
今後当直業務のリーダーや、ファーストタッチをする機会が訪れた時に自信を持って取り組むことができます!
今後の学びや業務をより良いものにしたい方には是非手にとっていただきたい一冊です◎
以下に要点や基本事項をまとめましたので、
購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇
【基本情報】
タイトル:当直ハンドブック ver.2
著者:志賀隆(編集)
出版社:中外医学社
発行年月日:2022/3/22
【ターゲット層】
初期研修医から後期研修医
【本書の種類】
辞書系・ハンドブック
【推定読了期間】
10-12時間程度
【本書の特徴】
●当直や救急外来で経験するイベントや臨床疑問を2分で解決し対処できることを目標に構成されている
●総勢504ページにわたる情報が網羅的に掲載されており、当直中のほぼすべての疑問に関して対応できる
●それぞれのシチュエーションに対応できるようになるのはもちろん、最新の医学知識や思考回路をエビデンスに基づいて掲載いただいているので、それぞれの症候や疾患に対応したあとの振り返りやフィードバックにも利用できる
【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
●どこにそれぞれの分野が掲載されているは把握するため、目次を参考にしながらまず通読!
●実用的、すぐに参照できるようにしておきたい箇所については付箋などを貼って整理しておく
●その後は当直帯に経験するシチュエーションの前後で読み直して復習!
【本書のまとめ】
●本書は当直業務にあたる研修医・若手医師必携の一冊である!
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