初期研修医になった瞬間、点滴の選択や流量を日々オーダーするという業務が発生します。
この輸液については国家試験でも総論的な内容は学ぶことはあっても、
具体的な思考過程を学ぶことは少ないのが現状です。
ER・ICUでの業務の合間に後輩たちからよく聞くのは、
「生食80ml/hrで…って先生たち即座に指示してますが、あれってどうやったらそんなにテキパキで来るようになりますか…?」
「輸液の参考書ってどれを買ったらいいでしょうか…?」
という質問です。
確かに自分自身いろんな輸液の本を読んできましたが、読んですぐは電解質異常の鑑別やチャネルのことを意識しつつ組んでいました。しかし、結局なんとなく複合的に病態を考えて決定することが多いよなあ…と質問の返答に困ってしまうこともしばしば。
初期研修医の子たちに輸液についてもっとわかりやすく、そしてクリアに教えてあげられるようになりたいなあ…
そんな時にこの一冊に出会いました。
正直、すごすぎて舌を巻きました。こんなに医学書を読んで感動したのは久しぶりかも…
これまでの自分の理解がいかに浅はかだったかを再確認させられました。
今回輸液分野の初めに読むべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇
本書の読者層や、本書の作成にあたって著者が込めた想いなどは
を読んでいただくのが一番だと考えましたので、今回は僕自身が読んでみての感想および総評を中心に書かせていただきます。
以下、本記事内にも先生の記事の内容を一部引用させていただきますのでご了承ください。
※先生にご連絡させていただき、本記事の内容および引用については許可をいただいております。
1.ターゲット層
【看護師】
看護師の方は無理に読む必要はないと思います.まずは『看護の現場ですぐに役立つ「輸液」のキホン』を読んでいただくことをお勧めします.その上で,さらに深い内容を知りたい場合は本書をご検討ください.【医大生】
国試の問題をしっかり根拠を持って解くことができます.タイトルに「レジデントのための」とありますが医大生でも理解することができます.初期研修医になると輸液の書籍は必須ですので,今のうちに買っておくことをお勧めします.【初期研修医】
医大生が理解できる内容なら初期研修医にとっては簡単すぎるのではないかと思うかもしれませんが,そうではありません.初期研修医にとって必要なことを医大生でも理解できるように記載しています.初期研修医の先生に一番読んでいただきたいです.「買って損をした!!」と思うことはないはずです.【後期研修医】
後期研修医の先生にもお勧めです.半分以上は知っている内容かもしれませんが,知らないものもあるはずです.学生や初期研修医からの質問に備えて読んでいただくとよいかもしれません.【電子書籍付!!】『レジデントのためのこれだけ輸液』【サンプルページあり】コウメイ塾HP引用
以上が先生が本書のターゲットとして想定されている読者層とそれぞれへのメッセージです。まとめると
ターゲット層は、
医学生から後期研修医・看護師
推定読了期間は
8-10時間程度
です。
2.本書の特徴
本書は、内科医として勤務される佐藤弘明先生が、
細胞外とは何ですか?なぜわざわざそのような名称を使うのでしょうか?
GI療法の仕組みは何ですか?
輸液の量を決定する際に必要な項目の代謝水とは何ですか?【電子書籍付!!】『レジデントのためのこれだけ輸液』【サンプルページあり】コウメイ塾HP引用
3.個人的総評
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
今回の総評はほぼカンストしていますが、正直オススメ度やわかりやすさには☆100個ぐらい付けたいほどでした…笑
理解すればいいところと、本当に覚えなければならないことをしっかりつ分けてくださっているので読者側としては重み付けをしながら読み進めることが出来ました。
豊富な図表を使ってくださっているのでスイスイ読み進められます。
特に尿細管のチャネルや利尿薬の内容については目から鱗の内容ばかりでした。
輸液や電解質異常の内容はもちろん、インスリンやステロイドなど、研修医や医学生の目線に立って網羅的に掲載してありました。
個人的には、後期レジデント以降の学年が進んだ先生方の書いた本やスライドは、初期研修医の最初に持つ疑問についての記憶は薄れてしまっているので、
僕自身も躓いた初歩の初歩に関する説明は乏しいよなあと思っていたのですが、本書は違いました。
本書に登場する研修医の疑問を読んで、僕自身も同じ疑問や悩みを持っていたなあ!
と懐かしく思いました。
あくまで個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書は今後、研修医が初めに輸液について学ぶ医学書のゴールドスタンダードになる!
と確信しました。今後出会う初期研修医全員に本書を勧めたいと思います。
また、USMLEのSTEP1・2CKを終えた自分としましては、
USMLEの腎臓・薬理・生理学の分野の日本語の参考書としても最適である!
とも思いました!
4.おすすめの使い方・読み進め方
コチラについても先生が、本書を読むにあたっての読者のための11のこだわりというPDFを作成されております。
興味がある方は以下のPDFをご覧ください。
4.まとめ
【基本情報】
タイトル:レジデントのための これだけ輸液
著者:佐藤 弘明
出版社:日本医事新報社
発行年月日:2020/6/29
【ターゲット層】
医学生から後期研修医・看護師
【本書の種類】
通読系・目次系
【推定読了期間】
8-10時間程度
【本書の特徴】
●初学者が最初に読むのに適した本になるよう徹底的に考え抜かれた一冊!
●この一冊をきちんと理解すれば、自信を持って輸液を行うことができる!
●働きはじめの研修医や医学生でも現場をイメージしやすい細かな解説も満載!
【本書で学べること】
細胞外とは何ですか?なぜわざわざそのような名称を使うのでしょうか?
GI療法の仕組みは何ですか?
輸液の量を決定する際に必要な項目の代謝水とは何ですか?
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
【本書のおすすめポイント】
●理解すればいいところと、本当に覚えなければならないことをしっかり分けて記載されている
●豊富な図表を使ってくださっているのでスイスイ読み進められる!
●明日からのアクションに生きる具体的な治療指針もしっかり掲載!
【本書のまとめ】
本書は研修医の輸液分野の初学書のゴールドスタンダードといえる一冊!
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