ERでの業務の合間に後輩たちからよく聞くのは、
「普段の内科救急診療はなれてきたのですが、整形外科や耳鼻科領域の疾患の対応が難しいです…」
「それぞれの診療科を学んでも、救急外来での対応は学ぶ機会が少ないです…」
という意見です。
マイナー科の救急外来診療において学ぶべきマイナーエマージェンシーの分野は、医師として勤務する上でどの診療科に進む研修医にとっても一度は学ぶべきであると自分は考えます。
確かに自分自身各診療科をローテしているときは、マイナー科については入院患者さんの管理や手術が業務のメインであり、夜間の診療科当直につくことで少し学ぶことはできたものの、救急外来での対応について学ぶ機会は少なかったと感じます…!
今回は、そんなマイナーエマージェンシー学習で必ず購入すべきと言われているベストセラーとも言うべき一冊であり、自分も自信をもっておすすめするのがこちらです👇
これからご覧いただく医学書レビューは、
これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み、
その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている
ある救急科専攻医のレビューです。
医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、
是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!
1.本書のターゲット層と読了時間
ターゲット層は、
初期研修医から後期研修医
推定読了期間は
25-30時間程度
です。
2.本書の特徴
本書は、フィリップ・バタラヴォリ 先生と、スティーヴン・M.レフラー 先生が執筆されている本の日本語訳であり、
●すべての臨床医・研修医のために急患診療の“真髄”を集約!
●3大救急疾患(心筋梗塞・脳卒中・急性腹症)以外のマイナーエマージェンシーを網羅!
●対応に困る“専門外”を診ることを目標に!
といった特徴を持つ一冊です!
“ただちに命にかかわるほどではないが、すぐに対応しなければならない”さまざまな疾患や病態に対する対処法をわかりやすく解説してくださっています!
3.個人的総評
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
全876ページに渡って重要事項がこれでもかというほど凝集されています!
正直、なかなか通読するには腰が重いですね(汗)
一方で一度波に乗ると診断や処置の肝となる、豊富な図表を使ってくださっているのでスイスイ読み進められます!
それぞれの解剖学的部位に大別されて、実際に救急外来で出会う頻度の高い主訴を中心にまとめてくださっているので、明日からの診療に活かせる有益な情報ばかり!
あくまで個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
●本書はマイナーエマージェンシー学習に必須の一冊である!
と感じました。
4.おすすめの使い方・読み進め方
●経験症例の復習、ERで悩んだ際に参照!(辞書的に使う)
●とにかく、何度も繰り返して読み続けることで知識を定着させる!
個人的におすすめの使い方をご紹介します!
正直、分量も多いため効率的な学習をするという点においては通読はおすすめしません。。
(私は書評を書くために通読しましたが、かなりしんどかった印象があります…笑)
出会った疾患ごとに適宜辞書的に使うのが現実的かなと思います。
救急外来などいつでも参照できるようにしておいて、業務の空き時間にも適宜復習するのが良さそうですね!
本書を読んだ後に経験する救急外来でのマイナー科診療は劇的に変わりますので、初期研修医など早い段階での購入をおすすめします!
5.まとめ
●経験症例の復習、ERで悩んだ際に参照!(辞書的に使う)
●とにかく、何度も繰り返して読み続けることで知識を定着させる!
【基本情報】
タイトル:マイナーエマージェンシー 原著第3版
著者:フィリップ・バタラヴォリ先生 スティーヴン・M.レフラー先生
発行年月日:2015/3/25
【ターゲット層】
初期研修医から後期研修医
【推定読了期間】
25-30時間程度
【本書の種類】
辞書系・参照系
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価: