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【疾患】高K血症のまとめ【適宜更新中】

高K血症のまとめ ERでよく出会う超緊急の疾患です
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今回は救急外来でよく出会う緊急性の高い疾患の一つ、高K血症についてまとめました。

高Kを疑った瞬間から原因検索、重症度評価、治療介入を一斉に始めなければなりません。

時に具体的な治療のオーダーについてはいざというときのために暗記しておきましょう。

1.ポイント

●K>6mEq/L、心電図変化・筋脱力症状があるとき緊急性あり!

●バイタルチェック・心電図・ABGを行いながら高Kの原因検索
⇒多くは腎機能障害・代謝性アシドーシス・薬物のことが多い

●徐脈ショックの鑑別に高Kを忘れずに

2.疫学

●Kの値が5.5mEq/L以上の時に高Kと定義される。
K値が6mEq/Lを超えたら緊急対応を考慮すべし!

3.症状

①筋症状:筋力低下・悪心Guillain-Barré症候群様の進行性下肢麻痺

②心電図変化:テント状T波、QT短縮、RR延長、QRS幅拡大、P波消失、重症な場合→不整脈、サイン波パターン、PEA/VF/心停止

※心電図変化の度合いは、K値と相関しないので注意

③腎機能障害:腎臓のNH4⁺排泄低下→代謝性アシドーシス

4.原因

高K血症の原因引用:武藤重明.血清 K 値の異常をどう読むか.診断と治療2005;93:883-890

●中でも薬剤性と腎機能低下は多い

●まずは偽性高K血症を疑うべし

5.診断の補足

●偽性高K血症に注意!

 

•アシドーシスと高K血症の相関について

6.治療方針・治療の流れ

●高Kを疑ったら重症度判定が必須
バイタル⇒心電図⇒ABGで代謝性アシドーシスの有無を迅速に調べる!
同時進行で腎機能障害と内服薬をチェック

【具体的な治療の流れ】
Ⅰ.初期治療:①+②を速やかに行いつつ③をオーダー
     ここまでで下がれば、その後は⑥に移行
Ⅱ.次の治療:1)で下がらない場合④→⑤を投与検討
Ⅲ.重症不整脈の合併例/治療難渋例
  ⑥を緊急的に検討(ブラッドアクセスの準備!)

①薬剤:グルコン酸Ca

投与方法:カルチコール®20ml(2A)を3-4分かけて静注。10-20分ごとに2-3回繰り返し可能

効果発現:すぐに発現
持続時間:30-60分
メカニズム:心筋膜電位を安定化して不整脈予防
注意事項:ジギタリス中毒による高K血症の場合はジギタリス中毒が増悪 (ジギタリス中毒時→カルチコール®10mlと生食100mlを30分以上かけて投与)

②薬剤:サルブタモール

投与方法:ベネトリン®10-20㎎を生食5-10mlに溶かし吸入20-30分に1回反復

効果発現:15-30分後
持続時間:2時間程度
メカニズム:Kの細胞内シフト
注意事項:頻脈などのβ1刺激による副作用に注意

③薬剤:GI療法

投与方法①:ヒューマリンR®5単位+50%ブドウ糖50mlを緩徐に静注。必要に応じ反復。
投与方法②:50%ブドウ糖40mL+速効型インスリン8U(リスクが高い場合には4U)

効果発現:15-30分
作用時間:2-6時間
メカニズム:Kの細胞内シフト
注意事項:低血糖に注意。1時間毎にKフォロー。
薬剤:フロセミド
投与方法:20-40㎎を静注。K値と血糖をみながら繰り返す。
効果発現:15分-1時間
作用時間:4時間
メカニズム:腎からのK排泄促進
注意事項:腎機能が悪いと効果が薄い

④薬剤:NaHCO3

投与方法:メイロン®8.5%(1mEq=1ml)50mEqを5分かけてゆっくり静注

効果発現:30-60分
持続時間:2-3時間
メカニズム:Kの細胞内シフト
注意事項:Na塩のため水分貯留に注意。pH<7.2で検討。

⑤方法:陽イオン交換樹脂

投与方法:ケイキサレート®or カリメート®50gを水30mlに溶かし経口投与or30-60gを微温湯200mlに溶かして注腸投与

効果発現:1-2時間(注腸の方が発現速い)
持続時間:4-6時間
メカニズム:NaとKを交換してKを体外に排泄
注意事項:大腸穿孔に注意

⑥方法:血液透析

メカニズム:Kを体外に排泄
以前から腎機能障害を指摘されている場合で尿が出ない、または代謝性アシドーシスを認める場合には、透析が必要
注意事項:準備に時間がかかる、患者負担大

7.参考文献

●Clinical Practice Guidelines for management of acute hyperkalemia in adults. UK Renal association:2014.
●J ClinInvest. 1952 Aug;31(8):798-805.
●Long B, et al. J Emerg Med. 2018;55:192-205.
●Am J KidneyDis. 1993 Sep;22(3):436-44.
●Pepin J, et al. Emerg Med Pract. 2012;14:1-17.
●Kidney Int. 1984 Feb;25(2):357-61.
●Am J Med. 1981 Sep;71(3):456
武藤重明.血清 K 値の異常をどう読むか.診断と治療2005;93:883-890
●日腎会誌2008;50(2):84-90.
Approach to disorders of potassium metabolism
自治医科大学内科学講座腎臓内科学部門
カリウム代謝の考え方 武藤重明 草野英二
坂本壮. 救急外来ただいま診断中. 中外医学社:2015

 

 

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