学習

【現役救急科専門医が徹底解説】BLS・ACLSの要点まとめ【10分で学べる】

プロフィール
【医学ノート】をご覧いただく際の注意事項いつも当サイトをご覧いただき本当にありがとうございます。 当サイトの医学ノートの記事をご覧いただく際の注意事項についてです。 ...

今回は、救急の基本の概念の一つである

CPA・心肺停止に対するBLS・ACLSの要点まとめ

についての記事です。

医療従事者や医学生、看護学生はもちろんですが、一般の方々にも是非一読していただきたい内容です。

初療で経験することが多くなるほど、だんだんと経験則で判断してしまうことも多くなっているよう自分自身も感じたので、様々な本や論文、一般向けの情報公開の内容を参考にさせていただき自分なりにまとめ直してみました。

 

1.ポイント

●救命の基本概念、BLSをもう一度おさらいする。

●意識なし、正常な呼吸なしならすぐに心肺蘇生!
※死戦期呼吸に注意

●院外ならAED、院内なら心肺停止の4つの波形を確認し除細動

●医師の役割はリーダー+原因検索を同時並行することが重要

【BLS・一時救命措置のアルゴリズム】
1.意識の確認
↓反応がなければ
2.Ambulance・AED・Airway(救急車・自動体外除細動器の準備・気道確保)
3.Breathing(呼吸の確認)
4.Circulation(循環の確認)

【心停止時間と死亡率の相関関係】

2.疫学

院外心停止の初期波形
VF/pulseless VT:24.5%
PEA:19.5%
Asystole:46.3%
不明・その他:9.8%

3.具体的な手順(院外心停止を想定)

 

いざっというとき、あなたは動けますか?

精度高い心肺蘇生ができますか?

心肺蘇生をわかりやすくテンポよく学べる動画が登場!

真夜中のナースステーションで繰り広げられる秘密のレクチャー

 

●Youtube(動画サンプル)

 

①反応の確認

まず軽く肩を叩きながら大声で呼びかける

⇒「目を開ける」「何らかの返答がある」「目的を持ったしぐさがある」などの反応が認められない場合は、反応無しと判断。

※必要以上に大きく体を揺さぶったりすると、外傷による頚部損傷が生じている場合、損傷を助長させてしまう可能性がある

②協力の要請

できるだけ大声で、人を呼んでもらうのも忘れずに

「あなたはAEDを、あなたは救急車を、あなたはできるだけたくさんの人を集めてください。」

③呼吸の確認

気道を確保し、傷病者の胸部や腹部の動きを観察する(10秒以内)

〈気道確保の方法〉

気道確保の方法には、「頭部後屈あご先拳上法」と「下顎拳上法」がある。
●頭部後屈あご先拳上法
(1)傷病者の前頭部に救助者の手を当て、頚部を後屈させる。
(2)もう一方の手は下顎のあご先中央の骨の部分にあてる
⇒この時、下顎の軟部組織を押すとかえって気道が閉塞する為、注意する。

※義歯や脱落しそうな歯は、誤嚥を防ぐためにもあらかじめ外す。

●下顎拳上法
⇒頸椎損傷が疑われるときに実施する。

※傷病者の反応がない時、舌や喉頭蓋、喉頭によって気道閉塞している可能性も
※熟練した救助者であれば同時に頸動脈の脈拍を確認して心停止を判断

〈頸動脈の触れ方〉
①指先で甲状軟骨を探る
②その手を自分の手前に引くようにずらす
③胸鎖乳突筋の内側で脈拍の確認
「呼吸をしていない」もしくは「死戦期呼吸を認める」かどうかを確認する

(1)普段通りの呼吸がある場合
⇒気道確保・回復体位の考慮・応援を待つ
(2)呼吸なし(死戦期呼吸を含む)
⇒ただちに④胸骨圧迫

※回復体位
⇒「反応はないが普段どおりの呼吸をしている」という場合は、気道の確保を続けて応援を待ち、基本的には頭部後屈あご先挙上法で気道確保を行うが、吐物などによる窒息の危険がある時や、やむを得ず傷病者のそばを離れる時に行う。
また、その他にも、「舌根沈下を防ぐことができる」「口腔内の異物除去が容易になる」というメリットがある。

④胸骨圧迫

(1)環境整備
⇒傷病者を仰臥位に寝かせて救助者は傷病者の胸の横にひざまずく。
※可能ならば硬い物の上でCPRを行う。

(2)胸骨圧迫部位の決定
圧迫部位は胸骨の下半分(=胸の真ん中辺り)

※乳頭間線と胸骨が交わる点を圧迫部位とする方法もあるが、傷病者によってばらつきがあるため推奨されていない。
※圧迫部位がズレると、肋骨骨折や内臓の損傷を招くだけでなく、胸骨圧迫が不十分になる恐れあり。

 

4.全体を通して特に注意すべきこと

胸骨圧迫が遅れる、心停止を見逃してしまう原因

①死線期呼吸を異常なしと判断してしまう
②脈が振れているか否か悩んで、胸骨圧迫が遅れる
③PEAを見逃してします(院内で多い・脈を触れながら確認)

5.引用、参考文献

1.
Krischer JP et al, Complications of cardiac resuscitation, Chest, 1987;92: 287–291.

2.
大屋 聖郎 ら, CPRに伴う胸部外傷についての検討―心肺蘇生ガイドライン2005と2010に準じたCPRの比較―, 日救急医会誌, 2015; 26: 146-51

3.
Beom et al, Investigation of complications secondary to chest compressions before and after the 2010 cardiopulmonary resuscitation guideline changes by using multi-detector computed tomography: a retrospective study, Scandinavian Journal of Trauma, Resuscitation and Emergency Medicine, 2017; 25:8

4.改訂第2版 外傷専門診療ガイドラインJETEC, へるす出版, 2018

5.救命処置の流れ(成人の場合)/和泉市ホームページ

6.応急手当講習テキスト3|鹿児島市

7.佐藤久美他.看護技術がみえる vol.2 臨床看護技術 第1版 2013.

8.坂本すが他.ビジュアル臨床看護技術ガイド 2009.

9.一般財団法人日本救急医療財団

10.『AHA 心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドライン 2010(2010 AHA Guidelines for CPR and ECC)』のハイライト

11.てら58 備忘録(hatena blog)

12.救急外来ただいま診断中! 中外医学社 坂本壮

13.心停止・応急処置・メルクマニュアル 家庭版

 

この記事を読んで参考になった方、面白いと思ってくださった方は

 

今後も定期的に記事を更新していきますので
LINE登録Twitterのフォローnoteの登録よろしくお願いいたします!

みなさまのリアクションが今後の記事を書くモチベーションになります!