国家試験勉強では身に付けられない…
臨床現場の「見えない壁」を乗り越えるための本が誕生しました!
書籍「研修医の羅針盤」とは?
医師の道を歩み始める全ての研修医にとって、臨床研修は”壮大な航海の始まり”です。
医学的知識の勉強、患者さんとのコミュニケーション、職場の人間関係… その海では、何度も押し寄せる荒波を乗り越えながら先に進まなければいけません。
そして、この航海では「見えない壁」に何度も直面することでしょう。
私自身も漏れなく、そんな壁にぶつかり続けた初期研修医の一人でした。
「なんでいつも正しい診断にたどり着けないのか…」
「どうして患者さんに上手く問診や病状説明ができないのか…」
「なぜ患者さんやスタッフと上手にコミュニケーションがとれず,自分の評判はよくない のか…」
人一倍苦しんできた私踊る救急医だからこそ、
研修医の先生方が直面する課題に対応するため、
”国家試験と現場の間のギャップを埋めるための指南書”として、
頼れる私のアニキである高場先生とともに本書「研修医の羅針盤」を執筆しました。
本書で学べる項目(目次紹介)
本書では、臨床現場に出てきたばかりでは意識することのできない「見えない壁」の正体を解き明かし、その壁を乗り越えるためのスキルやマインドを余すことなく解説しています。
例えば、臨床現場において最も重要であり、見えない壁を乗り越えるための三種の神器が「コミュニケーションスキル、臨床推論スキル、意思決定スキル」です。
①患者さんや他職種とのコミュニケーションスキル
医療は、決して1人では成り立ちません。
看護師さんや技師さんを始めとするコメディカルとの間で、目的を共有し、相手の立場へ寄り添い協力し合うために必要なのがコミュニケーションスキル。
もちろん相手の立場に立って考えることは大切ですが、加えて医療現場に特有のコミュニケーションスキルが存在するのも事実です。
国家試験の勉強をしているだけでは身につけることができない、相手に合わせた言葉遣いや、紹介状などの文書や電話でのコミュニケーションスキル、相手のニーズを探るスキルを学んでいきましょう。
②診断する力(臨床推論スキル)
患者さんの問題点を解決するのが基本的な医師の仕事です。
そして問題を解決するためには、まず患者さんの問題点が何なのか、明らかにする技術が必要です。
しかし現場は曖昧さで溢れており、なにが問題点なのかわからないことも非常によくあります。
そんなときは、目標(ゴール)から考えるのが早道であり、ゴールの見つけ方から筋道のたて方まで、本書では余すことなく説明しています。
③治療方針や対応を決定する力(意思決定スキル)
検査を行うかどうか、入院するか帰宅するか…
不確実な状況下であろうと、医師には決断が求められます。
意思決定の基本はEBM(evidence based medicine)です。
どうすべきかわからない、臨床疑問に出会ったときは、判断の礎になる科学的根拠を効率よく調べることが大切です。
「調べたらわかることだけど、その調べ方がわからない」なんて経験はありませんか?
国家試験には、わかりやすいテキストで勉強ができました。
しかし、臨床現場ではテキストもさまざま、検索精度も調べ方1つで大きく変わってしまいます。
研修医にとって必須の航海術であるEBMの技術を是非、身につけておきませんか?
以上、本書ではこれらをはじめとする「見えない壁」を回避し、乗り越えるための航海術を解説しています。
また、巻末のコラムでは「明日からでもすぐに使える」というような実践的で超具体的なTipsを掲載しています。
本書を読むことで国試と実臨床のギャップを埋め、スキル取得のポイントや考え方、スキルの活用法をぜひ獲得してみませんか?
想定される読者へのメッセージ
【初期研修医のみなさん】
研修医の先生方に知って欲しいこと。
それは、3つのスキルの知識を得ることはもちろん重要ですが、それ以上に大切なのは「あるべき状態」をイメージするというマインドの変化についてです。
特に1年目の皆様は、本書を携えて研修生活を進める間のマインドセットを設定してみましょう。
各診療科をローテートするたびに、ローテートが終わったときの「あるべき状態(ビジョン)」を思い描いてください。
そして、「現状」とのギャップである「問題点(課題)」をしっかり設定し、ローテート期間中に勉強・経験して課題をクリアしていきましょう。
そして、2年目になってくると自分にとってのもやもやするけどうまく言語化する事ができない”見えない壁”の存在を自覚するようになってきます。そんな時にこの本は、臨床でうまくいかない状況や壁に、どのように対処すべきかを考えるヒントになります。この羅針本を手に取って乗り越えて行ってください。
【医学生のみなさん】
医学生の皆さん、国家試験が終わった後の臨床研修の業務に不安を抱くことはないでしょうか?
私自身「忙しい医療現場で、一人前の医師としてやっていけるのかな」という不安に苛まれていた期間があります。
そして不安の原因は、”先が見えない・何を身につけておくべきかがわからない”という点でした。
この本を読むことで、皆さんは今後臨床研修でどのようなスキルを身につけなければいけないのか、その道標を知ることができます。
2年間の臨床研修で習得すべきスキルや目標設定を認識し、そのゴールを目指した臨床研修をすることができれば、きっととても有意義な研修医生活を送れることでしょう。
【専攻医のみなさん】
専攻医になると、特に3つ目のスキルである意思決定をする場面が途端に増えます。
上についてくださる上級医も減り自分で判断する機会が増える専攻医。
実は、この意思決定スキルについて研修医の頃から意識的に学んでおかないと、現場で悩むことが多くなってくるのです。
そんな時に参考にして欲しいのが、本書が提案する実践的なアドバイスや解決策です。
具体的な状況からマインドセットまで踏み込んだ本書が、悩みを自分で解決できる手助けになってくれることでしょう。
【指導医のみなさん】
実は一番読んでいただきたい読者層かもしれません。
私も研修医の先生に指導をする機会が増えたのですが、「最近の研修医の先生方は本当によく勉強していて優秀だな」と感じる人が多いです。
しかし、そんな研修医の先生方でも現場で困っているという声をよく聞きます。
「どうして現場で困ってしまうのか?」という視点で本書を読んでいただくことで、指導医の先生方にとっては逆に当たり前過ぎてもう「見えなくなってしまっている壁」を本書で再確認し、日々のご指導のお役に立てていただけると嬉しいです。
【他職種の方々】
医師ってなんであんなふうに考えるんだろう…?
医師にとって私達の職はどう見えているの…?
医師の先生も、コメディカルの方々も、お互いを理解したいという気持ちは一緒なはずです。
本書では医師の臨床現場での思考回路を徹底的に解説しており、上記のような疑問の解消に役立ちます。
医師から見た他職種の仕事についてぜひ知っていただくことで、コミュニケーションのコツについても学ぶことができるのではないでしょうか。
3つのスキルをより深く学びたいあなたへ…おすすめの書籍をまとめています▼
まとめ
研修医の先生にとって、臨床研修とは荒れた海への航海の始まりです。
上級医の先生にとって、見習い船員がぶつかる壁が、時に見えなくなってしまうことがあります。
本書は、現場に潜む「見えない壁」の正体を解き明かし、自信を持って航海ができるような、羅針盤のような一冊となっております。
そして、研修医から上級医まで、幅広い先生方の航海をスムーズにしてくれる一冊であると胸をはっておすすめさせていただきます。
本書が、皆様にとって、臨床現場で必要な力を育むための羅針盤となることを心より願っています。
国家試験勉強では身に付けられない…
臨床現場の「見えない壁」を乗り越えるための本が誕生しました!