Qラボ

【2026年4月セミナーアーカイブ】気道確保の総まとめ

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2026年度の第1回オンラインリアルタイムセミナー、お忙しい新年度のいい時間にご参加いただき、ありがとうございました。アーカイブが公開されましたので、当日参加できなかった方も、もう一度復習したい方も、ぜひゆっくりご視聴いただけたらと思います。

4月は、皆さんにとって環境の変わる1ヶ月だったかなと思います。新しい職場や部署に行かれた方、そのまま残りつつも新入職の方を迎えた方。慣れないことが続くなか、お時間を取ってくださって嬉しいです。

今回のテーマは、『気道確保の総まとめ』です。新年度一発目ということで、救急診療の基本であるABCDアプローチのAを深掘りする1ヶ月にしてきました。今回のリアルタイムセミナーは、その総まとめにあたります。


このセミナーで一番伝えたかったこと

80分という長丁場でしたが、今回お伝えしたかったメッセージはひとつです。

💡 気管挿管は、手技じゃない。プランニングだ。

アーカイブセミナーでは「どうやって喉頭展開するか」「チューブをどう入れるか」という手技のところを丁寧に勉強してきました。それももちろん大切なんですが、医師9年目になって思うのは、気管挿管の成否を決めるのは“作戦をどう立てるか”なんですよね。

気管挿管に合併して心停止してしまうケースは、文献的には1万分の1〜10万分の1と書かれています。ただ、救急外来やICUのような重症の患者さんを扱う現場では、体感としてはもう少し多い印象があります。

だからこそ、今回はあえて手技の話ではなく、リスク評価・準備・プランA/B/Cという”プランニング”に重点を置いてお話ししました。


セミナーで扱った3つの症例

今回のセミナーでは、僕自身が最近経験した症例をベースに、3つのケースを取り上げました。

📋 取り上げた3症例

  • 症例1:50代男性・吐血ショック ── ビデオ喉頭鏡単独で戦わない。マッキントッシュとヤンカー、輪状甲状靭帯切開の準備までセットで動く話
  • 症例2:70代男性・口腔がん術後の急変 ── 挿管も換気もできない場面で、ファイバー挿管か輪状甲状靭帯切開か。時間との勝負で何を選ぶか
  • 症例3:60代男性・敗血症性ショック+BMI38 ── 高度アシドーシス・ショック・高度肥満。3つのリスクが重なるなかで、薬剤と体位をどう組み立てるか

どの症例も、「普通に挿管しよう」では通用しない場面でした。だからこそ、プランAだけで突っ込まないこと、プランB・Cまで同時に準備しておくことの大切さを、肌で感じてもらえる構成にしたつもりです。


キーフレーズで振り返る今回のセミナー

✅ 復習のためのキーフレーズ

  • 「声かけて 視診聴診 A評価」 ── 5・7・5で覚える気道評価
  • 「敵を知り 己を知れば 百戦危うからず」 ── リスク評価と準備が8〜9割
  • LEMON / MOANS / HOP / SOAP MD ── 4つのリスク評価ツール
  • 「1の法則」 ── 鎮静薬・筋弛緩薬を per kg 1mg(または0.1mg)で覚える
  • 「ビデオ喉頭鏡単独では戦わない」 ── マッキントッシュとヤンカーをベッドサイドへ
  • 「換気も挿管もできぬ場合、切らねばならない時もある」 ── CICOではプランCへの移行を躊躇しない

当日のディスカッションも聴き応えあり

今回のセミナーでは、参加者の皆さんからのコメントやご質問もたくさんいただきました。なかでも特に深掘りできたのが、以下の2つのディスカッションです。

「前野先生からは、吐血ショック症例でのSALAD法や、到着前から準備できるHFTやノルアド・フェニレフリンのセットについて、ご自身の現場での工夫を共有してもらいました。平井先生(東京ベイ・腎臓内科)からは、内科医として挿管の機会が少ない立場から、薬剤投与量の考え方について、いいご質問をいただきました。」

このお二人とのやり取りは、僕自身も整理されることがたくさんあったので、それぞれ別記事として深掘りしていく予定です。続きの記事も、よかったら読んでみてくださいね。


アーカイブの活用方法

📊 こんな順番で見るのがおすすめです

  1. 1周目(通しで視聴):ABCDアプローチの復習からプランニングの考え方まで、全体像をつかむ
  2. 2周目(症例ごとに区切って視聴):自分が経験した症例・近い症例を中心に、「自分ならどうするか」を考えながら
  3. 3周目(薬剤・物品にフォーカス):自分の施設の薬剤・物品の場所を確認しながら見る

特に3周目の「自分の施設で確認する」は、おすすめです。ケタミンってどこにあるんだっけ? ラリンゲルマスクって誰が出すんだっけ? 輪状甲状靭帯切開のキットは?

こういうのって、いざというときにすぐ出てこないと、それだけで数分単位のロスになるんですよね。


感想・質問・困った症例、お待ちしています

今年度のQラボでは、皆さんが経験した院内急変・ABCDが崩れた症例を募集して、それを取り上げるセミナーをしていきたいと思っています。

「うちの病院でこんな症例があって…」「こういう場面で困ったんですよね」というのを、よかったらマシュマロやオープンチャットに投げてもらえると嬉しいです。みんなで共有することで、明日の現場の備えになるはずなので。

そして、このセミナーの後にお届けしたQラボでお送らナイトも、合わせてぜひ聴いてみてくださいね。


どうですか?あなたの感想を聞かせてください。

気管挿管というのは、怖い手技です。でも、怖いからこそ、しっかりプランニングして、仲間と準備して、誰かの命を守れる手技にしていきたいですよね。

今回のセミナーで気になったポイント、自分の施設で確認しておきたいこと、よかったらマシュマロやオープンチャットでシェアしてください。皆さんと一緒に、Qラボという学びの場を、もっと厚くしていけたらと思います。

来月もまた、お会いできるのを楽しみにしています◎