働き方改革やAIによる技術革新など、医療を取り巻く状況はここ数年で激変しています。
医師のキャリアをスタートする20-30代が非常に大切なのは周知の事実ですが、 どんな研修生活を送ればいいのか…どの専門科に進むのか…どうライフイベントに向き合うか… 選択肢が多すぎるが故に悩みは尽きません。
そんな医療業界では、日々の進歩とともにキャリア形成のアプローチも進化しています。
しかし、キャリア形成をはじめどんなことでも、思わぬ所からインスピレーションを得ることもありますよね。
漫画「ブルーロック」は、医師たちが自らのキャリアパスを考えるヒントを提供してくれるかもしれません。
なぜなら、登場キャラクターのそれぞれの武器(エゴ)を進化させ続ける戦いは、医療界での競争とキャリア形成に通じるところがあると感じたからです。
このアニメ作品を通じて、医師がどのようにキャリアプランを形成するか、そして自己実現を図るか、その答えを探ります。
※今回の記事は、『アル 漫画ファンの愛で作るマンガサイト』で公開されている、『みんなの好きなコマ』より画像を引用しております。コマ画像の投稿は、出版社および作者の方から許諾をいただいています。
1. ブルーロックとは?
「ブルーロック」は2018年から「週刊少年マガジン」で連載されているサッカーをテーマにした革新的なスポーツマンガです。
すべての登場人物がストライカーという特異な設定であり、この物語では、日本のエースストライカーを目指す300人の有望な高校生が、監禁状態での過酷なサバイバル競争に挑むことになります。
各キャラクターが自己の限界を超える過程は、医師が直面する壁とそれを乗り越えていく様子とよく似ていると感じます。「ブルーロック」を通じて、仕事やライフスタイルに通じる普遍的なことを学べることから、ファンの間では「ブルーロックはビジネス書である」といわれる所以も納得できます。
特に注目すべきは主人公、潔世一です。彼には当初、目立つ特技や明確な強みがありませんでした。
圧倒的な身体能力、技術、速さのいずれも彼にはなく、ただ他人との比較に苦しむ日々を送っていました。
しかし、「ブルーロック」という厳しい環境の中で、彼は自身の限界を冷静に分析し、自我を剥き出しにしながらも戦略的に試合に臨む方法を学びました。
潔は「空間認識能力 × ダイレクトシュート」という独自の勝利の方程式を創出し、徐々に自分だけの武器を磨いていきます。
この過程は、医療の世界において医師が直面する挑戦と類似しています。
医師は自分の能力を認識し、継続的にスキルを向上させながら、時には感覚や直感に頼りながらも必要な場面で最高のパフォーマンスを発揮する必要があります。
潔の成長と自己発見の物語は、医師自身が自分のキャリアを形成する上でのモデルになると、私は考えるのです。
2. 医師のキャリアプランにおける「武器(エゴ)」とは?
医師にとっての「武器」。まずイメージしやすいのは、その人が持つ独自のスキルや知識、経験でしょう。これらの武器は、患者の命を救うため、またキャリアを築くために不可欠です。手術技術、診断能力、コミュニケーションスキルなどがそれにあたります。これらの技術が、医師の専門性を形成し、医療現場での彼らの役割を大きく左右します。
それらに加えて、自分がどんな医者になりたいのか、どんな風に社会貢献したいのかといった、スキルや知識以外の要素もキャリアプランを考えるうえで重要な要素になるでしょう。
3. キャリア設計の一例(私の場合)
私自身のキャリア形成は、スポーツドクターになる夢から始まりました。整形外科医として手術をする、いわば”ストライカー”を目指していたものの、実際に初期研修医として働いてみると、救急診療の分野で多くのマルチタスクに取り組むことに楽しみを見出しました。また、周囲の人からはこのマルチタスクやタイムマネジメントが自分の長所だと褒めてもらうことも多くありました。そして、一度は救急医として重症患者さんの診療をコマンドすることに専念する道を選択しました。
ですが、私の中に眠っていたストライカーとしての武器(エゴ)が、救急医として勤務する中でふつふつと湧き上がってきたのです。
重症患者のマネジメントや初期診療に加えて、自分自身の外科的なスキルで患者さんを直接よくしたい…そんな自分の興味や想い(エゴ)に純粋に従い、この二つの分野の両者を極める、ダブルボード(2つの専門医習得)カリキュラムを選択し、日々研鑽を積んでいます。
4. 自己の武器を活かしたキャリア計画の立案
キャリアを形成する上でとても大切なのは、どのようにキャリアを形成するかというそのプロセスにあると私は考えます。
キャリアを選んだ結果、成功したか失敗したかというところに関しては、キャリアプランを形成した後の結果によって得られる満足感しか得ることはできません。
一方で、キャリアを形成する上でのそのキャリアを決定する過程に自分が納得感を持って実行すれば、どのような結果となったとしても、最終的には高い納得感を得て、自分自身の幸福度も高くなると私は考えます。
これらの要素(エゴ)を掛け合わせたキャリアプランニングを行うことで、常に新しい目標や難しい術式に意欲的に挑戦したいとか、患者さんやそのご家族との深い関係を重視するなど、自分自身の興味と強みに基づいて、充実した医師としての生活を送れるようになると思うのです。
たとえば私の場合、得意なことや自分の興味領域、好奇心をエゴとして以下のように挙げてみました。
これらはそれぞれ、先ほどの3つの要素でいうと何に当てはまるのでしょうか?
それぞれのエゴをきれいにすべてをsortingすることはできませんが、以下のようにまとめてみました。
是非皆さんも、こんな風に自分なりのエゴ(武器)を3つの視点からぜひ見つけ出して、探してみてくださいね。
おわりに
「ブルーロック」から学ぶことは多く、特に正解がわかりにくく多様化する医師の世界において自己実現の重要性を理解することができます。
自己分析を深め、自分だけの「エゴの掛け合わせ」を見つけることが、医師としての成功への道です。この記事があなたのキャリア形成に役立つ一助となれば幸いです。
自分自身の武器を磨き、より良い医師として成長していくための第一歩を踏み出し、医師としての覚醒を目指しましょう!
ブルーロック好きの方はもちろん、今回の記事は面白いなと感じてくださった方は是非各種SNSでシェアしていただけると嬉しいです。
かなーりニッチな記事ではありますが、反響があれば今後も定期連載していくかもしれません…!笑
『ブルーロック』という想像もしないテーマから医師として学べることは数多くあります!
このようなユニークなテーマから着想を得て定期的に開催している勉強会が『HBD』です。
HBD(広島で(H),ぼちぼち(B),どーにかしよーかー(D))では、
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