A/CとSIMVの呼吸器設定、結局何が違うんだっけ…?
PCVにして吸気圧を調整しているのに、思ったより高くなってしまう…どうしてだろう?
先日、人工呼吸についてレクチャーする機会をいただき、「人工呼吸を学ぶ際に、何が重要なののだろうか?」と考える機会がありました。
そして、治療のスタンダードを丸暗記するより前に大切なのは、やはり呼吸生理と人工呼吸器の原理や設定の基本を徹底的に理解することだと感じます。
呼吸生理と人工呼吸器の原理や設定の基本を学ぶことができる本書を、この度メディカ出版様よりご贈呈いただきました🙇
通読し、とにかく図表や分かりやすく、さらに著者の工夫を凝らした様々な例えがたくさん登場している本書は、そんなニーズを叶えるための最適な一冊だと感じました。
人工呼吸について学び始める医療従事者全ての方に手に取っていただきたい一冊としておすすめするのがこちらです👇
これからご覧いただく医学書レビューは、
これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み、
その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている
ある救急科専攻医のレビューです。
医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、
是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!
1.本書のターゲット層と読了時間
【ターゲット層】
呼吸療法に関わる医師、看護師、臨床工学士、理学療法士、薬剤師など幅広い医療従事者
【推定読了期間】
8時間程度
です。
2.本書の特徴
本書は、小尾口 邦彦 先生が執筆された、
【本書の特徴】
●700点超のビジュアルイメージを掲載しており、人工呼吸のしくみを見える化している
●医師・ナースをはじめとする医療従事者向けに書かれた、筆者独自のユニークな切り口・語り口
が特徴の一冊です。
本書を読むことで学べる項目は特徴的なものをピックアップすると、このようになります👇
【本書で学べること】
●根拠に基づいた、「人工呼吸のコアの知識」
●肺保護換気の概念
●臨床現場で悩ましい呼吸器設定の調整やグラフィックの解釈
これらは人工呼吸を扱う機会のある先生方にとっては学んでおくべき大切な事項であると思います。
3.個人的総評
【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
本書の特徴はなんと言っても、700点超のビジュアルイメージによって感覚的な理解、イメージ化ができる点です。
私自身、あっという間に通読できてしまいました。
イメージのつきやすい図表という点において「ベストセラーの理由が納得の、自分が初期研修医の時に出会いたい一冊」だと感じました。
加えて、本書は疾患・患者・看護・観察の感覚的な理解を謳っています。
人工呼吸に関わる、みんなの疑問やよくあるエピソードなど各所に収録されているシリーズならではの、”分かりやすい”を感じさせてくれる要素がたくさん盛り込まれていました。
これだけ多角的な視点から人工呼吸について単著を書けるなんて、本当にすごい…と執筆者としても強いあこがれを抱きました。
本書を読み、元々ファンではありましたが、改めて小尾口先生の凄さを感じました。
加えて、肺保護換気の概念について非常に詳しく解説されており、実践的な知識を学ぶことができます。
『マスト理解』や『超重要』と言った、各項で重要度をマーキングされていることで、それぞれどこを重点的に学ばなければならないのかというところを重み付けをしながら学ぶことができます
そして実臨床で見る呼吸器のグラフィックも豊富に掲載されているので、すぐに活かせる知識が身に着けることができます。
それらの知識は「A/Cは過保護な親、SIMVは自立を促す」といった例えを始めとする、ユニークな例えで印象づけさせてくれます。
これは、指導する立場の医師として、”今後はこのように人に説明するとわかりやすいな”という学びにもなりました。
以上、本書は人工呼吸の基本から、その先のアドバンスな内容への橋渡しになる素敵な本だと思います。
これらは本書の個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書は人工呼吸について学び始める医療従事者全ての方に手に取っていただきたい一冊である!
と感じました。
4.おすすめの使い方・読み進め方
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
●時間がある先生は、これまで悩んだ診療を思い出しながらまず通読!
●悩んだ項目について、それぞれつまみ食い的に読む
●レクチャーをするなら?と想像しながら読み進める
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!
個人的におすすめの使い方をご紹介します。
著者個人の意見としては、
人工呼吸を一からしっかり学びたいと時間がある人は通読もおすすめです。
しかし、実際は分量もなかなかあるため、通読は難しいかと思います。
実臨床で人工呼吸について悩んだ項目について、それぞれつまみ食い的に読むのもよいでしょう。
また、人工呼吸というのは、自分自身がなんとなく理解していると思っていても、人に説明するのが難しい分野のひとつであると言われています。
私自身も、人工呼吸についてレクチャーする時は、復習や予習をたくさんしてから臨まないといけないと、常々感じています。
そのため、人工呼吸について後輩に説明できるか、を念頭におきながら
”自分だったらどういうふうに説明するか?”
”この本のこの説明、すごくわかりやすいから、今後に生かそう”
という様に、人に教えることを前提にこの書籍を読み進めるととても学びが深まると感じました。
その後は経験した人工呼吸の症例の前後で読み直して復習し、インプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。
5.まとめ
【本書のまとめ】
人工呼吸について学び始める医療従事者全ての方に手に取っていただきたい一冊である!
まとめると、本書は人工呼吸について、わかりやすく学習ができる全医療従事者に本当におすすめの一冊です。
この一冊を通じて学ぶことで、
今後人工呼吸を行うチャンスが訪れた時に自信を持って取り組むことができます!
日々の学びや業務をより良いものにしたい方には是非手にとっていただきたい一冊です◎
以下に要点や基本事項をまとめましたので、
購入する際には是非参考にしていただければ幸いです👇
【基本情報】
タイトル:患者がみえる新しい「呼吸の教科書」かんテキ 肺保護にこだわる人工呼吸
著者:小尾口 邦彦
出版社:メディカ出版
発行年月日:2024年2月
ターゲット層は
呼吸療法に関わる医師、看護師、臨床工学士、理学療法士、薬剤師など幅広い医療従事者
推定読了期間は
8時間程度
【本書の特徴】
●700点超のビジュアルイメージを掲載しており、人工呼吸のしくみを見える化している
●医師・ナースをはじめとする医療従事者向けに書かれた、筆者独自のユニークな切り口・語り口
【本書で学べること】
●根拠に基づいた、「人工呼吸のコアの知識」
●肺保護換気の概念
●疾患・患者・看護・観察の感覚的な理解
【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
【本書のおすすめの読み方・活用方法】
●時間がある先生は、これまで悩んだ診療を思い出しながらまず通読!
●悩んだ項目について、それぞれつまみ食い的に読む
●レクチャーをするなら?と想像しながら読み進める
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!
【本書のまとめ】
人工呼吸について学び始める医療従事者全ての方に手に取っていただきたい一冊である!
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