近年ニュースでも耳にすることの多い『ECMO』
この新型コロナウイルス感染症拡大下で当院にも多くの重症肺炎の方が搬送されていますが、
そこで肺や心臓をサポートする医療機器として『ECMO』『PCPS』があります。
ER・ICUでの業務の合間に後輩たちからよく聞くのは、
「ECMOって複雑で怖すぎて触れません…」
「そもそもVAとVVって何が違うんですか…?」
という質問です。
一般的にもその名が知られるようになったECMOですが、
医療者の間では「管理が大変」「難しい」という印象を持つ者が多いのもまた事実です。
今回ECMO学習の初めに読むべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちら👇
これからご覧いただく医学書レビューは、
これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み、
その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている
ある救急科専攻医のレビューです。
医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、
是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!
1.本書のターゲット層と読了時間
ターゲット層は、
初期研修医から重症患者管理をする機会の多い後期研修医
推定読了期間は
6-7時間程度
です。
2.本書の特徴
本書は、救急・集中治療の分野でたくさんの名著を書かれている小尾口 邦彦 先生が、
3.個人的総評
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
今回の総評はほぼカンストしていますが、正直オススメ度やわかりやすさには☆100個ぐらい付けたいほどでした…笑
2020年11月時点でも、Amazonで集中治療分野でベストセラー1位になっているだけあって、圧倒的なAmazonでの高評価も納得できます。
これまで研修医時代から、ECMOについての勉強をしたいと様々な本を読み漁ってきましたが、本書のわかりやすさは群を抜いていると感じました。
理解すればいいところと、本当に覚えなければならないことをしっかりつ分けてくださっているので読者側としては重み付けをしながら読み進めることが出来ました。
豊富な図表を使ってくださっているのでスイスイ読み進められます。
特に、mixing pointの推定や、VV-ECMOの肝となるリサーキュレーションについては目から鱗の内容ばかりでした。
分かっているつもりだったことが、全然理解できていなかったのだと知ることが出来ました…ECMOは本当に奥が深い。。
ECMO初学者にとってはこの一冊をまず読み始めるのが最適解であることは間違いないと思いますが、
普段ECMOの管理に慣れている先生方にとってもきっと学びの多い一冊だと思います。
4.おすすめの使い方・読み進め方
●まずは本書を通読し、ECMOの概念を理解する
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!
●興味がわけばさらに専門書を読み進める!
個人的におすすめの使い方をご紹介します!
本書を読んだ後に経験するECMO管理の理解度は全く違うため、初期研修医など早い段階での通読をおすすめします。
そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。
5.まとめ
【基本情報】
タイトル:こういうことだったのか!! ECMO・PCPS
著者:小尾口 邦彦 (著)
出版社:中外医学社
発行年月日:2020/7/6
ターゲット層は、
初期研修医から重症患者管理をする機会の多い後期研修医
推定読了期間は
6-7時間程度
【本書の種類】
通読系・目次系
【本書で学べること】
●ECMOの管理で必須である理屈と構造を徹底的に理解することができる
●難しいVA-ECMOとVV-ECMOの違い
●ECMO管理独特の合併症をどんなふうに認識して、対応するかの根拠を深く学ぶことができる
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価: