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【レビュー】『検査値を読むトレーニング』【ルーチン検査でここまでわかります】

ER・ICUでの業務の合間に後輩たちからよく聞くのは、

「検査値の解釈がよくわかりません…」

「CRPが上がってきたから感染が疑われますかね…?」

といった率直な声。。

確かに自分自身いろんな医学書を読んできましたが、

この検査値の異常は何を意味しているのか…と質問の返答に困ってしまうこともしばしば。

ルーチンの血液検査の解釈についてもっと体系的に学びたい…!

そんな時、この一冊に出会いました。

今回、検査所見の解釈の学習に読むべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇

これからご覧いただく医学書レビューは、

これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み

その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている

ある救急科専攻医のレビューです。

医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、

是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!

 

 

 

1.本書のターゲット層と読了時間

 

ターゲット層は、

初期研修医・薬剤師

推定読了期間

10-12時間程度

です。

2.本書の特徴

本書は、本田 孝行 先生が、

●検査値の変動パターンをある程度理解し、病態の把握に役立ててほしい
●検査値の組み合わせパターンについて体系的に学んでほしい
との思いを込めて制作した一冊です。
検査データを時系列の変化で示し、
病態を「栄養状態」「細菌感染」「腎臓の病態」「肝臓の病態」など13項目に分け、
関連する複数検査値の組み合わせがどう変動するかを分析し解釈することを目指します。
この解釈の方法にはRCPCという名称がついています。
RCPC(Reversed Clinico-pathological Conference)とは
臨床の情報なしに検査値のみで病態を検討します。
検査値だけで考えられる病態をすべて検討することです。
50種類くらいのルーチン検査について、
異常値が出るメカニズムをしっかりと学び、
それを組み合わせて考えるトレーニングをすれば、
どんな病態なのかが推定できるようになります。
RCPCを用いたトレーニングを行うことで、今後何科に進んでも大事な基礎となる検査所見の解釈について学習している事でしょう。

3.個人的総評

【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:

さすがAmazonベストセラー1位の人気の一冊だけあって、総評もほぼカンスト状態です…

いままで自分はどれだけ曖昧かつ雰囲気で検査値の解釈を行っていたのか痛感しました…

特に感染徴候を疑う左方移動の内容については目から鱗の内容ばかりでした。

また、医学書に陥りがちなインプット過多にならないよう、常に問題に取り組んでいるため能動的に学ぶことが出来ます。

インプットと同時にアウトプットも行えるので、明日からの検査値の解釈にすぐ応用することが出来てとても実践的であると感じました!

本書は、検査値について体系的に学ぶ上で必須の一冊である!

と感じました。今後出会う初期研修医に本書を勧めたいと思います。

4.おすすめの使い方・読み進め方

●これまで悩んだ診療を思い出しながら、問題を解きつつまず通読!

●時間をおいてエッセンスの部分について復習

個人的におすすめの使い方をご紹介します!

著者個人の意見としては

本書を読んだ後に経験する検査値の解釈は理論だったものとなるので、初期研修医など早い段階での通読をおすすめします。
まずは、本書でトレーニングして13項目で検査値を解釈する基本の型を身に着けます。

そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。
そして、数か月たったのちに再び読み返してみると、基本に立ち返ることが出来てまた深い学びを得ることが出来ます!

5.まとめ

本書は、検査値について体系的に学ぶ上で必須の一冊である!
以下に要点や基本事項をまとめましたので、
購入する際には参考にしてください。

【基本情報】
タイトル:検査値を読むトレーニング: ルーチン検査でここまでわかる
著者:本田 孝行
出版社:医学書院
発行年月日:2019/1/1

ターゲット層は、

初期研修医・薬剤師

推定読了期間

10-12時間程度

【本書の種類】

通読系・症例ベース

【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:

 

【おすすめの使い方・読み進め方】

●これまで悩んだ診療を思い出しながら、問題を解きつつまず通読!

●時間をおいてエッセンスの部分について復習

まとめ

本書は、検査値について体系的に学ぶ上で必須の一冊である!

 

 

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今後も定期的に記事を更新していきますので

 

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