医学書LABO

【レビュー】『3秒で心電図を読む本』【実臨床で本当に役立つ心電図の読み方を身につけましょう】

循環器内科の先生方はもちろん、医学生や研修医も判断が必要な心電図。

ER業務の合間に後輩たちからよく聞くのは、

「どうやったら心電図を読むのが早くなりますか…?」

「心電図を見るときどんな目線で読んでいますか…?」

という質問です。

確かに自分自身いろんな心電図の本を読んできましたが、

改めてそう言われると具体的に説明しにくい…と質問の返答に困ってしまうこともしばしば。

しかし、教科書通りにまずⅡ誘導のP波を見て、QRS波をみて…とあまりに丁寧に心電図を読んでいては臨床の仕事が進まないのもまた事実…

初期研修医の子たちに心電図についてもっとわかりやすく、そしてクリアに教えてあげられるようになりたいなあ…

そんな時にこの一冊に出会いました。

今回心電図のより臨床に即した読み方について学ぶ際に読むべき一冊として自分が自信をもっておすすめするのがこちらです👇

 

これからご覧いただく医学書レビューは、

これまで研修医時代に100冊以上の医学書を読み

その中でもオススメの医学書のレビューを月5冊以上書いている

ある救急科専攻医のレビューです。

医学生や研修医、各分野の初学者の気持ちが痛いほどわかるので、

是非この一冊を手に取ってみたいと思っていただけるようなレビューを心がけています!

 

 

 

1.本書のターゲット層と読了時間

 

ターゲット層は、

初期研修医から後期研修医

推定読了期間

4-5時間程度

です。

2.本書の特徴

本書は循環器内科医師として心電図に精通された、山下 武志先生が、

●何科の医師であっても限られた診療時間の中で求められるのは、効率よく心電図を読み解き、速やかに次の医療行動を決定することである。
●パターン認識による心電図診断ではなく、「視線」と「視点」に着目した新しい心電図の読み方を提案したい
との思いを込めて制作した一冊です。
さまざまな検診で検査された心電図を何千も読むうちに、徐々に心電図を読影する型を発見されたそうです。
この本を読み終えた時には、12誘導心電図を安全に乗りこなせるような読影方法を中心とした、

今後何科に進んでも大事な基礎となる心電図の読み方で学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
そして重要なのが、この読み方というのはいわゆるパターン認識や小手先のテクニックによるものではなく、心電図の生理学に基づいた本質的なものであるという事!
一見とても興味を引かれるキャッチーなタイトルであるためそのように勘違いされる方も多いとは思いますが、今後いつまでも使うことのできる思考なのです!

3.個人的総評

【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:

今回の総評において特に注目していただきたいのは…本書の内容の濃さにもかかわらず読了しやすい読みやすさであること!

理解すればいいところと、本当に覚えなければならないことをしっかりと分けてくださっているので読者側としては重み付けをしながら読み進めることが出来ました。

具体的な心電図波形を使ってくださっているのでスイスイ読み進められます。

特に本書で強調されている12誘導心電図を安全に乗りこなせるような読影方法の実際の目線の動かし方などの内容については、目から鱗の内容ばかりでした。

あくまで個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は

本書は心電図の臨床現場での具体的な読影を学ぶ上でのゴールドスタンダードとなる医学書である!

と感じました。今後出会う初期研修医に本書を勧めたいと思います。

※一方で、本書は心電図の基本事項についてある程度理解した上でないと難しいと感じる内容もあると思います。

P波って何…?など、心電図の基本事項にまだ不安のある方はコチラの一冊から勉強することをお勧めします👇

4.おすすめの使い方・読み進め方

●これまで悩んだ心電図診療を思い出しながらまず通読!

●その後は本書の心電図の型を復習しながら実臨床で応用してみる!

個人的におすすめの使い方をご紹介します!

著者個人の意見としては

本書を読んだ後に経験する心電図読影はスピード感も心電図を読む目線も変わり、無駄のない読み方ができるようになるので、初期研修医など早い段階での通読をおすすめします。

そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。

5.まとめ

本書は実臨床で心電図を読影する方法を学ぶ初学者にとって必須の参考書の一つである!  
以下に要点や基本事項をまとめましたので、
購入する際には参考にしてください。

【基本情報】
タイトル:3秒で心電図を読む本
著者:山下 武志
出版社:メディカルサイエンス社
発行年月日:2010/3/25

【ターゲット層】

初期研修医から後期研修医

【本書の種類】

通読系・目次系

【推定読了期間】

4-5時間程度

【評価】
必要性:
本の薄さ:
わかりやすさ:
面白さ:
継続使用度:
オススメ度:
※Amazon評価:
【おすすめの使い方・読み進め方】
●これまで悩んだ心電図診療を思い出しながらまず通読!

●その後は本書の心電図の型を復習しながら実臨床で応用してみる!

まとめ
本書は実臨床で心電図を読影する方法を学ぶ初学者にとって必須の参考書の一つである!  

 

この記事を読んで参考になった方、面白いと思ってくださった方は

 

今後も定期的に記事を更新していきますので

 

LINE登録Twitterのフォローnoteの登録よろしくお願いいたします!
みなさまのリアクションが今後の記事を書くモチベーションになります!