USMLE STEP1の受験における最も大きな壁の一つである、基礎医学。
研修医や高学年の医学生にとって最大の敵であることは間違いないと思います…
今回は、そんな基礎医学に焦点を当ててみたいと思います!
・改めて実感した、臨床医学とリンクする基礎医学の重要性
・USMLE STEP1で出題される基礎医学の各分野の具体的な勉強法を提案
・USMLEに興味がある医学生や研修医の方々
・USMLE STEP1の具体的な基礎医学の勉強方法を知りたい方々
・短期間での効率的なUSMLE基礎医学対策について知りたい方々
1.基礎医学の重要性
基礎医学はすべての医学の基本!臨床医学を学ぶ前にしっかり勉強しましょう。
と医学生時代に耳にタコができるほど先生たちに言われたと思います。
その一方で、部活やサークルの先輩は、
基礎医学なんて国家試験の時には全部忘れてるから、受かりさえすればいいよ~
と聞くし…実際どっちなの??と思っている方も多いと思います。
かく言う僕も、受かればオッケー👌と後輩に言っていた先輩の一人でした笑
USMLEの勉強をきっかけに基礎医学を学んだ後は
やっぱり基礎医学めちゃ大事やん!笑
と感じています。
やはり医師国家試験の勉強で臨床医学を一通り学んだ後に基礎医学を学んでみると、
医学生低学年の時とは違う臨床とのリンクする知識に面白さを感じることができると思います。
まだまだ初期研修医の身で、基礎医学の大切さを語れるほどの経験も知識もないのであまり偉そうに多くを語ることはできませんが笑、
臨床の場で出てきた新しい治療法や薬剤の作用機序を考えるときの土台となる知識はある程度ついたなと思います!
研修医初期のころは、薬剤の作用機序に書いてあるcAMPやGABA受容体という言葉に蕁麻疹が出るタイプでした。笑
ですが1年間基礎医学を学んだ後は、決して得意ではありませんがそれらの薬剤の作用機序について調べるのが楽しくなりました!
今後医師として働いていく以上、常に新たな治療法や治療薬が登場しますので、そのたびに楽しく学べるようになったのは大きなメリットだったなと思います。
やはり基礎医学、大事です◎
その他、USMLE STEP1の勉強をして感じたメリットについて詳しく知りたい方はこちらをチェック👇
https://www.dancing-doctor.com/entry/usmle-merit
2.USMLEの勉強を始める前の筆者のスペック
ここまで読んでいただいた方は、
それは勉強がもともと好きだったからだし、基礎医学も勉強してきたからなんでしょ?
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが僕自身、医学生時代は病気の病態や薬の作用機序の勉強はかなり苦手だったし、
生物選択でもなかったので基礎医学は大の苦手でした…
参考までに 研修医1年目の4月、自分の医学の勉強に関するスペックはこんな感じ👇
・国立医学部卒(国家試験の模試は40-50位/120位、CBTは70位くらい)
・高校時代は物理選択
・病態生理や薬理学は大嫌い
・なるべく単純暗記希望…国家試験は語呂合わせで乗り切った笑
このような、苦手意識がバリバリあった自分にとって基礎医学をまた最初からしかも英語で学び始めるのはかなり至難の業でした。
3.基礎医学の勉強を開始
USMLEの勉強を開始して、まず僕が始めたのはFAの通読。これが本当にしんどいんです。
しかも謎に几帳面な性格が災いして笑、FAを1ページ目の遺伝子学から順に読んでいくという、今想像してもかなりの苦行から僕のUSMLEの勉強はスタートしたのです。
そもそも当時
DNAが何でできているか?
DNAはどうやってできるか?
そもそも、DNAって何の略?
が日本語でもうまく説明できない人間が、英語でDNAのページを読めるわけがない笑笑
1ページ読むのに30分以上かかるようなありさま…
1週間たってもスピードはあまり変わらず、理解も深まらない…
ですが、自分のスケジュール的にFAの通読にかけられる時間は限られているし、はやくオンライン問題集にとりかかりたい!
そう思い僕はかなりスピードを上げて飛ばし読みして、わかったつもりになりながら通読を進めました。
FAの通読が終わったのち、いよいよオンライン問題集を解き始めます。
解き進めていくにつれ、僕には残酷な現実が突きつけられました。
臨床問題の正答率はほぼ50%…
しかも基礎医学の分野は意味不明で、正答率20-30%程度…
このままじゃやばい!
臨床問題はまだ兆しがあるけど、基礎医学は問題文の意味もよく解らないし、解説の意味も解らない笑
☝今でこそ(笑)とかをつけてますが、当時の僕はそんな余裕もあるわけなく、
USMLEをあきらめようか悩むような状態でした。
時間は限られているし焦る気持ちでいっぱいでしたが、まずは苦手な分野に絞って日本語で勉強するしかないと思い、日本語での基礎医学の勉強を開始しました。
実際のところ、いくつかの基礎医学の科目はオンライン問題集の勉強のみでも対策可能な印象でした。
ですが、
生化学(Biochemistry)
遺伝学(Genetic)
微生物学(Microbiology )
は、FAやオンライン問題集以外の別の対策をしなければならないと思いました。
これからは各科目の僕が行った具体的な対策を説明していきたいと思います。
物理選択で、基礎医学に苦手意識のある人にとってはきっと参考になると思いますので是非参考にしてみてください👇
4各基礎医学分野の具体的な対策
1生化学(Biochemistry)
解糖系やTCAサイクルって何ぞや?
という残念な状況からスタートし、で個人的に一番つらかった生化学の対策からです。
まずは医学生低学年の時に友人に勧めてもらった、シンプル生化学から勉強を開始しました。
ふむふむ、わかりやすい…笑
図解も多く、おおまかな理解に不要な細かい物質や酵素の名前がでてこないので広く浅く学ぶには最適の一冊だと思いました。
Kaplanを一周して出てきた単語や分野のページを一通り通読しました。逐一ネットなどで調べながら読んだので、通算7-8時間程度はかかった気がします。
これでだいぶ理解できた!でも結局問題は全然解けるようになっていないぞ…?笑
この本はわかりやすい反面、USMLEの問題の肝となる酵素や物質名をぼかして書いているためモヤモヤが残ったのでした。
そこでHPでいろいろと調べ、一番おすすめの教科書を見つけたのでこれを購入
4-2遺伝学(Genetic)
youtu.be遺伝の勉強については、教科書を使用しませんでした。
YOUTUBEで見つけた、トライの高校生物の授業動画をひたすら見て学習!
とてもわかりやすい…!
高校で生物を取っていない人には本当におすすめです。
2倍速にすると各単元約10分程度で観れるので、ご飯やお風呂の時間を利用して休憩感覚で視聴しました。
要所要所で出てくるまとめはスクショするなりノートにまとめるなりして、繰り返し復習しました。
これで基本的な概念は理解できるので遺伝に関してはあとはオンライン問題集で十分だと思います。
4-3微生物学(Microbiology )
日本人受験生にとっての鬼門である微生物学…
聞いたこともないようなウイルスや寄生虫、真菌が出てきて本当につらいです。
オンライン問題集の回答の選択肢にすべて知らない名前が並んだときなんかは死にたくなります…笑
まずはなじみやすい臨床向けの本を一冊通読しました。あまり理解していなかった感染症の基本的な鑑別手順やグラム染色の解説など、臨床で直結する内容が盛りだくさんでした!
この本ではマイナーであるという位置づけではありますが笑、USMLEで出題される微生物もしっかり登場しており、とても参考となりました。
ですが、一通りウイルスや寄生虫の特徴や名前を憶えても得点できないのがUSMLEの怖いところ…笑
例えばウイルス。問題に登場したウイルスがたとえHBVウイルスであるとわかったとしても、
DNAウイルスかRNAウイルスか
何本鎖なのか
エンベロープはあるのか
などすべてを理解していないと正解にたどり着けないのです!
なんと恐ろしい…笑
そんなときに利用したのがこちらの動画👇
youtu.beなんと、わずか約13分でUSMLEに必要なウイルスの暗記事項がすべて解説されています!
しかも暗記しやすい表や略語付き!
これを自分でいつでも書けるよう、頭の中に叩き込みました。
寝る前に何度 PAPPHHP… と唱えたことか…笑
これは一見の価値ありなので是非皆さん見てみてください。
みなさまのリアクションが今後の記事を書くモチベーションになります!