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【国試直前】救急専門医と一緒に解く!ABCDアプローチから考える国家試験対策

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国試まで1ヶ月、救急の問題なんとなく解いていませんか?

国試まであと1ヶ月。救急の問題、なんとなく解いていませんか?

ABCDアプローチって、もう当たり前すぎて「ここで落としてる場合じゃないよ」って思われるかもしれません。

ただ、簡単に見えるからこそ、臨床問題で「結局この人、挿管とNPPVどっちが先なの?」って迷うんですよね。

今回は、ABCDアプローチの中でも特に「A(気道)」にフォーカスして、救急専門医の視点から過去問を一緒に解いていきます。


ABCDアプローチ、なぜ大事なのか

救急の現場では、迅速な判断が必要になります。

呼吸が止まってしまった患者さん、GCSが3の意識障害、収縮期血圧が60のショック、脈が触れない心停止——。

こういった時に何から評価するのか、意思決定することはすごく難しいわけです。

💡 ABCDアプローチの根本にある考え方

重症患者さんの初期対応で最初に評価することは、「酸素の取り込みを念頭に置いた評価と介入」です。

  • A(Airway):気道——酸素の通り道が詰まってないか
  • B(Breathing):呼吸——肺でガス交換ができているか
  • C(Circulation):循環——全身に酸素を届けられているか
  • D(Dysfunction of CNS):中枢神経——脳に酸素が届いているか
  • E(Exposure/Environmental control):体温——ABCDを司る重要な要素

プライマリーサーベイとABCDアプローチの違い

ここ、整理しておくといいです。

  • プライマリーサーベイ:評価のみ(気道確保が必要かどうかを判断する)
  • ABCDアプローチ:評価+介入(気道確保が必要なら気道確保をする)

評価に加えて介入まで加えたのが、ABCDアプローチになります。

「Dって何の略か、意外とわからない人が多いんです。Dysfunction of CNS(中枢神経障害)は国試でもきっと問われることがあるから、覚えておいてください。」


気道確保が答えになる3つのパターン

国試で「A(気道)」が問われる問題には、大きく3つのパターンがあります。

📋 気道確保が答えになる3つのパターン

  1. 気道の異常がありそうな所見がある場合
  2. 気道確保と人工呼吸の適応の違いが問われる場合
  3. 気道確保の方法(どうやって確保するか)が問われる場合

パターン①:気道の異常を示す所見

これは比較的わかりやすいです。

  • 口腔内に出血がある
  • ゴロゴロとした音がする
  • 吸気時に喘鳴がする(ストライダー)←超重要
  • 発声ができない

⚠️ ストライダーを聞いたら

吸気時の喘鳴(ストライダー)は、上気道の閉塞を示唆する音です。

急性喉頭蓋炎などでストライダーが聞こえたら、気管挿管の準備を急ぐと覚えておいてください。

パターン②:気道以外の異常でも気道確保が必要なケース

ここが差がつくポイントです。

発声できていて、気道の異常が今なさそうでも、気道確保が必要なことがあるんです。

✅ 気道以外の異常でも気道確保を考えるケース

  • 呼吸不全:侵襲的な人工呼吸のために気管挿管が必要
  • ショック:酸素の需要と供給のバランスが破綻→酸素をたくさん供給するために
  • 高度な意識障害:ABCが崩れるリスクがある→切迫するD

「切迫するD」を覚えておこう

中枢神経の障害の中でも、ABCに異常をきたしうるような重症の意識障害のことを「切迫するD」と言います。

🚨 切迫するDの定義

  • GCSが8点以下
  • 急性の意識障害(GCSがベースより2点以上低下)
  • 脳ヘルニア徴候を伴う(瞳孔不同、片麻痺、高血圧を伴う徐脈)

→ 気管挿管をはじめとするABCの担保 + 頭部CT/MRIを急ぐ

意識が悪い人は、大量に嘔吐したり、舌根沈下したりして、Aがやばくなる。中枢神経が破綻することで呼吸が止まる(Bがやばくなる)。ABの異常があると、Cがやばくなる——。

Dのせいで、ABCが崩れることがあるんです。

「意識レベルが急に落ちたっていう問題が出たら、ABCに立ち返る。これ、すごく大事です。」


気道確保と人工呼吸の適応は違う

ここ、整理すべきポイントです。

人工呼吸って、チューブが入って人工呼吸器から送気するイメージがありますよね。でも、それ以外にも人工呼吸のサポートの方法はいろいろあるんです。

気管挿管することと人工呼吸することは、イコールではない。

📊 気管挿管の適応を考える3つの質問

  1. 気道が保護できるか?(用手的気道確保やエアウェイで保てない場合は挿管)
  2. 酸素化と換気が保たれているか?(呼吸不全があれば挿管を考慮)
  3. NPPVで様子を見れないか?(NPPVでダメなら挿管)

NPPVを使う前提条件

NPPVは呼吸のサポートには有効ですが、Aに異常がないことが大前提です。

⚠️ NPPVが使えないケース

  • 気道閉塞がある
  • 口腔内に吐物や出血がある
  • 痰が多い

→ NPPVをすると、痰や吐物を気道に押し込んでしまう!

Aの異常があれば、その時点で気管挿管です。NPPVは、Aの問題がない呼吸不全の患者さんに使うものと覚えておいてください。


気道確保の方法を整理する

気道を確保しましょうって言われたら、気管挿管をイメージする人が多いと思います。

でも実は、吸引することも気道確保の一部ですし、手で顎を上げるだけでも用手的な気道確保になります。

🔧 気道確保の方法(低侵襲から高侵襲へ)

  1. 吸引:口腔内の吐物や分泌物を取り除く
  2. 用手的気道確保:頭部後屈+顎先挙上、下顎挙上
  3. エアウェイ:経鼻エアウェイ、経口エアウェイ
  4. 声門上器具:ラリンジアルマスク(ラリマ)など
  5. 気管挿管:経口挿管、経鼻挿管
  6. 輪状甲状靱帯切開:気管挿管ができない時の最終手段

低侵襲のものからトライするのが原則です。

経鼻エアウェイと経口エアウェイの使い分け

種類 使えるケース 使えないケース
経鼻エアウェイ 意識がある程度保たれている 頭蓋底骨折(脳に迷入するリスク)
経口エアウェイ 高度な意識障害(嘔吐中枢が消失) 意識がある程度保たれている(嘔吐を誘発)

輪状甲状靱帯切開と気管切開の違い

ここ、意外と知らない人が多いんです。

緊急でやるのは輪状甲状靱帯切開です。気管切開ではありません。

📍 場所の違い

  • 輪状甲状靱帯切開:甲状軟骨と輪状軟骨の間(浅い、靱帯なのでパッと開く)
  • 気管切開:第1〜2気管軟骨のあたり(深い、軟骨なので開きにくい)

輪状甲状靱帯は浅くて靱帯なので、緊急時にすぐ開けられます。

一方、気管切開は深くて時間がかかるので、緊急時には向きません。


気管挿管の確認で一番大事なのは?

気管挿管した後、気管内に正しく挿管できているかを確認する方法はいくつかあります。

  • 胸郭の上がり
  • 呼吸音の聴診
  • チューブの曇り(フォギング)
  • 心窩部での聴診(食道挿管だとゴボゴボ聞こえる)
  • ETCO2(呼気終末二酸化炭素濃度)

✅ 臨床現場で一番大事なのはETCO2

ガイドラインでも、気管挿管の確認にはETCO2が最も推奨されています。

もちろん、聴診や胸郭の上がりも合わせて評価しますが、ETCO2が確認できれば最も確実です。


気道確保の流れをまとめると

📋 気道確保のフローチャート

  1. 出血・吐物があれば吸引
  2. 脊髄損傷がなければ頭部後屈+顎先挙上、あれば下顎挙上のみ
  3. 用手的気道確保で保てるか評価
  4. 保てなければエアウェイ(頭蓋底骨折の有無で経鼻/経口を選択)
  5. それでもダメなら気管挿管の準備
  6. 気管挿管ができなければ輪状甲状靱帯切開

まとめ

ABCDアプローチの「A」について、救急専門医の視点から解説しました。

国試まであと1ヶ月。教科書的な知識と臨床的な判断をつなげることで、試験本番で使える「思考の型」が身につきます。

  • 気道の異常がなくても、ショックや高度な意識障害では気道確保を考える
  • 気管挿管と人工呼吸の適応は違う
  • 気道確保は低侵襲のものから試す
  • 緊急時は輪状甲状靱帯切開(気管切開ではない)
  • 気管挿管の確認で一番大事なのはETCO2

わからないことがあれば、何度でもこの動画を見返してください。

一緒に学び、一緒に悩み、そして一緒に成長していきましょう。

国試、頑張ってください!応援しています。